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J1復帰がついえた北海道コンサドーレ札幌…主将MF高嶺朋樹が呼びかけた意識の改善「シーズンを通して弱かった」

  • 2025.11.2
J1復帰がついえた北海道コンサドーレ札幌…主将MF高嶺朋樹が呼びかけた意識の改善「シーズンを通して弱かった」
J1復帰がついえた北海道コンサドーレ札幌…主将MF高嶺朋樹が呼びかけた意識の改善「シーズンを通して弱かった」

Text by ライター

[J2第35節、北海道コンサドーレ札幌 2-5 ジェフユナイテッド千葉、11月2日、千葉・フクダ電子アリーナ]

札幌は千葉に2-5で大敗し、1年でのJ1復帰を逃した。

試合後、主将MF高嶺朋樹(ともき)は悔しさをにじませながら、チームの問題点を指摘した。

J1復帰の可能性が消滅

1年でのJ1復帰に望みをつなぎたかった試合で、5失点を喫した。

今季よりKVコルトレイク(ベルギー2部)から3年ぶりに札幌へ帰還した高嶺は「シーズンを通して弱かった」と苦悶(くもん)の表情を浮かべた。

J1復帰がついえた北海道コンサドーレ札幌…主将MF高嶺朋樹が呼びかけた意識の改善「シーズンを通して弱かった」
J1復帰がついえた北海道コンサドーレ札幌…主将MF高嶺朋樹が呼びかけた意識の改善「シーズンを通して弱かった」

「同じことを繰り返している。悪いときからいいときになって、そこからまたすぐに悪くなって…。失点してから、また連続で失点してしまったりとか、相手の方が出足が速かったり、試合にかける想いが強いと感じました」

引き分け以下でJ1昇格を逃すことが決まる試合だった。

立ち上がりから千葉の猛攻に圧倒され、サイドを自由に使われた。前半7分にクロスボールからのヘディング弾で先制されたが、同21分にはFWスパチョークの右足シュートで同点に追いついた。しかし後半に入ると立て続けにゴールを許してしまった。

J1復帰がついえた北海道コンサドーレ札幌…主将MF高嶺朋樹が呼びかけた意識の改善「シーズンを通して弱かった」
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「普通は2対1、3対1になったら、追いかける側が押し込む展開が続くと思うけど、今回に関してはジェフに何度も裏をやられて5得点も決められた。自分たちは弱いと再認識させられる試合でした。

波があるんですよね…。去年までJ1だったというちょっとした驕(おご)りみたいなものが、やっぱりあったんじゃないかなと思います。相手の方が走っていたし、自分たちの方がうまいのかもしれませんが、シーズンを通して基本的なところで負けていた」

1-5で迎えた後半48分にはMF青木亮太が意地の2得点目を奪うも、そのまま試合終了。

得点後にすぐさまボールを回収した高嶺だったが、終了のホイッスルが鳴ると、その場に立ち尽くした。

キャプテンが語ったチームの課題

開幕4連敗で始まった苦しいシーズンだった。

岩政大樹前監督の下で1年でのJ1復帰を目指したが、第25節終了時点で10勝4分11敗と成績が振るわず。

同監督の契約解除が発表された今年8月11日からチームを率いていた柴田慎吾監督は「J1昇格の可能性がゼロになってしまったことを含めて、ただただ残念ですし、申し訳ない気持ちでいっぱいです」と失意の表情を浮かべた。

J1復帰がついえた北海道コンサドーレ札幌…主将MF高嶺朋樹が呼びかけた意識の改善「シーズンを通して弱かった」
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指揮官は「チームがうまくいっていない中で、クラブが監督を交代する決断をしたということは、J1昇格が一番のミッションだったということ。そのミッションを達成できなかったところが心残りというか、すべてかなと…。自分自身が至らず、力不足だったと思っています」と肩を落とした。

試合後の記者会見では、振り絞るように言葉をつむいだ柴田監督。就任後はJ1昇格に向けて奮闘したが、4勝6敗と上位争いに食い込めなかった。

重苦しい雰囲気に包まれた札幌のロッカールーム。主将としてここまでチームを引っ張ってきた高嶺は、きびしい言葉をイレブンに投げかけた。

J1復帰がついえた北海道コンサドーレ札幌…主将MF高嶺朋樹が呼びかけた意識の改善「シーズンを通して弱かった」
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「もっと、もっとサッカーに対して真摯に取り組んでいかないと、人生をかけてやっていかないといけない。またJ2で何度も過ごして、自分たちのキャリアをもったいないものにしてしまうと話しました。練習からもそうだし、練習前の準備や私生活のところで、もっと選手一人、一人がサッカーのために生活することで、練習の質も高まる。

結局一人、一人が変わらないことには、チームとしては変わっていかない。一人が頑張ったところで、その一人の力は大きくないので…。日本代表になりたいとか、目標から逆算して日々を過ごしていくようにと伝えました」

報道陣の前で、唇をかみしめながらチームの問題点を指摘したキャプテン。1年でのJ1復帰はついえたが、札幌のリーグ戦は続く。

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次節は今月8日午後2時からホームの大和ハウスプレミストドームで大分トリニータと対戦。指揮官は「本当にプロとして、男としてしっかりと応えなきゃいけない」と、ホームのサポーターに勝ち星を届けたい。高嶺も同じ覚悟だ。

フクアリに詰めかけた大勢の札幌サポーターに向かって、頭を下げたイレブン。その先頭に立ったキャプテンは、サポーターからの𠮟咤激励を力に変える。

「サポーターからは、『コンサドーレがすべてだ』と話をしてもらいました。普通はブーイングの試合だったと思うし、かなり点差をつけられたショッキングな敗戦だったので、サポーターには申し訳ない気持ちでいっぱいです。その想いに残り3試合で必ず応えなきゃいけないと思うし、来年に希望を持ってもらえるような試合をやらなきゃいけない」

J1復帰がついえた北海道コンサドーレ札幌…主将MF高嶺朋樹が呼びかけた意識の改善「シーズンを通して弱かった」
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このままでは終われない。札幌はJ2残り3試合で一つでも多くの白星を飾り、来季に向けて自分たちの力を証明してみせる。

(取材・文 浅野凜太郎、写真 縄手猟)

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