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【福岡市】家で笑顔の療育 親とチームで歩むNewGate訪問看護ステーション

  • 2025.10.31

扉を開けると、壁一面の「ありがとう」♡

こんにちは♪ リビングふくおか・北九州Web地域特派員のBeBeです。

朝夕の空気がひんやりしてきましたね。11月になり、ようやく秋――いえ、冬の気配を感じるようになりました。

2学期制の小学校では後期が先月スタートしましたが、「最近、学校に行きたがらない」「言葉がうまく出てこない」「集団が苦手みたい」――

そんな“ちょっと気になる”サインに、胸がざわつくお母さんも多いのではないでしょうか。

文部科学省の最新調査(令和5年度)によると、小・中学校の不登校児童生徒は過去最多の約34万人。

中学生では14人に1人、小学生でも47人に1人が学校に通えていない現状があります。

背景にはさまざまな理由がありますが、発達特性や感覚過敏など、お子さん自身も言葉にしづらい“生きづらさ”を抱えているケースも少なくありません。

そんな中、小児療育に特化した、全国的にも珍しい訪問看護ステーションがあると聞き、今回はその現場を取材してきました。

NewGate訪問看護ステーション 福岡支店の事務所は、福岡市南区井尻のビルの一室にあります。

扉を開けると、やわらかな笑顔で迎えてくださったのは、福岡エリア主任の兒島翔平さんです。

まず目に飛び込んできたのは、壁に掲げられた一枚の「ありがとうボード」。

利用者さんからのメッセージかと思いきや、近づいて読むと「ランチに誘ってくれてありがとう」「お土産ありがとう」など、スタッフ同士の小さな“感謝”が並んでいました。

医療の現場というと、忙しく張りつめた空気を想像しがちです。

しかしここでは、日々のささやかな気づかいが、職場の空気をやわらげていました。

兒島さんの柔らかな話しぶりからも、ここの職場の楽しい雰囲気が自然と伝わってきます。

NewGate訪問看護ステーションの代表・宮崎大輔さんがホームページで掲げる「利用者・スタッフ双方が自分らしい人生を歩めるよう支援したい」という言葉。

その理念が、この一枚のボードからも伝わってきました。

それにしても、このボード良いですよね。うちにも置きたい!

出会いはTikTokから――五島→静岡→福岡、そして代表宮崎さんとの邂逅――理念に共鳴するという新しい働き方

【インタビュー】NewGate訪問看護ステーション福岡エリア主任の兒島翔平さんは長崎・五島列島で育ち、静岡で看護学校へ。病棟勤務を経て、福岡に魅了され移住を決断した頃、転機はTikTokから。「代表である宮崎さんのTikTokの動画にDMしたのが始まりです。直接会ったら、『訪問看護をやるから管理者として来ない?』とお誘いがありました。夫婦で福岡移住が決まっていたので、その旨話すと、『では福岡で立ち上げましょう』と。」

そのようにして、2024年10月に福岡市に九州初となるNewGate訪問看護ステーション福岡1号店を開設しました。

余りの早い展開にびっくりしたんですが(笑)、

宮崎さんはTikTokでどういうことを発信されていたんですか?

最初は”看護師あるある”みたいな看護師向けのコンテンツを発信されていて、僕フォロワーだったんです。

その中で、看護師って本当に価値のある誇れる仕事なのに、正しく努力した結果が正当に評価される場所になっていないと。理想を持って前向きに頑張っていきたいという人が仕事に打ち込めて、それがちゃんと評価され、キャリアアップ、ステップアップしていける職場を作りたいということを発信されて、その思いに共感する人たちが集まったという感じです。

NewGate訪問看護ステーションに応募するスタッフの95%以上がSNS経由とのこと。前提として、代表の宮崎さんの思いや事務所の運営方針を理解してくれる人が集まってくれるので、結果求めている人材が集まることに。今、どこの業界も人手不足、人材不足が課題の中、なんとも羨ましい話です。

“共感でつながる組織づくり”というのが、これからの新しい時代の働き方かもしれません。

終始笑顔で対応していただいた福岡エリア主任の兒島さん

全国でも珍しい小児の療育に特化した訪問看護ステーション

一般に訪問看護といえば、高齢者のご自宅で体調管理や医療処置を行う姿を思い浮かべますが、福岡の事務所は、設立当初から小児療育に特に力を入れています。

小児の療育というのは、どのようなことをされているのでしょうか?

発達、発育に不安があるお子さんや、児童精神科にかかっているお子さんのご家庭に訪問して、お子さんの個性に合わせたサポートを実施しています。具体的にうと、SST(ソーシャルスキルトレーニング)や、ボードゲーム、感覚統合療法、外遊びやカードゲームなど遊びの中で療育を実践し、課題の改善や長所を伸ばしていけるような看護を提供します。今、大体利用者さんが130人から140人くらいいるんですけど、その大半が小児療養の方です。ただ、年齢制限があるわけではなく、下はゼロ歳児から100歳時までオールラウンドにみることができます。

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どのようなきっかけで利用される方が多いのでしょうか?

訪問看護で療育をやっているというのをご存知の方がほとんどいらっしゃらないので、直接連絡が来ることは余りないです。親御さんが相談をされている機関(保育園や学校、放課後デイサービス、市や区役所の相談支援事業所)からの御紹介がほとんどです。

具体的に、サービスを開始するまでの流れを教えて下さい。

まずは、主治医やかかりつけの医師に訪問看護を利用したいと相談して、「訪問看護指示書」を作成してもらいます。その上で、初回面談という形で、ご自宅にお邪魔して、今までの経過ですね、生まれてからどんな発達の遅れがあったのかとか、どこで「おやっ」と思ったのか、今の困りごとは何かというのをヒアリングさせていただきます。その上で、私達はこういうことができますと、お困りごとについて、このようにアプローチさせていただきますといろいろ提案して、それならお願いしますということになったら、利用回数、希望日を設定して契約ということになります。

保険の適用があるんですね。

そうです。「家に来てもらって、月500円でいいんですか?」とお母さん方に、ものすごく喜ばれます。

最初は遊びの中で信頼構築

利用開始となって、まずはお子さんや親御さんとの信頼関係を築くことが重要だと思うのですが、その点で大切にされていることは何ですか?

療育っていろんな種類があって、遊びの中での療育があったり、寸劇があったり、机上訓練、プリントをやったり、SST(ソーシャルスキルトレーニング)っていうのもあるんですが、お子さんとの信頼関係を築くために1か月は遊ぶのが基本です。もちろん療育を含んだ遊びをやります。本人が好きな遊びもするし、プラス私たちが持ってきた遊びをする。そういうところで信頼関係を徐々に構築していく。そして、この子はどういった子なのかというのを知っていく感じですね。療育を40分やらさせていただいているんですけど、最後の5分から10分は必ずお親御さんに今日やったことの報告や、今の困りごとや悩み事などお聞きする時間を設けています。利用される親御さんは、周りの方にもなかなか相談しづらい、ご主人にもなかなか話せないという方もいらっしゃるので、その時間は大切にしています。

変化はある日ふいにやってくる

療育をされていて、うまくいくことばかりではなかったと思うのですが。

もちろん、ベースに何らかの障がいがあるケースが多いので、親御さんや私たちの指示がなかなか入らないということはありますね。親御さんも、言うことを全く聞かない、自分の道をひたすら進んでいるということで困っていらして、こちらでも「こっちだよ」と修正しようとするんですけど、それがなかなか聞いてもらえないということはよくあります。だから、私たちは週に2回、カンファレンスというのを開いて、チームで「このお子さんには、どういうアプローチをしたほうがいいか」というのを考えますし、月2回ある大阪のプロフェッショナルの先生の相談会でもアドバイスをしてもらっています。こういうミーティングや勉強会は利用者さんのためでもあるし、私たちにとっても一人で問題を抱え込まないために必須です。

その試行錯誤の中で、問題点を一つ一つを噛み砕いて、何が嫌なのか、どこをどうしたほうがいいのか、お子さんと親御さんを交えながら話し合っていきます。やるのは本人なので、本人がやりたいことを尊重します。そういう意味では、親御さん、お子さん、私たち看護師、専門家の先生が一つのチームとなって悩みを共有し、連携していくことが大切だと思います。

親御さんにとっては、今まで自分たちだけで悩んでいたのが、その悩みをチームで共有してもらえるというのは、本当に支えになりますよね。

お母さんから、「今日はこれがうまくいって」とかいう話を聞くと、「そうなんですか!」って、私たちの幸せ感度がものすごく上がります(笑)。本当に小さい、他の子からしたら普通のことかもしれないけど、その成長を一緒に喜べるというのはありますね。療育で訓練するからスキルが上がってくるものもありますし、私たちも入るからには、子どもたちを絶対に成長させてあげたいし、親御さんの困りごとを一つでも減らしてあげたいという思いがあります。

療育は通常の医療と違って、お薬を処方したり点滴を打つわけではないので、1週間療育に入ったからといってすぐに変わるわけではありません。長期的に見る必要があります。半年後、1年後、2年後と見たときに、初回面談で困っていたことが、今はどうですかって聞くと、切り替えができなかった子が切り替えができるようになった。学校に行くのに行き渋りがあった子が、今は一人で行けるようになったりだとか言われます。そういう変化を聞くと本当に嬉しいですね。

信頼できる第三者の存在の大切さ

お子さんにとって、親御さん以外の信頼できる大人がいるって、本当に大切なことですよね。

褒めるときはそれこそムツゴロウさん並に褒めます。「それすごいやん、最高!!」って。

もちろん、目の前で暴力を振るったりとかしたら、ちゃんと止めて、それは駄目だよと叱ります。すべてがオッケーというわけではないんですが、子どもたちは、学校ではうまくいかないことが多いし、親にも叱られるしで、自己肯定感が低い子が多いんです。本人たちが一番悔しいんですよね。それでも、親御さんは距離が近すぎて共感できないときもある。だから、私たちは何か一つでもできたことがあったらとにかく褒めます。本人も最初は「そんなことないよ」とか言うんですけど、だんだん自信をつけていってくれます。

リビングふくおか・北九州Webの読者の方へのメッセージ

もし、お子さんのことでご心配なことがあられるときは、ご家族だけで抱え込まずに、最寄りの市役所や区役所など、身近な公共機関にまずはご相談されてください。

「誰かに話す」「どこかに繋がる」——その一歩がとても大切だと思います。

そこから訪問看護などの専門的な支援や、サポート情報につながることもあります。私たちもご相談に乗れますので、どうぞお気軽にご連絡ください。

実際に利用されている親御さんにお話を聞きました

訪問看護を利用されようと思ったきっかけを教えて下さい。

うちの子は今小2なんですけど、幼稚園の年中さんくらいで自閉症スペクトラム症という診断を受けました。コミュニケーションを取ることが苦手で、場面緘黙(ばめんかんもく)といって、家では普通にしゃべれるんですけど、一歩外に出ると、どもってしゃべれなくなります。それで、何か良い療育というのがないかと探していたときに、ここの訪問看護の話を聞きました。一番安心できる家に看護師さんが来てくれて、親も見守っている中で療養ができるというのは、心理的なレベルが下がるというか、子どもにも合うんじゃないかと思いお願いしました。

実際に利用されてみて、どうでしたか?

まずは、慣れ親しんだ家で、看護師さんも1人、子供も1人で、私も近くにいるので、そんなに抵抗なく始められました。看護師さんが家で一緒に遊んでくれるよという感じで伝えていたので。でも、最初は、看護師さんが質問したら固まって、私の耳元で返事するような感じでした。「今日学校どうだった?」「行けたよって伝えて」みたいな。それで、「はい、いいえ」で答えられる、首振りとかで返事ができる質問をしてくださって、それならできるというところからスタートしました。

そこから何か変化がありましたか?

トーキングゲームというカードを持ってきてくださったんですよね。カードの中に質問が書かれていて、それをみんなで順番に答えるというゲームで、当初は私も入って、子どもも看護師さんも答える。「好きな色は何?」とか「好きな勉強は何?」とか。答えたくないとか難しい質問には、パスカードというのを出せばパスすることができます。最初は「黄色」とか「数学」とか単語だけの会話だったのが、風船でポンポン身体を動かして遊ぶとかを取り入れてくださったりして、そのトーキングゲームをきっかけに看護師さんと1対1で会話ができるようになりました。

それってすごい変化ですよね。

そうですよね。ちょうど1年生の12月頃からスタートしたんですけど、最近では会話をすることに自信を持ててきたみたいで、学校のクラスのお友達とも会話ができるようになりました。看護師さんとも、もう私を介在せずに話せています。看護師さんも毎回違った方が来てくださり、その方によって質問の仕方も遊びも変わってくるので、それが子どもにとってコミュニケーションの練習になるんだと思います。もう一つは、例えば一度看護師さんと風船遊びをやったから、友達ともこれで遊べるかもとか、リハーサルというか一度経験してるので、自分の中で見通しを立ててやれるのが安心につながってるのかなと。

周りの方の反応はどうですか?

担任の先生とかは、すごいですね、日直とかのときもみんなと同じくらいの音量で言えてますと言ってくださいます。訪問看護を受ける前は、先の見えないトンネルというか不安があったのですが、今は本当に受けてよかったなと思います。

お母さんにとっても心理的な変化があったんですか?

療育の最後の10分は、看護師さんが直接、最近の状況とかのお話をします。そこで、「まだ、この辺が苦手みたいで」ということを話すと、「じゃ、次回は療育でこういうのを取り入れてみましょうか」と一緒に考えていただける。小学校にも一緒に足を運んでくださって、先生とも話をしていただいたりして、皆さんで足並み揃えて、学校ではこう、家庭ではこう、訪問看護ではこう、という感じで対応していただけるのはとても有り難かったですね。私を含めてチームで支えてくださるというか伴走してくださるので、私のメンタルにとっても本当に良かったと思います。

自宅での訪問看護の様子(NewGate訪問看護ステーション福岡支店提供)
笑顔が溢れる様子(NewGate訪問看護ステーション福岡支店提供)

編集後記

取材を終えて改めて感じたのは、「信頼できる大人の存在」がいかに大切かということ。

福岡の事務所の看護師さんたちは皆さんお若く、子どもたちにとってお兄さん・お姉さんのような存在です。

この親でもない、先生でもない、自分のことを分かってくれて、認めてくれて、嬉しいときは一緒に喜んでくれて、そして間違ったときには叱ってくれる。そんな安心できる大人がそばにいてくれるって、本当に素敵なことだなって心から思いました。

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