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【ヴィンテージ探しの極意】価値あるアイテムを見抜くためのルール13

  • 2025.12.2
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掘り出し物を探しているときのあのワクワク感に勝るものはない。ずっと探していたムラーノガラスのマッシュルームランプを見つけたり、憧れだったゴージャスなガラス製品に偶然出くわしたりする瞬間は、これまでの苦労をすべて帳消しにしてくれる。

さらに良いものと出合い、手に入れるために、ヴィンテージアイテムを探す際のスキルアップを目指してみるのはどうだろうか。ここでは蚤の市やリサイクルショップへ足を踏み入れたときに注目すべき、価値あるアイテムを見分ける13のポイントを紹介しよう。この分野の専門家たちからの助言はきっと役に立つはずだ。US版「ハウスビューティフル」より。

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“無垢材”は別格扱い

無垢材を見つけたら、即決!「無垢材のテーブル、ドレッサー、サイドボードは重いはずです。持ち上げて重さを確かめ、揺らしてみて安定しているか、そして木材にヒビや底に傷がないか注意深くチェックしてください」と、ヴィンテージの専門家 A Vintage Splendorのアネット・ヴァルタニアンは語る。

彼女は、木製家具の古びた風合いを好む。「それが家具に個性を与え、木が持つ本来の美しさを際立たせるからです。たとえ表面に擦れや傷があっても、無垢材なら品質を損なうことなく、研磨して再塗装できます」と彼女は付け加える。

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接合部に蟻継ぎ(ありつぎ)を採用

ドレッサーや食器棚のように引き出しがある家具の場合、その構造を見るために引き出しを引いてみるべきだと、It’s Found Vintageのオーナー、ジェニファー・プリンスはアドバイスする。「蟻継ぎ(接合部の片方を蟻の頭に似た逆台形に加工し、もう一方に同じ形の溝を掘って組み合わせる)は、その家具について多くのことを教えてくれます。釘や接着剤で留められた引き出しと違い、蟻継ぎがあるのは質の高さを示すサインです」と彼女は指摘。

「これは製作された年代を知る手がかりにもなります。手作業で作られた蟻継ぎは、古い製造工程のため少し不均一であることが多く、新しい蟻継ぎはエッジがよりきれいです。また、エッジがカーブした“ピン・アンド・コーブ(Pin and Cove)”という蟻継ぎは、短期間しか流行せず、通常は1800年代後半に作られたものであることを示しています」

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丁寧に作られたものは“重い”

次にヴィンテージショップや蚤の市に行ったとき、気になったブックエンドやキャンドルスタンドを持ち上げて、その重さを感じてみよう。

プリンスによると、アイテムの重さはその品質について多くのことを教えてくれるという。「これには厳密な科学的根拠はありませんが、ずっしり重いと感じたら、コレクションに加えるのに良い品かもしれません。例えば、軽いブックエンドは中が空洞である可能性が高いですが、重みがあるものは無垢材や金属であるか、少なくとも通常はより丁寧に作られています。軽くて中が空洞のアイテムは大量生産向けですが、重いアイテムは、製造者や企業がその品質にこだわっていることの表れです」と彼女は説明する。

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無二の木目を持つ“バール材”に注目

もしバール材のアイテムを見つけたら、すぐに買うべきだとヴァルタニアンは話の中で強くすすめている。

「木材があって、その上にバール材がある、と言いたいです!見た目が美しいだけでなく、バール材は二つとして同じものがないため、完全に一点ものです。バール材は木の瘤から作られ、様々な自然の形やデザインがあり、天然そのものです。その希少性と他にない個性から、非常に需要が高いのです」と彼女は話す。

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製作者のマーク(署名、スタンプ、ラベル)をチェック

プリンスは次のように言う。「洋服のタグと同じように、製作者のマーク(署名、スタンプ、ラベル)はそのアイテムの品質を示すことがあります。家具の場合、古いものだと紙のラベルや焼き印、手書きのサインなど、さまざまな形で残されています。もちろん、『ロイヤル コペンハーゲン』や『ヘイガー・ポタリー』のような、その名前自体が品質を保証する有名ブランドの品に出くわすこともあるでしょう」

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サイン入りのアート作品

アート作品や陶器に関して、ヴァルタニアンはサイン入りの作品はより価値がある傾向にあると指摘している。これは、その作品がオリジナルであるか、限定シリーズの一部であることを意味する可能性があるからだ。

「サインが美術学生などのアマチュアのものであっても、それは一点ものである可能性が高く、その作品に価値と個性を与えます。また、サインは作品の潜在的な価値を知るための素晴らしい指標にもなります。私は通常、その場でGoogle レンズを使って名前を検索し、アーティストについての情報を調べます」と語る。

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特別な磁器といえば“リモージュ”

食器セット、小皿、置物などを探すのが好きなら、プリンスは“リモージュ”という名前が品質のサインになる可能性があると言う。ただし、これは粘土で有名なフランスのリモージュ市で実際に作られたものであることが条件だ。「これらの作品は手描きなので、多くの場合2つのマークを見つけることができます。1つは製造した会社、もう1つは絵付けをした人を表しています」

しかし、リモージュ焼きは頻繁にコピーされ、複製されているため、彼女は本物を見分けるためのヒントをいくつか提案してくれた。それは、複雑な手描きの絵付け、年代を示すサイン(古びた風合いなど、ただしひび割れは除く)、そして刻印を探すこと。「また、光にかざして透けて見えるか確認したり、軽く叩いて澄んだ音がするかをチェックしたりするのも、リモージュが本物かどうかを見分ける方法です」と彼女は語った。

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“わずかに不完全”がムラーノガラスの個性

ヴァルタニアンがヴィンテージショップで最も注目するアイテムの1つは、イタリアのミッドセンチュリーのガラス製品。

品質と本物であることを確認するために、彼女はわずかな不完全さに注目するように提案している。「これは直感に反するように聞こえるかもしれませんが、本物のムラーノガラスは、自由な形を作る工程ゆえに、小さな欠陥や不規則な形を持つことが多いのです。その不完全さこそが、彼らのガラス製品がコレクションとして価値を持つ理由のひとつなのです」

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高品質かつ王道の素材

生粋のコレクターであり、元アンティークショップのオーナー、そして成功したeBayの販売者でもあるフィリップ・ナコフは言う。「ホームデコレーションやキッチン用品の場合、高品質な素材にはステンレス鋼、鋳鉄、磁器そして本革などが含まれます」

アイテムが何でできているかを確認するために、、彼は使用されている素材を示すラベルやスタンプを探すようすすめているが、素材によっていくつかの分かりやすいサインがある。「例えば、本革には特有の質感と古びた風合いがあり、ステンレス鋼は錆や腐食に強いです。刻印を見つけるのが難しい場合もありますが、必ずアイテムをひっくり返してみてください。ガラス、クリスタル、金属製のアイテムは、台座(底面)を見てください。製造元のスタンプや刻印は、裏側に彫り込まれていたり、加工されていたりします。照明が暗い場所では見えにくいかもしれませんが、ルーペや拡大鏡があれば、ぜひ使ってみましょう」

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優れたクラフツマンシップ

どこを注意深く見れば“クラフトマンシップ”によって生み出されたと判断できるのだろうか? ナコフは言う。「細部へのこだわり、左右対称性、そして最終的な仕上げが、良質なアイテムと大量生産品を区別します」何に注目すべきかのとっかかりとして、彼は継ぎ目、縫い目、そして仕上げの注意深く見てみることが大事。

「家具なら、滑らかでムラのない仕上げと、きれいに揃った角や縁に注目しましょう。布製品なら、きつく均一な縫い目をチェックしてください。また、使われている生地の種類も、オリジナルのものであれば品質を示すサインになります。クッションの中身は、ダウンやフェザーですか? それともポリエステルですか? 高価なアイテムには、シルク、コットン、レザー、ウール、フェザーといった天然繊維が使われます。安価な商品には、ポリエステル、合皮、ゴム、レーヨンといった合成繊維が使われます」と彼は指摘する。

ナコフによると、現代的なデザイナーの中には、耐久性やデザインのために高品質な合成繊維を使うことがあるため、これは絶対的なルールではなく、一般的な目安だという。「継ぎ目がどのように馴染んでいるか、また、椅子やソファのアーム部分のストライプが背もたれやクッションの柄と完璧に合っているかを見てください。張り地(布地)がきれいに張られ、パターンが一致しているほど、職人技の質が高いということです」

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時代を超えたデザイン

「高品質なアイテムは、トレンドに関係なく常にスタイリッシュであり続ける、時代を超えたデザインを備えていることが多いです。こうした作品は、どんなインテリアスタイルにもスムーズに馴染み、時が経っても価値を保ち続けます。もしそれが、あなたの祖母の家から来たような見た目なら、それはおそらくアンティークであり、インテリアショップから来たように見えるアイテムよりも価値があるでしょう」と、ナコフ。

彼は、クラシックな形やニュートラルカラーを探し、時代を超えて愛されているデザインとはどのようなものかを、徹底して一度調べてみることをすすめている。

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機能的なディテールと使い心地

特にキッチン用品においては、機能的なディテールが高品質なアイテムを見分ける手がかりになると、ナコフは指摘する。

「これには、人間工学に基づいた持ち手、バランスの取れた重さの配分、そして実用的な機能が含まれます。実際に機能を試してみましょう。持ち手は快適でしっかりしているか、蓋はぴったり閉まるか、そして使用時にアイテムのバランスが取れているか、をチェックしてください」と彼は言う。

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Google レンズとAIも活用

ナコフにとって、何が価値あるものかを判断する最新の方法、そして彼が“秘密兵器”と呼ぶのが、Google レンズとAIだ。

「これは、ほとんどのモバイルデバイスで利用できるGoogleアプリの一部です。AndroidとiOS(Apple製品)の両方に対応し、アイテムの写真を撮るだけで、数秒でその情報が得られます。私は自宅にある物や、ヴィンテージショップ巡りで見つけた何十ものアイテムでGoogle レンズを試しましたが、その結果は驚くほど正確でした。提供される情報には、誰が作ったか、いつどこで作られたか、おおよその製造年、そしておそらく最も重要なことですが、そのアイテムが現在いくらで売られているか、または売れたかが含まれていることがよくあります」とナコフは語る。

original text : Elizabeth Kadar

>>US版『House Beautiful』のオリジナル記事はこちら

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