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美容賢者が語る、“VOCEのベストコスメ”の裏側

  • 2025.11.23

\2025下半期、信頼度No.1のベストコスメを大発表/

ベスコス発表、その前に!改めて、“VOCEベストコスメ”とは何か。

齋藤薫さん(美容ジャーナリスト)

ベスコスを女性誌最強のキラーコンテンツに育て上げ、受賞のクラウンマークを化粧品選びの絶対の指標にしたのは紛れもなくVOCE。それはコスメの情報革命であったと同時に、化粧品のクオリティーを根底から高めたはずです。やがて“ガチの選出”をあえて打ち出し、選んだ人と採点数を明らかにしたのも、ベスコスの乱立で基準が見えにくくなったことへの、先駆者の使命感からだったのでしょう。また投票依頼のたびに編集長自らの言葉で「どうか本気で心からの評価をお願いしたい」といったメッセージが届いたことは、いつも心に響き、背筋が伸びる思いがしました。あらゆるメーカーが魂を込めて作った製品を、恐れながら評価させてもらう責任の大きさを、その時ほど痛感することはなかったほど。ガチでありながらも単なる多数決で終わってはいけないという配慮から、決選投票的に二段構えの投票を取り込んだのも見事。そして何より、今改めてベスコスの意義が問われるような過渡期になりつつあるのを敏感に感じるVOCEだからこそ、こうした“居住まいを正すような企画”を立てたのだろうと、そこにも心から感服しています。


近藤須雅子さん(美容コラムニスト)

ベスコスは読者に役立ってナンボの賞。なので採点はケアアイテムはケア効果と使い心地、メイク用品はトレンド性やメイク効果(カバー力や発色、にじみにくさetc.)の2項目をベースに、値段、使いやすさ、製品自体の美しさ等を加えた5項目の総合評価で、と決めています。たとえば化粧水で1万円以上といった高額は減点対象で、部門最高の優秀さでもまず満点はつけません。だって高くて優秀なのは当然でしょ。もちろん採点と個人的な好みも無関係で、「ワタシは絶対使わない!」という製品でも名品ならトップに推します。と、選考基準は明解なのですが、対象製品数が膨大で……。インスタはそのための備忘録で(推しとポストも無関係です)。ベスコスがなければ面倒なので今すぐやめます(笑)、ほんと、選考に100時間は軽くかかるし、プレッシャーで毎回肌荒れしそう。


石井美保さん(美容家)

VOCEのベストコスメは、誰がどのコスメに何点入れたのかまで公開しているため、忖度もごまかしもききません。私はVOCEベスコスの選者になれたときに初めて、美容家を名乗るようになりました。それぐらい、私にとってVOCEベスコスは特別な存在だったんです。そこから10年ほど経ちますが、選者としての責任は年々重くなっていると感じます。私をはじめ多くの選者が自身のSNSでコスメについて発信している今は、「なぜこのコスメにこの点数をつけたのか」が読み解かれ、矛盾があれば理由まで推測されてしまう時代。VOCE読者と私のSNSのフォロワーは、美容感度が高く、情報を鵜呑みにせずコスメを見る目を養ってきている方々が多い。そんなみなさんの期待を裏切りたくないから、これからも時間をかけて、厳正な審査を心掛けようと思っています。


宮脇泉さん(京王百貨店 ファッションライフスタイル MD第2担当)

ランキングが発表された瞬間、選ばれたアイテムの売り上げはグッとのびます。普段は常連顧客の方がほとんどを占める化粧品カウンターなのですが、このときばかりは初来店の方が増えるのも特徴でしょうか。私たちバイヤーからすると「選ばれるだろうな」と思っていたものがだいたい入賞しますね。店頭に置かれるテスターがつねに空っぽになるほど試された化粧水や、発売前から予約が殺到したアイテムなどは、発表されるとやはり上位にランクインしてます。予想が覆ることは滅多にありません。コスメの情報や使い方をしっかり聞いて、その場でテクスチャーを試して、納得したものを購入できるのが百貨店の化粧品カウンターの美点ですが、そんなお客様の熱を感じる現場からみても、VOCEのベスコスはトレンドを反映していると感じます。感度高めのお客様に満足していただけるように、私たちもベスコスで答え合わせをしながら、これからも情報収集し、お客様をお迎えする準備を行っていきます。


田村保乃さん(櫻坂46 VOCEレギュラーモデル)

私がVOCEを愛読するきっかけになったのが、まさにこのベスコスでした。美容が好きでいろいろなコスメを試したいけれど、敏感肌なので、とくにスキンケアは興味のあるものすべてを試すわけにもいかない。だからこそ、美容のプロが選んだベスコスを参考にしてきました。それぞれのコスメの特徴がわかりやすく説明されているところ、選者の方が何を選んでどれぐらいの点数をつけたのかが明確なところも、VOCEベスコスのよさだと思います。透明美肌の美容家さんが高得点をつけたブライトニングケアコスメは、やっぱり使ってみたくなりますね。実は、ベスコスはVOCEしか見ていないんです。知識が豊富な選者の方々によって選び抜かれたコスメが見られるこのランキングは、まさに信頼に足るもの。コスメ好きにときめきをくれるVOCEベスコスを、これからも参考にし続けていきたいです。


福岡玲衣さん(ヘア&メイクアップアーティスト)

この仕事に就く前からベスコスを読み込み、ランキングを参考にしてコスメを購入していただけに、選者としての責任の重大さを感じています。選ぶ基準は、“好き”かどうか。まずは自分の肌に使ってみて、いいと思ったら次は撮影現場でモデルに使ってみる。これは好きだな、みんなに薦められるなと思えれば候補に残るという感じですね。自分の感性は大事にしつつも、VOCE読者にとってどうなのかも重要。どういう場面でも、どんな人でも使いやすいものを選び、さらに感動を覚えたコスメに投票するようにしています。具体的に言うと、こまめに入れ替えている仕事用のメイクボックスで、シーズン通して一軍選手であり続けたコスメですね。美容誌で選者をさせていただくというのは、やはりヘアメイクとしてうれしいし、身が引き締まる思いです。これからも自分の好みを反映させつつ“VOCEらしさ”を意識して、いいと思えるコスメを選んでいきたい!


小林智美さん(資生堂PR)

ベストコスメに選んでいただいたら、社内はそれはもう大喜び。プロの方々に技術や使用感、手ごたえまで高く評価していただいたということですから、みんなの努力・お客様への想いが通じたと感じます。そして選者の皆様の“刺さる”コメントと、詳しい商品説明もすごくありがたい。気持ちのこもった力強くわかりやすいお言葉で端的に表現していただけるため、反響もすさまじいものがあります。実際に「ベスコスを見ました」と言って店頭やオンラインサイトを訪れてくださる方も急増。発売から月日が経って少し売上が落ち着き始めた商品も、ベスコスにランキング入りしたものは新たな波が来るという感じです。皆様に美を通じて毎日の生活をより豊かに、楽しんでいただきたいという思いで日々商品開発をしていますが、ベスコスへのランクインは「信頼できるお墨付きをいただけた」と、さらに高みを目指す活力になります!


本田真凜さん(プロフィギュアスケーター)

私にとってVOCEのベスコスは、信頼できる美容マップのような存在。SNSで流行っている情報も細かくチェックしますが、VOCEは美容のプロの方々の視点や選ぶ根拠がしっかりしているので、「本当によいもの」を見極めたいときにすごく頼りにしています。ベスコスをきっかけに新しいお気に入りと出合うことも多いし、好きだったアイテムがランクインしているとうれしくなって、「間違いなかった!」と再認識するのも楽しい。気になっていたけれどまだ試していなかったコスメを購入するきっかけにもなりますし、季節の変わり目などには、ランキングやコメントを照らし合わせながら次に使うスキンケアを選ぶこともあります。メイクアイテムは仕上がりの写真を、スキンケアはテクスチャーカットをじっくり見て、自分の肌に合いそうだなと想像しながら読んでいます。VOCEベスコスは、自分の美容における向上心に欠かせない存在といえるかもしれません。


(VOCE 2025年11月号より)

すべては「信頼できる」のために。“VOCEベストコスメ”だからのこだわり

審査する選者も、コスメを生み出しているブランドも、そして読者もまた真剣勝負のVOCEベストコスメ。編集長や担当チームへの取材で見えてきたのは、愚直なまでに“ガチ”にこだわるその姿勢。美容のプロをして「厳正すぎて気が抜けない」と言わしめる、VOCEベストコスメの真髄とは?

VOCEベストコスメのイメージ

【こだわり 1】対象製品は、下半期発売の全アイテム

2025年7月から12月発売の、限定品を除くすべてのコスメが審査の対象。その数およそ2000。審査員はその膨大な数のコスメを日々試し、自分の好みだけでなく読者に薦められるかどうかも考慮して投票する。

対象製品は、下半期発売の全アイテム

【こだわり 2】最新のトレンドも反映するため、部門は毎回アップデート

いま何が流行っているか、どんな美容に注目が集まっているか。トレンドや社会情勢なども考慮して部門を毎回アップデート。下半期の注目はハイライト・シェーディング部門が新設されたこと。これまでチーク部門に吸収されることが多かった2品が、層の厚さでついに独立!

最新のトレンドも反映するため、部門は毎回アップデート

【こだわり 3】選者の点数は開示性。広告に忖度せずにガチ投票

メイクアイテムであれば使い心地や仕上がり、スキンケアアイテムならテクスチャーや使ってみての効果実感など、選者はさまざまな観点からコスメを見極める美容のプロ。広告関係への忖度やヤラセは一切なく、ランキングを左右するのはプロがつけた点数のみという徹底ぶり。選者が結果を知るのは、読者と同じく誌面を見たとき。

\ 誰が何点つけたかすぐわかる! /

VOCEベスコスの点数表
選者の点数は開示性。広告に忖度せずにガチ投票

【こだわり 4】最優秀賞・優秀賞は、2段階投票で決定

合計点だけで最優秀賞と優秀賞を決めようとすると、エントリーしたアイテム数が多いところ、つまり激アツ部門が不利になる。そんな“一票の格差”を是正すべく、各部門のランキングが決まったあとに1位のみリスト化し、そこから改めて2品に投票してもらうという2段階制を導入。正直、選者にとっても編集部にとっても煩雑な手続きにはなるけれど、真に優秀な2品を選びたいという気持ちからこの制度を採用している。

各部門の1位が決定→スキンケア2品、メイク2品に投票→(ようやく!)最優秀賞・優秀賞が決定

読者が“キレイになるって面白い”と思うきっかけや答え合わせになれば

VOCE編集長

北原かおる

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「下半期のランキングが決定したとき思い出したのは、かつて1位を獲得したブランド広報の方の『開発者が喜びます』という発言。確かに、ひとつのコスメを世に送り出すまでには多くの人の苦労があったはず。選者の1点でブランドの運命まで左右する。だからベスコスは“ガチ”でなければならないし、ランキングを発表するだけでなく製品の魅力をきっちり伝えるまでがセットなのだと実感しました。読者には純粋に楽しんでいただきたいけれど、つくる私たちはつねに気を張り、厳正に。それが読者と美容業界への誠意なのだと思っています」

シンプルでわかりやすいこと。それがVOCEベスコスの最大のポイント

\ ベストコスメチーム /

VOCE編集

佐藤水梨

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VOCE編集

加茂日咲子

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「一切の忖度をせず公明正大な審査結果を発表する。これが前提にある以上、まず心掛けているのは間違いのない集計です。そしてVOCEベスコスの特徴とされるのが誌面の見やすさなので、トレンドに合わせてアップデートはしつつも部門名はシンプルに、数も増やしすぎないように留意。また、選者のコメントやアイテムのテクスチャーを参考にしているという声も多いため、そのあたりも考えて構成をしています。これまでの信頼をくずさないように、でも新しい風を吹かせることができたなら、編集者冥利に尽きますね」

\2025下半期、信頼度No.1の最新コスメをランキングで大発表/

撮影/nara(vale./田村さん、小林さん)、市谷明美(宮脇さん) ヘアメイク/長井かおり(MAKEUPBOX/田村さん) スタイリング/滝沢真奈(田村さん) 取材・文/穴沢玲子

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