1. トップ
  2. 「素敵な役者さん、ネトフリ出演する説」Netflixだからこそ“挑戦的”なキャスティング、おすすめの“独占配信”3作品

「素敵な役者さん、ネトフリ出演する説」Netflixだからこそ“挑戦的”なキャスティング、おすすめの“独占配信”3作品

  • 2026.1.9

実力も華も伴った人目を惹きつける俳優は、軒並みNetflix作品に出演している。そう思いたくなるほど、Netflix独占配信作品には名作が多い。地上波ドラマも健闘しているなか、Netflixだからこそできる挑戦的な表現やキャスティングが、名優たちのポテンシャルを引き出しているとも言えるだろう。SNSでも「素敵な役者さん、ネトフリ出演する説」が密かに囁かれるなか、それを裏付けるようなおすすめ作品を3本紹介したい。

※以下本文には配信内容が含まれます。

『クレイジークルーズ』“巻き込まれ型”主人公としての一面

坂元裕二による脚本で2023年にNetflix独占配信された映画『クレイジークルーズ』。W主演は吉沢亮と宮﨑あおいだ。演じ手としての持ち味は異なるふたりだが、どちらもどこか人間味を漂わせる芝居に定評がある。本作で彼らが表現するのは、バディものとも言えるしラブサスペンスとも取れる、絶妙な関係性。

undefined
宮﨑あおい(C)SANKEI

ふたりが出会う舞台は豪華客船で、思いもよらず突発的な事件に巻き込まれていくのだが、それを介して少しずつ距離を縮めていく。

朝ドラ『ばけばけ』でも、通訳担当の錦織友一役として存在感を示している吉沢亮。映画『キングダム』シリーズや『国宝』での活躍も自然に思い出されるところだが、『クレイジークルーズ』で特筆したいのは、彼の“巻き込まれ型”主人公としての新境地である。

絶対的な主人公として、強さや美しさを見せてきた吉沢だが、本作ではやや頼りない、でも放っておけない“普通の男”を体現している。対する宮﨑あおいは、どこか影を背負いつつも芯の強い女性を演じ、その眼差しだけで幾通りもの感情を語ってしまう。

吉沢&宮﨑の共演に惹かれて観始めたら、あっという間にラストまで引き込まれてしまうだろう。細部にまで配された美術や色彩設計にも注目してほしい。

『39歳』女性のリアルな感情に迫る

韓国ドラマ『39歳』では、ソン・イェジン、チョン・ミド、キム・ジヒョンという三者三様の魅力を持つ女優たちが、39歳を迎える女性のあらゆる“リアル”を繊細に描き出している。

これまで頑張ってきた自分の努力は認めつつも、同世代の誰かと比べて不要に焦ったり、積み上げてきたものが無駄だったかもしれない焦燥に駆られたり、もう何もかも投げ出したくなったり。そんな負の感情が、いつ心の隙間に差し込むとも限らない30代と40代の狭間。

『愛の不時着』で日本でも一躍有名となったソン・イェジン。2022年に共演したヒョンビンと結婚したことでも話題をさらった彼女だが、年齢を重ねてもなんら褪せない美しさと、清らかさを併存させた意志の強さが印象的な女優だ。彼女が演じるのは皮膚科医として成功しながらも、孤独を抱える女性。親友たちとの語らいのなかで見せる涙や笑顔は、演技というより“心の素顔”をのぞかせるようだ。

本作の魅力は、それぞれの登場人物の選択や決断が、絶対的な正解として提示されないことだ。誰かが間違っていて、また別の誰かが正しい、といった単純な構図はない。彼女たちの感情は常に揺れ動き、それに合わせて視聴者の心も惑う。このままの生き方で“間違いないのか”……そんな迷いが生まれたとき、ふと観たくなるドラマだ。

『グラスハート』音楽の裏に渦巻く衝突

ラストに紹介するのは、Netflixオリジナルドラマ『グラスハート』。佐藤健と菅田将暉が織りなす音楽を媒介とした対話に、SNS上でも多くの声が寄せられた話題作だ。

本作の主人公は、デビュー直前にバンドをクビになった女子大生ドラマー・西条朱音(宮﨑優)。まさにどん底にいた彼女に救いの手を差し伸べたのは、天才音楽家と称される藤谷直季(佐藤健)だった。

藤谷は彼女の叩くドラムの音にすぐさま可能性を見出し、自身の新バンド『TENBLANK(テンブランク)』のドラマーとして抜擢する。 高岡尚(町田啓太)、坂本一至(志尊淳)という、技術も個性も際立ったメンバーとともに、音楽業界を駆け上がっていく彼ら。

しかし、その華やかな成功の裏側では、藤谷の抱える過去や秘密や、ライバルバンド『OVER CHROME』のボーカル・真崎桐哉(菅田将暉)との因縁、そして音楽への情熱ゆえの激しい衝突が渦巻いていた。

地上波ではなかなか実現しないようなキャスティングや、ジャンルを超えた物語の数々。Netflix独占作品は、俳優たちが新たな表現に挑戦し、視聴者に新しい魅力を届ける場として、いまや無視できない存在だ。

今回紹介した『クレイジークルーズ』『39歳』『グラスハート』に共通しているのは、ストーリーの力強さもさることながら、俳優陣の底知れない表現力が、作品そのものを支えているという点。素晴らしい俳優たちが軒並みNetflixに出演しているという噂は、どうやら本当らしい。


ライター:北村有(Kitamura Yuu)
主にドラマや映画のレビュー、役者や監督インタビュー、書評コラムなどを担当するライター。可処分時間はドラマや映画鑑賞、読書に割いている。X(旧Twitter):@yuu_uu_