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働く女性が選んだ、ここぞというときの「一張羅」は? ジャケットやシャツ、エルメスのバッグが相棒

  • 2026.3.14
Hearst Owned

渡辺三津子/ファッションジャーナリスト

コム デ ギャルソン・オム プリュスのチェスターフィールドコート

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2025年2月頃に購入した、コム デ ギャルソン・オム プリュスの2025年春夏コレクションです。オーバーコートとジャケットの中間くらいに使えるアウターを探していて、コム デ ギャルソン青山店に立ち寄ったときに偶然出会いました。基本はクラシックなチェスターフィールドスタイルでありながら、ラフに垂れ下がる(背中にも)リボンにコム デ ギャルソンらしい挑発的な主張があり、「これだ!」と即決。トラッドがベースにあるので、仕事にもちょうどいい具合だと感じました。メンズ仕立てなので、インナーはフェミニンなブラウスでもTシャツでも、何でも取り込めるところが魅力。

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会社を辞めてから、より個人的な嗜好に選択が傾いてきたので、仕事でお会いする方々にとって少々「不思議な(変わっている?)デザイン」であっても、そんな“ズレを生む空気”も楽しむ感じになっています。

アライアのレオパード柄のバッグ

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形はまったく「お仕事仕様」ではありませんが、PCを持ち歩かないのでこれくらいでも大丈夫です。巾着型で底が広いので、見た目よりも収容能力があります。20年ほど前に、南青山の10コルソコモ・コム デ ギャルソン(現在は終了)で購入。バッグにもアライアのドレスと同じように、完璧なフォルムと仕上げ、ディテールの美しさ(内側は、私が勝手にそう呼ぶ、赤ちゃんのほっペのような“アライアピンク”のレザー!)が極められていることにうっとりしました。“持ち歩くドレス”という感じです。

稀代のクチュリエとしてのアズディン・アライアへの敬意が込み上げてきて、自分の仕事に対する意気込みも上がります。例えば、オム プリュスのコートのような黒のアウターに、ダークカラーのレザーバッグだと真面目すぎてしまうので、「遊び」が大切だと感じています。「仕事」=「無難」は、かえって面白い結果を呼び寄せないという意気込みでいたいですね。

渡辺三津子:2008年より『VOGUE JAPAN』の編集長を務めたのち、2022年に独立。現在はファッションジャーナリスト、コンサルタントとして活躍。Instagram @mitsuko_wtnb

神出瑞代/ステディ スタディ代表取締役社長

ザ・ロウのホワイトシャツ

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日本で購入した、2026年春夏シーズンのドレスシャツ。もともと白シャツが好きですが、なかでも惹かれるのはドレスシャツです。シンプルなものほど、素材や縫製の誠実さがそのまま表れる。この一枚は、余計な主張がないからこそ美しさが際立ち、思わず手に取りました。

白シャツを身にまとうと、どんなときでも自然と気持ちが引き締まります。普段あまりジャケットを着ないのですが、これは一枚で仕事着として成立する心強い味方です。装うというより、姿勢を整えるためのスイッチのようなもの。袖を通すたびに、静かに自分の輪郭をはっきりさせてくれます。

一枚でも完成された佇まいがありますが、ジャケットを重ねると自然にフォーマルな表情へと変わり、装いだけでなく気持ちまで整う感覚があります。どんな場所でも背筋を伸ばしていられる、私にとって安心感を与えてくれるシャツです。

エルメスの内縫い「ケリー」

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かれこれ10年以上前、パリ本店で購入しました。30歳になったら最初の「ケリー」を、と思っていたのですが、プレシャススキンとなると当時の自分にはまだ早い気がして、いつかそれに見合う大人になれたら手に入れようと心に決めていました。そして、ようやく迎えたタイミングで購入しました。

もともと黒のクロコダイルの「ケリー」にはどこかハードな印象があり、プレシャススキンともなればなおさら自分には強すぎるのではと感じていました。ですが、この内縫いのソフト「ケリー」は凛とした存在感を保ちながらも、エッジがほどよく和らぎ、どこか丸みと余白を感じさせてくれる。そんなところに惹かれました。

エレガントな装いには自然と品格を添え、カジュアルなスタイルには抜け感と遊び心をもたらしてくれる。別売りのキャンバスストラップに付け替えれば、ぐっとスポーティな表情にも変わります。

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持つたびに「大人になったのだな」と実感すると同時に、自然と姿勢や所作まで整えたくなる。責任や品格をそっと思い出させてくれる存在です。カジュアルに合わせるときほど引き算を楽しめる余裕を与えてくれて、私にとっては背中を支えてくれるお守りのようなバッグです。

神出瑞代:2000年にファッションPR会社「ステディ スタディ」を設立。国内外のブランドのPR業務を中心に、イベントの企画・制作・運営やコンサルティングも手がける。 @mizuyokamide

中山まりこ/マディソンブルー CEO、デザイナー、ディレクター

マディソンブルーの「MADAME」シャツ

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9年前に初めて登場した、マディソンブルーの人気アイテムでもある「MADAME」WASHED OUTシャツ。堅苦しくオフィシャルなイメージがあるシャツですが、硫化染めのタイプライター素材で、自分らしくラフに着られるところが気に入っています。仕立てのいい洗いざらしのドレスシャツをカジュアルにハズして着るという、大人の遊び心を満たしてくれるアイテムです。

大切なミーティングやトークショーなど、仕事においてここぞというときこそ、私にとって大事なのは等身大の自分でいられること、そしてリラックスして臨めること。この「MADAME」シャツは自然に入っていったシワさえも素敵で、身にまとうと自分らしくいられることが嬉しいんです。

エルメスのルージュカラーの「バーキン」

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6〜7年前にオーダーしたエルメスの「バーキン」。色の名前に唯一エルメスの名前がつく「エルメスルージュ」に惹かれました。フロントとサイドの色が異なる赤系のバイカラーに、メタルの金具やシルバーのイニシャル(MJ!)がカジュアル見えして自分にぴったりだと思いました。

仕事でも荷物がたくさん入るよう35cmのサイズをオーダーしましたが、だんだんレザーがなじんでくたっとしてきたので、そこまで大きく見えないのもいい! やわらかく、ざっくりとラフに折り曲げて自分らしく持てることが最大の魅力です。そしてやはりオーダーしたものは、愛着と自信につながります。

中山まりこ:スタイリストを経て、2014年にマディソンブルーを始動。オートクチュールからカジュアルまで、ファッションに造詣が深く、自身のセンスのよさも評判。Instagram @marikonakayama

平尾香世子/ヒラオインク代表

マイランの「Bustle Jacket」

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約3年前に購入したマイランのジャケット。端正な肩のラインとシェイプされたウエスト、クリノリンを入れてふくらませたように広がる構築的なペプラムのシルエットにひとめぼれしました。ほどよく詰まった胸開きと華奢なラペルが女性らしい品を醸し出す、秀逸なデザインです。

デルヴォーの「ブリヨン」

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デルヴォーの「ブリヨン」は10年以上前に日本で購入しました。トレンドに左右されることのない普遍的なデザインと、時間が経っても揺るがない価値を感じられる点に惹かれ、長く持ち続けられるバッグとして選びました。

ジャケットもバッグも、身にまとうことで自然と背筋が伸び、自分自身に対する信頼感と落ち着きを感じます。大切な場面でも自分らしくいられる、心強い存在です。

平尾香世子:2006年にPR会社「ヒラオインク」を設立。ファッション分野を中心に、アート、インテリア、ビューティといった幅広い領域にクライアントを持つ。Instagram @kayokohirao

山下有佳子/アートプロデューサー

アクリスのレオン・ポーク・スミスに着想を得たブラウス

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アメリカの抽象画家レオン・ポーク・スミスの世界観からインスピレーションを受けたアクリスのブラウス。カラーブロックが生み出す潔い美しさと、アクリスならではの最上級の素材、そして完璧なライン。官能的なミニマリズムを体現した一着だと感じています。エフォートレスでありながら、凛とした緊張感がある。その絶妙なバランスに心を掴まれました。

ミニマルであることは、私にとって“削ぎ落とす”ことではなく、本質に立ち返ること。余計な装飾がないからこそ、フォルムや素材の力が際立ちます。ここぞという場面で私を支えてくれるのは、そんな“本質の美しさ”を体現した一張羅です。

アライアのバッグ

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このレーザーカットのハンドバッグは、私にとって初めてのアライアのアイテム。パリのボン・マルシェで購入しました。このバッグの明るくプレイフルな色彩と、ひと目でそれとわかる美しさは、まさにアイコニック。流行を追いかけるのではなく、それでいて“今”を確実にとらえているところにも惹かれました。

また洋装はもちろん、仕事で着ることの多い着物にも不思議と調和する点も、私にとっては大きな魅力です。仕事柄、世界各国でさまざまな方とお会いする機会が多いのですが、その際に自然と会話のきっかけになる“カンバセーションピース”でもあります。

山下有佳子:サザビーズジャパンにて現代美術を担当した後、現在はACKフェアディレクター、京都市のアドバイザーを務める。2022年に国内外のアートプロジェクトや文化戦略を手がけるYMKY Inc.を設立。@yukako_yamashita

尾花未来/103 PR

ザ・ロウのジャケット

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このザ・ロウのジャケットは2025年の1着目として年始に購入しました。ザ・ロウは、袖を通して立体的に洋服を捉えた時の奥深さに惹かれるのですが、このジャケットも同様に驚きを与えてくれる一着でした。

太番手の糸で織られたコットンウールの生地は、重厚でありながらシルク混のようなシャリ感もあり、表情豊かなダークブラウンの色味がとてもシックです。デザインは極めてカジュアルなジャケットですが、身にまとうとまるでドレスジャケットのような品格があり、仕立てのよさを実感します。ラペルを立てた時に生まれるグラフィカルなレイヤーも芸術的で、襟まわりだけでも語ることができる。肩肘を張るような美しさではなく、装うことの楽しさや想像力を広げてくれるところもまた魅力で、私らしい選択だと思えます。

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服装にはTPOがあり、他者へ印象を与えるものですが、装いは心構えの表れでもあります。上質であること、心地よいこと、それを知ること。ザ・ロウのジャケットは自分を高めてくれる存在です。

尾花未来:アタッシェドプレスを経て、2017年よりPRオフィス「103 PR」主宰。ファッションブランドのPRやブランディングを手がける。Instagram @miki.obana

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