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“ビタミンD不足”と体が発する5つのサイン。冬の不調はビタミンD不足にあった!?

  • 2025.10.25
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「太陽のビタミン」とも呼ばれるビタミンDは、体の健康にとって最も重要な栄養素のひとつ。紫外線を浴びることが体内での生成を促す最も簡単な方法であることはよく知られているが、日照時間が短い今は特に不足しやすい。

栄養士・自然療法士で、サプリメーカーArtahの創設者であるリアン・スティーブンソン氏は、「秋から冬にかけてビタミンD3を補給することが推奨されます」と説明。 食品だけを供給源とするのは不十分だが、サーモン、メカジキ、マグロ、ビタミンDを強化した全脂肪乳製品、イワシ、牛レバー、タラ肝油、卵黄などで補うことができる。ビーガンの人はキノコ類を意識的に取り入れると良いという。

ビタミンD欠乏症予防の鍵となるサプリメントについては、国や年齢によって推奨されるものが異なる。日本では成人の1日当たりの摂取目安量は600IU、70歳以上は800IUとされているが、スティーブンソン氏は「最低限必要なのは400IU。しかし私の経験では、これは不足を解消するには低すぎます」と指摘。サプリメントの種類にはD2とD3があるが、必ずD3を選ぶこともポイントだ。「さらに、エッセンシャルD3/K2のように、ビタミンK2とペアになったサプリメントも効果的です。K2がないと、カルシウムは骨に運ばれずに動脈に蓄積されます」と付け加えた。

ビタミンDの働きとは?

ビタミンDにはさまざまな働きがあるが、骨の健康にとって不可欠な栄養素。ほかにも「細胞の成長促進やがん予防、免疫機能の調節、生殖能力、筋力、ホルモンバランス、セクシャル・ウェルネス、気分の向上」とスティーブンソン氏が挙げるように、私たちの心身の健康と切っても切れないものだ。

ビタミンDが不足するとどんな影響がある?

骨粗しょう症のほか、免疫力の低下、うつ病、腰痛なども引き起こすと言われる。きちんと補給できていないと、「自己免疫疾患、がん、ホルモンバランスの乱れ、気分障害などにもつながっていく」とスティーブンソン氏。高血圧、糖尿病、線維筋痛症(FM)、多発性硬化症(MS)などの神経疾患もすべて、ビタミンDの欠乏と関係があるという。

注意すべきサインは?

ビタミンDの不足は血液検査で知ることができるが、体が発するサインに耳を傾けることも大切。以下のような症状がないか、セルフチェックしてみよう。

1. 慢性的な疲労

ビタミンDが著しく不足した時の最も一般的な症状のひとつは、慢性的な疲労感だ。どんなに休んでも疲労が回復しない、寝つけないと感じたら要注意。

2. 関節痛・筋肉痛

筋肉痛や筋力低下もビタミンD不足が関与しているという研究結果もある。体内でカルシウムを吸収するのに不可欠な栄養素であることから、関節痛が生じる可能性も。

3. ヘアロス

ビタミンDは健康で美しい髪を育むためにも働く。不足するとヘアサイクルに影響を及ぼすため、髪が抜け落ちたり、成長が遅くなったりすることも。また、脱毛症とも関係していると言われている。

4. 免疫力の低下

体調を崩すことが多かったり、その原因がわからない場合は、血液検査を受けることを検討しよう。

5. うつ病、不安症、気分変調症、睡眠障害

科学的な研究によると、ビタミンDは私たちの心のバランスを整え、うつ病のリスクを最小限に抑える重要な役割を担っていることがわかってきた。季節性感情障害(SAD/冬季うつ病)の原因となることがあり、漠然とした不安や気分の落ち込み、忘れっぽさ、悲しいといった感情などとも関連づけられる。

ビタミンD欠乏による症状の多くは、閉経後に現れる

日本を代表する総合診療医である生坂政臣先生も、ビタミンD摂取の啓蒙に努める専門家のひとりだ。「閉経を迎えた50・60代で骨粗鬆症に苦しむ女性が非常に多い。しかし、その世代のビタミンDの濃度と比べても、今の20・30代は現時点で既にその半分しかないとも言われています」と、現代女性に向けてビタミンD不足対策の重要性を語る。

ビタミンDはカルシウムの吸収を助ける大切な栄養素で、不足すると骨に異常をもたらすというのは多くの人が知っているだろう。しかし、生坂先生はビタミンDは骨だけでなく万病に影響する可能性があると続ける。

「ビタミンDはホルモンに近い働きをしていて、すべての細胞に影響を及ぼすと言われています。動脈硬化を促進したり発ガンを誘発する可能性もあり、これからどんどんビタミンD欠乏症の深刻さが明らかになっていくと考えます。ビタミンD欠乏による症状の多くは閉経後に現れるので、40代くらいまでの女性は今はあまり危機感や実感がないかもしれません。しかし、早めに対策することがマストです。今ビタミンD不足を放っておくと、30年後には大変なことになるかもしれません」

ビタミンDは食事でもあまり補えず、大半は紫外線に当たることで形成される。日焼けが気になるという人は、メラニン色素が少ない手の平だけで日光浴する。あるいは、サプリメントの力を借りるなどが生坂先生のお勧めの対策法だ。

ビタミンDを多く含む、食品・サプリメントは?

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ビタミンD3(コレカルシフェロール)は太陽の光に当たることで体内合成されるが、ビタミンD2(エルゴカルシフェロール)は食事で補うことができる。

ビタミンDを多く含む食品は、タラ肝油や魚油全般、魚(特にサケ、マグロ、カジキ、マス、サバ、ニシン、ウナギ)、卵黄、牛乳やバター、干ししいたけなど。また、牛乳やヨーグルト、豆乳、マーガリン、朝食用シリアルなど、ビタミンDを強化した食品からも手軽に取り入れることができる。

サプリの摂取量や摂取期間は人によって異なり、過剰摂取は心臓や腎臓に副作用を及ぼす可能性があるため、必ずかかりつけの医師からのアドバイスに従おう。

ビタミンDと花粉症の関係性

いまや国民病といわれるほどの花粉症。「くしゃみや鼻水が止まらない」「薬なしでは過ごせない」「仕事に集中できない」「マスクは必須!」ただでさえ忙しい日々に重い花粉症のケアをするのはつらいもの。花粉症の症状を和らげると噂のビタミンDには、どのような効果があるのか?

花粉症とは、花粉という外来アレルゲンに対する免疫の過剰反応を指すもの。ビタミンDを接種すると基盤となる骨を丈夫にするだけではなく、体の免疫システムを調整したり、足りない栄養素を補充したりと、よりヘルシーな身体へと整えていことができると言われています。「必要な炎症は起こすが、過剰な炎症は抑える」驚くほど幅広い効果に期待の声が集まっています。

花粉症を本気で改善したい人は、ビタミンDの血中濃度をチェックしてみるのもおすすめ。ビタミンDをいくらたくさん摂っても、腸内環境が悪化したままではその効果が十分に発揮されず、アレルギー体質が改善しにくくなります。適度な日光浴、規則正しい睡眠、過度なストレスを避けることも免疫バランスには必須です。

※体質によってはサプリメントの原材料にアレルギー症状を引き起こすものが含まれている可能性があります。原材料や添加物、成分表示をしっかりと確認するようにしましょう。

Text: Veronica Cristino, Hannah Coates, Kyoko Takahashi Adaptation: Motoko Fujita Editor: Rieko Kosai

From VOGUE.CO.UK

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