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【防犯対策】年末年始こそ危険!元刑事・佐々木成三さんに聞く「自分と家族を守る」防犯対策

  • 2025.12.5

年末年始が間もなくやってきますね。帰省や旅行など家を空ける人が増えることから、長期休暇の時期には犯罪が発生しやすい時期。犯罪者は時に在宅時でも侵入してくることがあるため、「うちは旅行も帰省もしないから関係ない」と考えるのは危険です!今回はパナソニックが開催した防犯セミナーにて、防犯のプロである佐々木成三さんから最新の防犯対策について聞きました。

犯罪の件数が減っているのに被害額は過去最高?!

佐々木成三さんは、元埼玉県警察本部刑事部捜査第一課の警部補。数々の重要事件で実績をあげており、現在は元刑事として防犯セミナーを開催したりテレビに出演したりと活躍しています。 佐々木さんによると、近年犯罪の件数自体は減っているものの被害額が過去最高金額となっているといいます。これは「犯罪の手口がかなり巧妙になり、1件での詐欺の平均被害額が大幅に増加した」ということ。 令和4年の特殊詐欺1件あたりの平均被害額は約260万円だったのに対し、令和7年の上半期の平均被害額は460万円とかなり上がっています。1つの詐欺に騙されてしまうと、大金を失ってしまう恐れが高いということですね。 特に犯罪組織は対策をしていない被害者と地域を特定し、狙ってくるといいます。「自分の身やお金を守るためには最新の犯罪手口を知り、自分で自分を守る必要がある」と佐々木さんは話します。

家まわりの最新防犯対策

佐々木さんのお話のように、犯人の手口を知って対策することはとても大切です。特に、年末年始は留守にする家が多かったり、お金の動きがあったりで、被害が増えてしまう時季。そこでまずは、家まわりでしておきたい防犯対策から見ていきましょう。

戸建ては外からの危険を防ぐ工夫を

モニターつき屋外カメラで警戒させる(①)

モニターつき屋外カメラを設置することで、対策をしている家だと知らせることになり、犯罪抑止力があります。また、万一被害にあったときにも、事件解決の一助となることもあります。

玄関のセンサーライトで相手をひるませる(②)

一軒家の場合、玄関先にセンサーライトを設置することが有効だといいます。侵入しようと近づいた際にパッと明かりがつくと犯人はひるみます。また、防犯カメラを設置しておけば、室内から不審者に気づくことができたり、スピーカーを通じて犯人に対して「こら!」と威嚇をすることもできます。

カメラつきドアホンで来訪者をチェック(③)

ドアホンにカメラがないものを使っているだけで、犯罪者に狙われてしまう恐れもあります。いまは広範囲が見えて死角が少ないものなど、性能がいいものが充実しています。また録画ができるタイプだと、不在時に不審者がドア付近に近づいていないかを確認できるのでさらに安心です。

とはいえ工事をするのは大変、と思ってしまいますよね。でも実は、自分で交換できるタイプもあるんです。そのタイプだと、プラスドライバーと絶縁テープがあれば、誰でも簡単に交換することができます。自宅はもちろん、離れて暮らす親世帯が心配、という人も帰省の際にサッと変えられるのでおすすめです。

  • ①ブザーの下のネジを取り外す
  • ②台座のネジを取りはずす
  • ③台座を取り外す
  • ④2つの線に絶縁テープを巻き、穴の中にしまう
  • ⑤もう1つの台座を取り外す
  • ⑥新しい商品の台座をネジで取り付ける
  • ⑦(新しい台座を取り付けたところ)
  • ⑧本体の裏側に単三電池6本を入れ、台座にはめ込む
  • ⑧ネジで固定して完成

置き配は長時間放置しない!(④)

配送業者の負担を減らすために、今後ますます増えそうな「置き配」。しかし、この置き配を狙った窃盗も増えています。デリバリーの業者が背負っているリュックはネットで誰でも購入が可能。デリバリー業者のふりをしてマンション内に侵入し、置き配の荷物をリュックにどんどん入れていく犯罪者も存在します。海外では長時間置いてある荷物は全て盗まれると言っても過言ではないのだそう。長時間置きっぱなしにしていると、周囲に留守だと知らせていることにもなってしまうので、できるだけ早く回収するか、置き配ボックスを設置するようにしましょう。

窓からの侵入を防ぐ(⑤)

外からの侵入経路になりがちな窓。ここからの侵入を防ぐには、窓に開閉センサーをつけて音がするようにする対策も。なかには、窓に設置したセンサーと手元の端末を連動し、家のどの窓が割れたのか&犯人が侵入したのか確認できる商品もあります。

そのほか、内窓をつけることでガラスを破る手間が二重になり、侵入を手間取らせたり諦めさせたりする効果が期待できます。

また、外から不審者に侵入されるのは、外出時とは限りません。万が一、自分が家にいるときに誰かが侵入してくるような事態が起きてしまったら、どうすればよいのでしょうか?まずは、対面しないようにすることが大切です。2階で寝ていて階下で音がした気がしても、安易に1階に降りることは避けたほうが無難。まずは内鍵をかけることができる部屋に避難し、110番をするのが安心です。

オートロックのあるマンションも油断は禁物!

オートロックのあるマンションで、2階以上だと安心なイメージがありますよね。ところが、佐々木さんによると、オートロックがあるからと油断することで危険が増すし、2階以上だから安全だとは言えないのだそう。マンションにお住まいの方も、しっかり防犯対策をすることが大切です。

「共連れ」に注意し、ちょっとの用事でも必ず施錠を

近年、「共連れ」が増えています。「共連れ」とは、オートロックを解除し住人などが入るのと同じタイミングで一緒に入ってきてしまうこと。「共連れ」で侵入した犯罪者は片っ端から玄関の扉を開けていき、無施錠の家があれば侵入を試みます。

ちょっとごみ捨てに行ったり、郵便物を取りに行くときなど、マンションに住んでいる人の50%が玄関を無施錠にしているというデータ(!)もあり、玄関から侵入される危険は大きいもの。「オートロックだから大丈夫」と思い込むのは非常に危険です!

工事不要のモニターつきドアカメラを設置する

マンションの場合は、家の外にライトやカメラを設置するなど、外側からの対策が難しもの。でも、ドアにひっかけるだけで工事不要のモニターつきドアカメラもあります。室内のどこからでも玄関前の様子を確認&対応でき、外出先から確認できるアイテムがあると安心ですね。

在宅時に侵入されたときの対策は?

家にいるときに不審者が侵入してきたら、どうしたらいいのでしょうか?佐々木さんのおすすめは「緊急SOS機能」。スマートフォンにはアンドロイドにもiPhoneにも搭載されている機能で、設定すると「電源ボタンを5回素早く押す」などの動きで自動的に110番に電話をかけることができます。

iPhone なら「siri」の機能を使って、「110番かけて、スピーカーをオンにして緊急通報」など声で指示をすればスマートフォンが近くにない場合でも素早く110番通報ができます。警察は110番通報を受けると強制的にGPSの情報を取得し、駆けつけることができるそうです。まずは110番にかけることで命を守ることができます。普段から「緊急SOS機能」や「siri」の使い方を確認しておきましょう。

親世代の詐欺を防ぐ方法

素敵なあの人読者の中には、親世代の詐欺対策に頭を悩ませている方も多いのではないでしょうか。80~90代の方にとっては特殊詐欺はいまいち理解がしづらいもの。電話などで素直に個人情報を話してしまうこともあるかもしれません。そんな親世代が騙されないためには?

佐々木さんのお父様も84歳で岩手県で1人暮らしをしているそうで、まさに同じ状況。「留守番電話にして電話に出ないで」と伝えても出てしまっていたそうです。どうしたらいいか悩んだ末に、導入したのがパナソニックの「迷惑電話防止機能付き電話」。これは、電話がつながる前に、「この通話は迷惑電話防止のために録音されます」と警告音声が流れる電話機です。犯人は録音を嫌う傾向にあるので、電話を切ってくれる可能性が高まります。また、電話を切らなかったとしても録音されるので、通話内容を家族や警察に聞いてもらうこともできます。こうした電話に変えるだけで、親世代の行動を変えずに詐欺を防ぐことができるかもしれません。

犯罪手口は日々進化!「自分は大丈夫」と思っている人ほど騙される傾向も!

「特殊詐欺」と聞くとどのようなものを想像するでしょうか?最もイメージしやすいのは「オレオレ詐欺」だと思います。「オレオレ=詐欺ね」と騙されない自信がある方も多いかもしれませんね。高齢者が騙されるイメージの強いオレオレ詐欺ですが、近年では中高年や20~30代の被害者も大幅に増加しているといいます。「自分は被害に遭わないと思っていた」と話す人ほど騙されているという統計もあるほど。 実は近年では犯人は「オレオレ」とは言いません。例えば警官に扮して騙そうとする人は、ビデオ通話をつなげるように誘導し、ディープフェイク(AI 技術を用いて生成された偽の画像や映像)を使って警察官っぽい顔、制服、偽の警察手帳や逮捕状を見せてくるといいます。こうしたディープフェイクは見極めが難しく、騙されてしまう人が多いのです。 現れた警察官が本物かどうか見極めるにはどうすればいいのでしょうか?たとえば、警察手帳を見せられたら本物だと信じてしまうかもしれません。ドラマなどで見た記憶から警察手帳がどのようなものかイメージはできますが、私たちのほとんどが本物を見たことがないはず。警察の制服も同じですよね。 「見せられたものだけで、その場で判断することは極めて難しい」と佐々木さんは話します。最近では、実在する警察の電話番号を表示させる技術もあります。少しでもおかしいと感じたら、一度電話を切って改めてこちらから警察署に電話をしましょう。「もし本物だったら疑ったら申し訳ない」と思うかもしれませんが、「本物の警察官も疑っていいと思います。警察官もそうすべきだと思っていますので、誰も怒りませんよ」と佐々木さん。

防犯に役立つアイテムを知って活用を

年々犯罪の手口は巧妙になり、自分は騙されないと思っている人でも騙されてしまう恐れが高まっています。犯罪に巻き込まれないためには、まずは自宅の防犯対策を万全に行うこと。そして最新の犯罪者の手口を知っておくことが大切です。年末年始には、家族や近所の人と共に、対策について話してみるのもよさそうですね!

撮影・文/松本果歩

この記事を書いた人 松本果歩

インタビュー・食レポ・レビュー記事・イベントレポートなどジャンルを問わず活動するフリーランスライター。コンビニを愛しすぎるあまり、某コンビニ本部員となり店長を務めた経験あり。日本酒・焼酎・発酵食品が好き。

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