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意外と読めない?【漢字クイズ】「懇ろ」はなんと読む?→気になる正解は?

  • 2025.12.25

え、雰囲気は分かるのに読み方が出てこない…
そんな経験はありませんか?


今日のテーマ「懇ろ(ねんごろ)」もその一つ。
さあ!読み方や意味、使う場面を確認してスッキリしましょう。

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問題 「懇ろ」はなんと読む? 

普段はひらがなで使われる日本語ほど、
漢字になると急に読みづらくなるものです。

正解

 正解は...「ねんごろ」。さて、読めましたか?

意味は

心をこめて丁寧に接すること。

普段の日常会話ではほとんど耳にしませんが、親密さや誠実な態度を示す表現として文学作品や歴史ドラマ、手紙などで使われています。

「懇」という漢字が鍵

「懇(こん・ねんごろ)」には、

  • 誠実
  • 丁寧
  • 親しみ深い

といった意味があります。

「懇ろ」は、古語では恋愛関係を表す重要語としてもしばしば登場しました。

恋愛関係・親密な関係・丁寧なもてなしなどの情景を表す言葉として使われました。

たとえば、

「懇ろに育む」→ 丁寧に大切に扱う
「懇ろなる仲」→ 深い親交・恋愛関係
「懇ろにもてなす」→ 心をこめた接待

というように。

平安時代の文学作品『源氏物語』では、ただ親しいだけでなく、深い情が通う特別な関係を暗示する語として用いられています。

今も残っている言い回し、使うときの注意点

現代でも、柔らかく上品な雰囲気を作りたいときに用いられています。

<使い方の例>

  • 「懇ろに接する」→まごころをこめて丁寧に向き合う
  • 「懇ろな仲」→ 深く親しい人間関係
  • 「懇ろにもてなす」→ 心をこめて迎える

    一方、ビジネス文脈で使う場合は少し注意が必要です。

    「懇ろな説明」「懇ろな対応」と書けば丁寧さを強調できますが、相手との距離感によっては、やや重く感じられることもあります。

    文章の目的や相手との関係性を踏まえて使い分けることが大切ですね。

今日のまとめ

「懇ろ(ねんごろ)」は、

相手と深く向き合い、丁寧に心を寄せる姿勢を表す言葉。

言葉には、時代とともに薄れる意味もあれば、残り続ける核心もあります。
「懇ろ」は、まさに“人に向き合う姿勢そのもの”を表す、
日本語の奥深さを感じる一語といえるでしょう。

今日この言葉を覚えたあなたは、「これは丁寧さ・相手を思う深い心を表す言葉なんだ」と、そのニュアンスごと理解できるはずです。

言葉の背景を知ることで、文章の温度や奥行きも自然と変わります。
ぜひ、あなた自身の表現の中でも活かしてみてください。

次回の漢字クイズもお楽しみに!


・参考文献:広辞苑・第七版(岩波書店)、全訳 古語辞典(旺文社)、ほか


文(編集):桜うさぎ

小学生から高校生までの国語の講師として個別指導・集団指導に携わる。ふと目にした気になる漢字や文字の意味・成り立ちを楽しく伝える方法を探りつつ、日本語のすばらしさを実感する日々を送っている。