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朝ドラ『ばけばけ』で注目必至の“名場面3選”「良い別れだった」「見事」連日SNSでも盛り上がる“高視聴率ドラマ”

  • 2025.12.1

現在放送中で髙石あかりがヒロインを務めるNHK連続テレビ小説『ばけばけ』は、14日放送の第35回で番組歴代最高となる16.1%を記録した。朝ドラの歴代最高平均視聴率は、2020年以降で窪田正孝主演『エール』を最後に20%台を下回っており、その中でも2021年放送『カムカムエヴリバディ』の19.7%が直近の最高値である。今後の展開とともに、視聴率の推移にも注目が集まる。

髙石あかりの存在感はもちろん、岡部たかし、池脇千鶴、小日向文世、吉沢亮ら豪華俳優陣の演技も高く評価されている。その一方で、丸々一話を「スキップができるかどうか」に費やすなど、肩の力が抜けたコミカルな演出も今作の魅力だ。

SNSには「毎朝の癒し」「毎日楽しみ」など、ポジティブな声が毎日寄せられている。本記事では、第1話〜現在までの放送から、特に印象に残った名シーンを取り上げ、その魅力を改めて紐解いていく。

※以下本文には放送内容が含まれます

銀二郎との別れ

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『ばけばけ』第4週(C)NHK

司之介(岡部たかし)が背負った多額の借金を返済するために、松野家は銀二郎(寛一郎)を婿として迎え入れた。穏やかで誠実な人柄の銀二郎に惹かれていくトキ(髙石あかり)は、彼と静かに絆を深めていく。しかし、借金返済は厳しく、加えて武士としての生き方を押し付ける勘右衛門(小日向文世)の重責にも耐えられなくなり、銀二郎は松野家を去ってしまう。

銀二郎を連れ戻すため、東京の寄宿先を訪れるトキ。 ふたりで初めてゆっくり過ごせた時間の中で、トキは「このまま2人で暮らしたい」と願うようになるが、最終的には家族を見捨てられないと別れを決意する。

帰郷を告げたシーンが印象的だ。トキは涙を浮かべながらも微笑む。すると、見つめる銀二郎も微かに微笑む。

胸が締め付けられる別れであると同時に、それほどトキにとって松野家の存在の大きさが伝わるシーンとなっている。視聴者からは「もらい泣きした」「切ないけど良い別れだった」「幸せになってほしい」という声が多く上がっていた。

ラシャメンになる決意をしたトキ

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『ばけばけ』第6週(C)NHK

続いて紹介したいのは、トキの覚悟がより鮮明に描かれたシーンだ。錦織(吉沢亮)から「ヘブン(トミー・バストウ)の女中にならないか」と持ちかけられるトキ。提示された報酬は、現在の女中・ウメ(野内まる)の倍以上。しかし、それは妾としての役目も負うと錦織から聞いていたため、断固拒否した。

そんな中、実母・雨清水タエ(北川景子)が物乞い生活に陥っていることを知る。松野家の借金返済に加え、雨清水家までも支えるため、トキは最終的にヘブンの女中になる決意を固める。

家族には、ただの女中と伝え、ひとり外へ出て深呼吸をするトキ。河原で、これで良かったのだと言い聞かせるように笑顔を浮かべたのち、虚な面持ちで遠くを見つめる。視聴者からは、演じた髙石の繊細な演技力に「逸品だった」「見事」など称賛のコメントが寄せられた。

銀二郎との訣別も、今回の決断もトキにとっては、家族のために自身の人生を犠牲にする行動だ。しかし、哀れさや悲壮感ばかりが漂うわけではないのは、次に挙げるような、別の意味で秀逸な場面が数多くあるからだろう。

“ビア”探しに奔走するトキ

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『ばけばけ』第8週(C)NHK

本作の魅力の一つは、随所に散りばめられたコミカルさだ。なかでも印象深いのが、ヘブンが求める“ビア(Beer)”の正体がわからず、トキが次々と候補を持ってくる場面。ことごとく外す絶妙なズレとテンポの良いやりとり、髙石の声色・表情が重なり、「コントやん」「大喜利みたい」「めっちゃ笑った」など視聴者からも反響が起きた。

この出来事をきっかけに2人はビールを酌み交わし、上機嫌のヘブンはトキにスキップを教える。現時点で恋愛的な進展は見られないものの、距離が縮まっているのは確かだ。今後、どう関係が変化していくのか期待したい。

物語の舞台は明治の激動期。変わりゆく時代に翻弄されながらも、自分なりの幸せを守ろうとするトキと松野家の人々。そんな中で、ヘブンとの関係はどんな未来を描くのか。ヘブンが“シジミさん”ではなくトキを名前で呼ぶのは、どんなシチュエーションなのか。これからの展開にますます期待が高まる。


NHK連続テレビ小説『ばけばけ』毎週月曜〜土曜あさ8時放送
NHK ONE(新NHKプラス)同時見逃し配信中・過去回はNHKオンデマンドで配信

ライター:山田あゆみ
Web媒体を中心に映画コラム、インタビュー記事執筆やオフィシャルライターとして活動。X:@AyumiSand