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リフト代1万円超⇒3000円!進化系観光協会「DMO」の取り組みで「住む人もハッピーに」

  • 2025.12.3

進化型の観光協会「DMO」とは?

インバウンドでにぎわう北海道の観光業界。いま、ある取り組みが注目されています。
従来の「観光協会」などの枠組みを超え、地域全体が満足できる、いわば「進化型の観光協会」、それがDMOという存在です。

スキーシーズンを前に、北海道旭川市のゲレンデではゴンドラが。
赤く色づき始めた木々を横目に頂上に向かうと…。

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「海ですか?見えるんですか⁉」観光客からどよめきが。

ここでは冬に限っていたゴンドラの運行を10月から前倒ししてスタート。
2024年、新たに展望台まで整備しました。

この取り組みに関わっているのが「大雪カムイミンタラDMO」。
旭川市など、上川地方の1市8町で構成する地域組織です。

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「DMO」とは、観光を運営・経営する組織のことです。
地域の観光戦略を担う司令塔として、観光地を丸ごと経営しちゃおう!そんな取り組みが全国各地で進んでいます。

大雪カムイミンタラDMOの佐藤昌彦副理事長が教えてくれました。
「旭川は、北海道第2の都市なので、都市型スノーリゾートという基軸ですね。この地域の特徴を生かした地域づくりを行っている」

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提供 大雪カムイミンタラDMO

欧米からのインバウンド客を軸に、四季を通じた地域づくりを進めています。

デジタル技術も活用

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DMOは10年前の2015年に始まった、国による登録制度です。

「大雪カムイミンタラDMO」は2017年登録の、いわば初期メンバー。力を注ぐのは、観光分野だけではありません。

上川大雪カムイミンタラDMOの服部慎一マネージャーが、「ICTパーク」と呼ばれる施設を紹介してくれました。

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提供 大雪カムイミンタラDMO

ICTパークは、eスポーツで外からの来訪者を増やす取り組みや、最新のICT技術を使って観光の分野における人手不足などさまざまな課題に対応できるようなサービスを開発したり、発信している拠点なのだそうです。

「観光」と「デジタル」。一見まったく別の世界を繋いで、交流の場や、人を呼ぶ仕掛けを作る。
観光をきっかけに、まち全体を元気にしようという狙いです。

そして、年間300万人以上が訪れる、世界的リゾートでも…。

地域全体に役立つDMO

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「持続可能で国際的な競争力が高い」との理由から、倶知安観光協会は10月に「先駆的DMO」の登録を受けました。
倶知安観光協会の鈴木紀彦事務局長は「やっぱり日本の従来の観光協会だと限界が出るところで、DMOの役割は地域住民にも寄り添わないといけない」といいます。

倶知安観光協会では、ホテルの宿泊データを分析して、地元の事業者にフィードバック。食材の仕入れや人材確保のヒントにしてもらっています。

つまり、マチぐるみで観光を「経営」する…それが「先駆的DMO」なのです。

それだけではありません。インバウンドの拡大に伴う、地元を悩ませる物価上昇という課題にも。
マイナンバーカードを活用して、アプリで町民であると証明すると…日帰り温泉や飲食店も、おトクに利用できます。

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例えば、スキー場のリフト券は1万1000円が、なんと3000円に。
観光ビジネスだけじゃなく「地元に暮らす人にも優しい」、そんな地域全体に役立つDMOが注目されています。

「住んでいる人がハッピーじゃないと、来る方もハッピーに感じない。住んでよし、訪れてよしがDMOの大原則」鈴木紀彦事務局長は明言します。

後発組となった札幌

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こうした流れのなか、10月14日、札幌観光協会のトップに「DMO」の登録証書が届きました。

札幌観光協会の笹原晶博会長は「札幌は観光地として世界の中で認められる有数の観光都市。札幌市とDMO、そこに参画する事業者の皆さん、札幌市民、各団体と連携しながら邁進していきたい」と意欲を高めます。

DMOの申請には、詳細な経営戦略のプランなどが必要です。
登録されると、専門家の派遣や助成金など、国の支援があります。

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ただし、運用は厳格で、取り消しになることもあります。DMOの登録数は現在332件。
後発組となった札幌が、どう独自性を出せるか。これからが本番です。

これからのDMOの役割

セントラルフロリダ大学の原忠之准教授は、札幌は大都市の強みを生かせるかがカギだと話します。

「札幌レベルの大きさだとコンサートがありますよね。ものすごい数の人が集まるわけですよ。だからそういう自分でやるようなイベントを仕掛けられるか、その季節性をいかに埋めるかという部分でDMOは重要」

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そのために必要なのは、1年を通じて客を引き付けるマチの魅力だと指摘します。

札幌観光協会DMO設立準備室の大谷剛久部長は「事業者様が思う存分に力を発揮できるような環境を、私どもDMOとして地域のハブ役となって札幌全体で作り上げることができれば」と士気を高めます。

観光を起点に、地域の課題を解決していく。
DMOは「観光の司令塔」を超え、マチの未来をデザインするチカラへ。進化が始まっています。

文:HBC報道部
編集:Sitakke編集部あい

※掲載の内容は「今日ドキッ!」放送時(2025年11月10日)の情報に基づきます。

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