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「タイトルだけで判断しないで」「予想外」ド直球な作品名とは“裏腹の内容”に好評の声続出!“異色すぎる”【新ドラマ】

  • 2026.1.14
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(C)「令和に官能小説作ってます」製作委員会

ドラマ『令和に官能小説作ってます』は、タイトルから受けるド直球な印象とは裏腹に、真面目に誠実に、そして熱く言葉に向き合うプロたちを描いた、異色のお仕事ドラマだ。第1話では、弁護士になるという目標を捨てた主人公・ましろ(桃月なしこ)が、思いがけず飛び込むことになった官能小説編集部で、その奥深さに触れる様子が描かれる。タイトルで避けてしまう視聴者も多そうなところ、SNS上では「予想外におもしろい!」「タイトルだけで判断しないで」と好評の声も多い。

※以下本文には放送内容が含まれます。

タイトルから程遠い、真面目なお仕事ドラマ?

母の強い意向により弁護士を目指して勉強し続けていたましろだが、このままじゃいつまでも勉強ばかり、司法試験になんて受かるわけない!と一念発起。多くの人に愛される物語を作りたい、という希望で出版社の面接を受けまくる。無事に転職できたましろが配属されたのは、なんと官能小説をつくる編集部だった。

1話冒頭から編集部内で飛び交っていたのは、新しい官能小説のタイトルを決めるにあたって、次々と出されるギリギリなワードたち。一見すると、ストイックに真面目な様子で、まさに政治の行く末を議論しているような雰囲気だ。編集長・玉川丈治(徳井義実)を筆頭に、大真面目に言葉のセンスを競い合う姿は、どこかシュールで、しかし妙にかっこ良く映る。

扱う言葉たちと、編集部員たちの真剣さとのギャップ。それこそがこのドラマの肝である。徳井演じる玉川編集長の、穏やかながらも執拗な熱を感じさせる語り口が、本作のトーンを絶妙なものにしている。あくまで官能小説は文学なのだ、そう言わんばかりの空気に、ましろは戸惑いと忌避感を隠せない。

言葉や表現に向き合い、追い求める職業人たち

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(C)「令和に官能小説作ってます」製作委員会

タイトルに「官能」とついている本作を、どうしても忌避してしまう視聴者も多いだろう。しかし、このドラマはただの斜め上な好奇心から、ニッチな世界を取り上げているわけではない。言葉ひとつで人の想像力をかき立て、五感を刺激する営みの奥深さと、それらを仕事として追求する職業人の姿勢に光を当てているのだ。

なぜ、どんなコンテンツも映像やデジタル媒体で受け取りやすくなった時代において、わざわざ官能小説を作っているのか?ましろの問いに、玉川編集長は“残存者利益”と“熱烈な愛好家の存在”を挙げてみせた。

本編でも触れられているように、レコード針の需要は年々減っていくばかりだが、根強いコアなファンは消えない。他社が制作を取りやめても、たった一社でも稼働していれば、残ったファンたちの要望に応えられる。国内外で圧倒的なシェアを取りつつ、母数は少なくとも消えないニーズに働きかけることができるのだ。

官能小説も同じである。どれだけ映像が発達しようとも、わざわざ活字で物語を摂取しようとする稀有なファンは存在し続けるだろう。このドラマは、そんな濃い読者たちが存在し、必要とされる限り、言葉や表現の可能性を真摯に追い求めようとする職業人たちの物語だ。

開かれる、未知の世界への扉

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(C)「令和に官能小説作ってます」製作委員会

本作において、視聴者と同じ目線に立ち、戸惑いを露わにしてくれるのが新人編集者・ましろの存在である。いきなり飛び込むことになった官能小説のディープな世界に対し、わからないことだらけで何が何やら……とちょっとした恐怖さえ混じるリアクションで、自然に視聴者の心を代弁してくれる。

とくに冒頭、編集部内で交わされる怒涛のようなタイトル案会議の渦中にいながら、まさに蝋人形のように固まってしまうましろの表情は絶妙だ。最初こそ抵抗感しかなかったであろう官能小説の世界に、しかし彼女は少しずつ理解を示せるようになっていく。引きの状態から一抹の興味が揺らぐまでの微妙なコントラストを、ましろを演じる桃月なしこはフレッシュに表現する。

編集部のベテラン・渡瀬(髙畑遊)や石神井(九十九黄助)、そして作家・古田剣(星田英利)など、真面目に官能小説と向き合う人々に囲まれながら、自身の常識や“普通とは何か”という疑問に向き合っていくましろ。この変化、官能小説というニッチな世界に限らず、新しいステージに足を踏み入れた者全員が共通して抱く、新鮮な感動ではないだろうか。

入口は際どいけれど、そのなかにいる人々は、愚直に言葉や表現に向き合う社会人たち。慣れない世界に戸惑いながらも、活字で想像力を刺激される喜びを味わいながら、ましろとともに未知の世界を探求したくなるだろう。次回以降も、この熱い編集部の言葉の格闘を、ぜひ楽しみに待ちたい。


テレビ大阪『令和に官能小説作ってます』毎週水曜24時から放送

ライター:北村有(Kitamura Yuu)
主にドラマや映画のレビュー、役者や監督インタビュー、書評コラムなどを担当するライター。可処分時間はドラマや映画鑑賞、読書に割いている。X:@yuu_uu_