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「汚れた服、園で洗濯して乾かしといて」保護者の【トンデモ要求】を一蹴した、園長先生の『神対応』

  • 2025.12.3

これは、筆者が実際に体験した話です。
幼稚園の保護者総会で、あるママさんから「汚れた服は洗濯して乾かして」というまさかの要求が! 会場が凍り付く中、園長先生が放ったスカッとする一言とは? 筆者が体験した、驚きと称賛のエピソードをご紹介します。

画像: 「汚れた服、園で洗濯して乾かしといて」保護者の【トンデモ要求】を一蹴した、園長先生の『神対応』

建設的な意見交換の場が一変! まさかの「洗濯要求」に会場騒然

幼稚園の保護者総会といえば、子どもたちのより良い園生活のために大人が知恵を出し合う大切な場です。
この日も、「運動会の観覧席をもっと公平にできないか」「バザーの準備負担を減らせないか」といった、建設的かつ現実的な意見が多く出ていました。
先生方も保護者の声を熱心にメモしており、とても良い雰囲気で会は進んでいたのです。

ところが、質疑応答も終盤に差し掛かった頃、一人のママさんがスッと手を挙げました。「あの、日々のことでお願いがあるんですけど」少し強めの口調に、周囲の視線が集まります。彼女は先生方を真っ直ぐに見据え、こう言い放ちました。

「子どもが服を汚すのは良いんですけど、汚れた服をそのまま袋に入れて返されると、家で洗うのが大変なんです。なので、園で洗濯して、帰るまでに乾かしておいてくれませんか?」

えっ? と一瞬、耳を疑いました。
その場にいた保護者全員が、おそらく同じ思いだったことでしょう。
会場の空気が、音を立てて凍り付いていくのが分かりました。

「ここはクリーニング店?」呆気にとられる保護者と困惑する先生たち

彼女の主張はこうです。「仕事で疲れて帰ってから汚れた服を手洗いするのは負担が大きい。園で汚れたのだから、園できれいにして返すのが筋ではないか」と。

確かに、洗濯が大変なのは痛いほど分かります。
しかし、ここは幼稚園です。保育料にはクリーニング代など含まれていませんし、何より先生方は保育のプロであって、洗濯業者ではありません。
私は心の中でツッコミを入れずにはいられませんでした。

想像してみてください。狭い園庭にズラリとはためく、何十着もの洗濯物……。いや、乾くわけがありません。先生方は明らかに困惑した表情を浮かべています。
しかし、相手は保護者。「それは無理です」と即答して角が立つのを恐れているのか、言葉を選んでいるようでした。
その沈黙が、さらに会場のモヤモヤ感を募らせていきます。

園長先生がビシッと一喝! 誰もが頷いた「神対応」

それまで黙って話を聞いていた園長先生が、マイクを手に取って立ち上がりました。
園長先生は、そのママさんの目をしっかりと見て、穏やかですが、決して揺らぐことのない毅然とした声でこう言いました。

「お母さんのお気持ち、毎日のお洗濯が大変だということは本当によく分かります。働くお母さんにとって、汚れた洗濯物を洗う手間がどれほどの負担か、私たちも理解しているつもりです」

「ですが、現状の職員数と設備では、すべてのお子さんの洗濯物を管理することは物理的に困難です。もし洗濯業務を行えば、その分、子どもたちと向き合う時間が削られてしまいます。私たちにとって一番大切なのは、大切なお子さんたちの安全を守り、保育することですから」

理不尽な要求よりも「子どもの安全」を最優先する姿勢

「保育がおろそかになっては本末転倒です。ですので、そのご要望にはお応えできません」園長先生は、ハッキリと「NO」を突きつけました。その言葉には、「親の負担軽減も大切だけど、私たちは何より子どもの命と成長を預かっているんだ」という強いプライドが込められていました。

要求をしたママさんは、まさかここまでハッキリ断られると思っていなかったのか、「あ、そうですか……」とバツが悪そうに引き下がりました。
決して口には出しませんでしたが、多くの保護者が心の中で(園長先生、ナイス!!)と拍手喝采を送っていたに違いありません。

無理なものは無理と線を引き、その理由として「子どものため」という一番大切な軸をぶれさせない。
その園長先生の姿勢に、改めて「この園に預けてよかった」と感じた出来事でした。
モヤモヤする出来事でしたが、最後は園長先生の凛とした対応のおかげで、スカッと晴れやかな気持ちで帰路につくことができました。

【体験者:30代・筆者、回答時期:2015年5月】

※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。

FTNコラムニスト:日向みなみ
出産を機に、子どもとの時間を最優先できる働き方を模索し、未経験からWebライターの世界へ。ライター歴10年の現在は、オンライン秘書としても活動の幅を広げている。自身の経験を元に、子育てや仕事に奮闘する中で生まれる日々の「あるある」や「モヤモヤ」をテーマに、読者のみなさんと一緒に笑って乗り越えるよう、前向きな気持ちになれるコラムを執筆中。

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