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北欧が生んだ巨匠、建築家アルヴァ・アアルトの作品集

  • 2025.12.2
Nori Takahashi

フィンランドが生んだ巨匠、アルヴァ・アアルトは生涯に200を超える建築作品、40を超える家具や照明作品、フラワーベース、テキスタイルなどをデザインした。そんな彼の生涯の作品を一挙にご紹介。「北欧の賢人」と称されたアルヴァ・アアルトの優れたデザインから学ぶべきことは多いはず。

©Alvar Aalto Foundation

アルヴァ・アアルト(Alvar Aalto)とは?

1898年、フィンランドのクオルタネで生まれたアルヴァ・アアルトは、ヘルシンキ工科大学で学んだ後、1923年にユヴァスキュラにて自身の事務所を設立。1924年にアイノ・マルシオと結婚。その後トゥルク、そしてヘルシンキに事務所を移す。数多くの公共施設、住宅、家具の設計を行い、都市計画にも携わった。設計した建築物で使う家具も自らデザインし、1935年にマイレア邸の施主であるマイレ・グリクセンらとともにインテリアブランド「アルテック」を共同設立した。公私ともにパートナーであった妻アイノとは、彼女の早すぎる死まで互いに支え合い、建築作品はどれもアイノの名前もサインしていたという。

Nori Takahashi

1924年/カルピオ邸の改築

アルヴァ・アアルトが最初に設計事務所をかまえたのが首都ヘルシンキから車で3時間ほどの場所にあるユヴァスキュラという街。ここはアアルトが幼少期を過ごした場所で、彼は1923年にこの地に「建築・モニュメンタルアート事務所 アルヴァ・アアルト」という事務所を開設。その最初の仕事として依頼されたのがカルピオ家とヌオラ家から依頼された修復工事だった。写真はカルピオ邸の現在の様子。建物はアアルトが手を加えた後、さらに改築されてしまったが手前のボールト型の屋根が続く階段は当時のまま残されている。

Nori Takahashi

1924年/アイラ・ハウス

カルピオ邸と同じく、ユヴァスキュラに建つ「アイラ・ハウス」 は鉄道公社員のためのレンガ造りの建物。これはアアルトにとって初の多層アパート設計だった。ユヴァスキュラにはこの建物をはじめ、1920年代から1970年代までにアアルトが手掛けた建物が約20件ほど残っている。

Nori Takahashi

1924~25年/労働者会館

アアルトのキャリアにとって重要な初期の公共建築といえるのが、ユヴァスキュラの「労働者会館」。1924年、アアルトはアイノと結婚し新婚旅行でイタリアを訪れ、多くのインスピレーションを得る。その後に設計された「労働者会館」にはシンメトリーな構成や、アーチ状の開口部などイタリアのルネサンス建築の影響が感じられる。

Nori Takahashi

竣工時はユヴァスキュラ労働者組合の集会場・劇場として設計され、現在は「アアルト・ホール」としてイベント会場として活用されている。

Nori Takahashi

〈写真〉照明などの家具もアアルトがデザインした。

Getty Images

1927-1935年/ヴィープリの図書館(ヴィボルグ市立図書館)

ロシアのヴィボルグ市に建てられたこの図書館は、白を基調としたシンプルな外観が特徴。この建築でアアルトの名は一躍知れ渡った。この図書館のために照明や家具が多数デザインされたことでも知られる。

Maija Holma, ©Alvar Aalto Foundation

1928-33年/パイミオのサナトリウム

フィンランドのパイミオに結核療養所として建てられたこの建物は、カラフルな外観・内装が目を引く。「41 アームチェア パイミオ」など、「アルテック」で現在も販売されている家具にはこの建物由来のものがある。

Nori Takahashi

新鮮な空気と自然光を取り入れるため、病室は窓が大きく取られ、かつ多くの時間を寝て過ごす患者の目に眩しくないよう照明は光源が見えないようなシェードになっているなど、細部にいたるまで療養患者への配慮が生きたディテールが随所にみられる。

Getty Images

1928-33年/パイミオのサナトリウム

Maija Holma, ©Alvar Aalto Foundation

1936年/アアルト自邸

ユヴァスキュラで最初の事務所を構えたアアルトは、その後1927年にトゥルク、1933年にヘルシンキへと事務所を移す。アルヴァとアイノ・アアルト夫妻がヘルシンキのリーヒティエ通りに建てた彼らの自邸は34年に土地を手に入れ、36年に自邸を完成させた。木材がふんだんに使われた心地の良い空間で、現在でもガイド付きのツアーで見学することができる。

Maija Holma, ©Alvar Aalto Foundation

© Artek Collection / Alvar Aalto Museum

1938-39年/マイレア邸

友人でもあり、「アルテック」の共同設立者としてビジネスパートナーでもあったマイレ・グリクセンとその夫ハッリのために、フィンランドのポリに建てられたマイレア邸。 内装はアイノ・アアルトが担当した。

© Artek Collection / Alvar Aalto Museum

2フロアからなる建物は1階にLDKやミュージックルーム、冬の間も植物を愛でるためのコンサバトリーなどがあり、2階に寝室や子供室、客室が並ぶ。外観にも内部空間にも木がふんだんに取り入れられており、周囲の松林に溶け込む。

© Artek Collection / Alvar Aalto Museum

Getty Images

1947-49年/ベーカーハウス(MIT寄宿舎)

客員教授としてアアルトも教壇に立っていた、アメリカ・マサチューセッツ州にあるマサチューセッツ工科大学(MIT)の学生寮。うねるように流れる外観が特徴。

Martti Kapanen, Alvar Aalto Foundation

1949-52年/セイナッツァロの町役場

セイナッツァロ島にある、赤レンガで覆われたセイナッツァロの町役場は敷地から4mの高さに中庭があり、その中庭を囲むように行政機関や図書館、職員の住まいなどが配されている。

Nori Takahashi

〈写真〉セイナッツァロの町役場で印象的なのが陰と陽のコントラスト。中庭を囲む1階の回廊は大きな窓ガラスから自然光がたっぷりと差し込むプランなのに対して、2階にある議場とそこに向かうアプローチは高窓からのみ採光を取り入れた、静謐な空間が広がっている。

Getty Images

1949-74年/アアルト大学(ヘルシンキ工科大学)

アアルト大学として親しまれているヘルシンキ工科大学の、フィンランド・エスポ―市オタニエミ地区のキャンパス。本館のほか、図書館やスポーツセンターもアルヴァ・アアルトによる建築。

Getty Images

1951-71年/ユヴァスキュラ大学

アルヴァ・アアルトが少年時代を過ごしたフィンランド・ユヴァスキュラの大学の増築コンペで勝ち取り設計。赤レンガのモダンな建築。

Maija Holma, ©Alvar Aalto Foundation

1952-54年/夏の家(コエ・タロ、ムーラッツァロの実験住宅)

アイノ・アアルトが1949年に死去後、再婚したエリッサ・アアルトとアルヴァが過ごした、フィンランド・ムーラッツァロ島にあるサマーハウス。母屋にゲストルームが続く形で併設されており、スモークサウナもある。

Nori Takahashi

〈写真〉伝統的な丸太組積造を用いたスモークサウナ。現在は使われていないが、内部に足を踏み入れると今でもスモークの香りが感じられる。

Nori Takahashi
Maija Holma, ©Alvar Aalto Foundation

1954-63年/アアルトのアトリエ(スタジオ・アアルト)

フィンランド・ヘルシンキのアアルトの自邸のほど近くに位置するアトリエは、アアルト設計事務所のオフィスとして建てられた。円形劇場のような階段状の中庭を囲む形で白壁のアトリエが立つ。

Maija Holma, Alvar Aalto Foundation
© Artek Collection / Alvar Aalto Museum

1956-61年/ルイ・カレ邸

フランスの美術商ルイ・カレのために建てられた、フランスのバゾッシュの森近辺に位置する住宅。森を見渡す美しいロケーションの住宅で、建物だけでなく数多くの家具もこの家のためにデザインされた。

Maija Holma, Alvar Aalto Foundation.
Getty Images

1958-62年/ヴォルフスブルクの教会と教区センター

ドイツ・ヴォルフスブルクにある、聖霊教会や牧師館、幼稚園などいくつかの建物が集まり教区を形成している総合施設。教会の美しいアーチ状の天井と、はしご状の鐘楼が特徴。

Getty Images

1962-75年/フィンランディアホール

アルヴァ・アアルトが手がけていたヘルシンキの都市計画の一部として設計された、議会場・コンサートホール。外壁には白い大理石が贅沢に使用されている。

Maija Holma, ©Alvar Aalto Foundation

1971-73年/アルヴァ・アアルトミュージアム

アルヴァが少年時代を過ごしたフィンランド・ユヴァスキュラにあるミュージアムでは、彼が手掛けた建築やデザインを体験することができる。

Getty Images

1966-94年/リオラの教会(リオラ・ディ・ヴェルガト)

イタリアの小さな村、リオラ・ディ・ヴァルガトにある教会。数回プランが練り直され、施設が追加され、アルヴァの死後完成した。

Getty Images

Tiina Ekosaari, ©Alvar Aalto Foundation

アルヴァ・アアルトは1935年にインテリアブランド「アルテック」を、妻のアイノ、マイレ・グリクセン、美術史家のニルス=グスタフ・ハールとともに共同設立。アルヴァと妻アイノがデザインした家具のいくつかは、今もなお「アルテック」で販売されている。

ここからはアルヴァ・アアルトがデザインした家具と照明を見てみよう。

※価格は掲載時のものです。

Artek

1929年/チェア 611

「チェア 611」¥119,900/アルテック


写真 Chair 611, clear lacquered birch, naturalwhite

Artek

1932年/アームチェア 42

「アームチェア 42」¥460,900/アルテック

写真 Armchair 42 black lacquer




Artek

1932年/アームチェア 41 パイミオ

「アームチェア 41 パイミオ」¥701,800/アルテック

写真 Armchair 41 "Paimio" black lacquer





Artek

1932年/サイドテーブル 915

「サイドテーブル 915」¥173,800/アルテック

写真 Side Table 915 clear black lacquer

Artek

1933年/スツール 60

「スツール 60」¥38,500~/アルテック

写真 stool 60 clear lacquer

Artek

1933年/アームチェア 401

「アームチェア 401」¥554,400~/アルテック

写真 Armchair 401 birch clear laquer_seat fabric upholstery Artek grey

Artek

1933年/アームチェア 402

「アームチェア 402」¥394,900~/アルテック

写真 Armchair 402, birch clear laquer seat fabric upholstery Artek grey




Artek

1933年/デイベッド 710

「デイベッド 710」本体¥182,600(マットレス、カバー、クッション別売り) マットレス¥95,700 カバー¥32,000~ バッククッション(2個セット)¥58,000 クッションカバー(2個セット)¥25,000/アルテック

写真 Day Bed 710 Hallingdal65 750 blue

Artek

1934年/スツール E60

「スツール E60」¥42,900~/アルテック

写真 stool e60 clear lacquer top grey

Artek

1934年/子供用スツール NE60

「子供用スツール NE60」¥42,900~/アルテック

写真 Children's Stool NE60 natural lacquered birch

Artek

1935年/ハイチェア K65

「ハイチェア K65」¥83,600~/アルテック

写真 High Chair K65 legs birch seat white

Artek

1935年/バースツール 64

「バースツール 64」¥96,800~/アルテック

写真 Bar Stool 64 75cm legs birch top black linoleum

Artek

1935年/子供用チェア N65

「子供用チェア N65 」¥72,600~/アルテック

写真 Children's Chair N65 legs birch seat black linoleum

Artek

1935年/チェア 66

「チェア 66」¥72,600~/アルテック

写真 Chair 66 black lacquer

Artek

1935年/チェア 69

「チェア 69」64,900~/アルテック

写真 Chair 69 clear natural

Artek

1935年/チェア 65

「チェア 65」¥64,900~/アルテック

写真 Chair 65 birch

Artek

1935年/チェア 68

「チェア 68」/アルテック

写真 Chair 68 black lacquer

Artek

1935年/アアルト テーブル 円形

「アアルト テーブル 円形」¥96,800~/アルテック

写真 Table 90D legs birch top white

Artek

1935年/ネストテーブル 88

「ネストテーブル 88」※現在は廃盤

写真 Nesting table 88 stack

Artek

1935年/テーブル 95

「テーブル 95」 ¥215,600~/アルテック

写真 Aalto Table half-round 95 legs black laquered top black linoleum

,.

1935年/アアルト テーブル 正方形

「アアルト テーブル 正方形」¥143,000~/アルテック

写真 Aalto Children's Table square 81C legs and edge band birch top black linoleum

Artek

1935年/アアルト テーブル 長方形

「アアルト テーブル 長方形」¥162,800~/アルテック

写真 Aalto table rectangular 81B birch natural lacquered

Artek

1936年/アームチェア 400 タンク

「アームチェア 400 タンク」¥831,600~/アルテック

写真 Armchair 400 Tank honey stain birch seat fabric upholstery Artek grey

Hearst Owned

1936年/ティートロリー 901

「ティートロリー 901」¥413,000~/アルテック
写真 TEA TROLLEY 901 ColoRing

Artek

1936年/壁付け棚 112

「壁付け棚 112」¥72,600~/アルテック

写真 Wall Shelf 112B black lacquer

Artek

1936年/傘立て 115

「傘立て 115」¥90,200/アルテック

写真 Umbrella Stand 115 clear lacquer

Artek

1936年/コートラック 109C

「コートラック 109C」¥73,700/アルテック 東京

写真 Coat Rack 109C laquered birch

Artek

1936年/パーテーション 100

「パーテーション 100」¥323,400~/アルテック

写真 Screen 100

Artek

1937年/ラウンジチェア 43

「ラウンジチェア 43」¥933,900/アルテック

写真 Lounge Chair 43 natural, naturalblack

Artek

1937年/ティートロリー 900

「ティートロリー 900」¥668,800/アルテック

写真 Tea Trolley 900 white tiles

Artek

1937年/ペンダント A330S ゴールデンベル

「ペンダント A330S ゴールデンベル」¥75,900~/アルテック

写真 Pendant Light A330S Golden Bell

Artek

1939年/アームチェア 406

「アームチェア 406」¥280,500/アルテック

写真 Armchair 406 natural, blackbrown

Artek

1945年/ベンチ 153

「ベンチ 153」¥97,900~/アルテック

写真 Bench 153B clear lacquer

Artek

1950年代/ペンダント A333 カブ

「ペンダント A333 カブ」¥95,700/アルテック

写真 Pendant Light A333 Turnip brass off

Hearst Owned

1950年/ペンダント A338 ビルベリー

「ペンダント A338 ビルベリー」※現在は廃盤


写真 Pendant Light A338 Bilberry

Artek

1952年/ペンダント A110 手榴弾

「ペンダント A110 手榴弾」¥74,800/アルテック

写真 Pendant Light A110

Artek

1954年/ペンダント A440

「ペンダント A440」¥100,100/アルテック

写真 Pendant Light A440

Artek

1954年/フロアライト A805 エンジェルウィング

「フロアライト A805 エンジェルウィング」¥407,000/アルテック

写真 Floor Light A805 Angel Wing brass on

Artek

1954年/シエナ ファブリック

「シエナ ファブリック」/アルテック

写真 Siena Fabric white black

Artek

1955年/1956年/フロアライト A808

「フロアライト A808」¥738,100/アルテック

写真 Floor Light A808 brass

Artek

1956年/アアルト テーブル 伸長式

「アアルト テーブル 伸長式」/アルテック

写真 Aalto Table extendable 97 white laminate

Artek

1959年/フロアライト A810

「フロアライト A810」/アルテック

写真 Floor Light A810 brass tube on

Artek

1959年/フロアライト A809

「フロアライト A809」/アルテック

写真 Floor Light A809 brass tube on

Artek

1965年/フロアライト A811

「フロアライト A811」¥407,000/アルテック

写真 Floor Light A811 brass tube on

Maija Holma, ©Alvar Aalto Foundation

アルヴァ・アアルトは「イッタラ」でも1936年にアイコニックなフラワーベースをデザイン。「アルヴァ・アアルトコレクション」として現在もざまざまなサイズやカラーで愛され続けている。また、1939年にはニューヨークエキスポのために重なり合うデザインのボウルシリーズを手掛けた。

2021年には、1937年にデザインされ3点のみオリジナルが現存していた尖った形のフラワーベースが復刻。140周年を記念して限定数販売された。

IIttala

1936年/アルヴァ・アアルトコレクション

「アルヴァ・アアルトコレクション」/イッタラ

IIttala

1937年/アルヴァ・アアルト コレクション リミテッドエディション

「アルヴァ・アアルト コレクション ベース 」175×140mm/イッタラ

Maija Holma, ©Alvar Aalto Foundation

1939年/Aalto Flower

Elle Decor

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