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北川景子──「変わることは怖くない。むしろ、変われないことのほうが怖いんです」【THE ONES TO WATCH 2025 vol.4】

  • 2025.12.1

「愛があるからこそ間違ってしまう。それでもそこが母親という存在のリアルだと思う」

ドレス ¥1,265,000 ベルト ¥363,000 シューズ ¥203,500 ピアス ¥368,500/すべてGUCCI(グッチ クライアントサービス)
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安定よりも未知の領域に立ち続ける──「変わることは怖くない。むしろ、変われないことのほうが怖いんです」。そう語る北川景子の2025年は、ドラマ『あなたを奪ったその日から』、NHK連続テレビ小説『ばけばけ』と、振り幅のある役が続いた年だった。そして最新作の映画『ナイトフラワー』では、生活苦にあえぐ母親であり、ドラッグの売人という、これまでにない人物像に挑む。「監督の内田(英治)さんとは以前ご一緒したときに音楽の話で意気投合して、『またご一緒したいですね』と話していたんです。そのとき『ドラッグの売人の役には興味ありますか?』と聞かれて、『もちろんあります!』と答えたら、少し経って本当にその役をくださって。うれしかったです」。ネイティブだという関西弁をまくし立てて演じる、子どもの未来のためにドラッグを売る主人公・永島夏希に、北川は強い共感を覚えた。「自分ひとりなら薬物なんて扱わなかった人。でも、子どものために追い込まれてしまう。親というのは正しいと思ってしたことが、後からやりすぎだったかもと気づくことがあります。私自身も教育熱心になりすぎたり、食事ひとつ取っても栄養を考えて無理に食べさせるべきか、本人に任せるべきか迷ったり。子育てって正解がない。だから子どものために間違ってしまう夏希の姿は理解できました。正しさだけでは生きられない、愛があるからこそ間違ってしまう。それでもそこが母親という存在のリアルだと思います」

「子どもを通して初めて知る感情や価値観がどんどん生まれて、人としても役者としても成長している」

母になって以来、価値観も生き方も大きく変わった。「子どもを持つ前は、結婚もしないかもしれないし、子どもを持つイメージもありませんでした。でも母になってみたら想像以上に楽しくて。子どもの存在が私の世界を広げてくれました。子どもを通して初めて知る感情や価値観がどんどん生まれて、人としても役者としても成長している気がします」。キャリアはもちろん、ファッションや日常でも、新しい自分やものを発見して刷新していくタイプだったが、どうしてもイメージが先行しがちだった。「20代の頃はバリキャリの完璧な女性像を演じることが多く、違う役もやりたいと思っていたけれど、なかなかチャンスがなかった。それが、子どもを産んだら『こういう母親役はどうですか?』と声をかけていただくことが増え、自然と幅が広がりました。いろんなことに挑戦できるようになり、仕事も一層楽しくなりました」

プライベートでは新たに夢中になっていることも。「娘の入園準備でミシンを買ったら、すっかりハマってしまって(笑)。布を選んだり、レースを足したりするクリエイティブな時間が、まるで瞑想みたいなんです。朝起きて完成作を見た娘が『これなあに?』と喜ぶ姿までがセットです」。その延長で手芸雑誌での連載も始まった。「趣味が仕事につながったのが今年の大きな喜びのひとつ。それから息子が喋り始め、『ママ』『パパ』『ねぇね』とお話する姿が本当に可愛くて、ものすごく幸せです」と笑う。多忙な日々も、カフェラテとハーブティーでエネルギーをチャージし、向学心を忘れない。「着付けと日本舞踊を習ってみたいんです。時代劇の仕事が多く、着物への興味が深まっていて。まだ着物や帯には手を出していませんが、ロケで京都に行くたびに、扇子やバッグなど小物を少しずつ集めています」。2026年の目標は健康第一。「元気でいなければ、仕事と子育てを両立できませんから。

Profile

きたがわ けいこ

1986 年8月22日生まれ、兵庫県出身。2003年に雑誌『SEVENTEEN』の専属モデルとなり芸能界入り。同年、ドラマ『美少女戦士セーラームーン』で俳優デビュー。映画『探偵はBARにいる3』(17年)で、第41回 日本アカデミー賞助演女優賞を受賞。現在出演のNHK連続テレビ小説『ばけばけ』が放送中。また、主演する映画『ナイトフラワー』が公開中。

問い合わせ先/グッチ クライアントサービス 0120-99-2177

Photos: Teruo Horikoshi Styling: Takayuki Hayashi Hair & Makeup: Anna Shimazaki Text: Rieko Shibazaki Editors: Yaka Matsumoto, Sakura Karugane

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