1. トップ
  2. 恋愛
  3. 「男子トイレに女性清掃員」は不快…? 田村淳の本音にSNS激論!賛否両論の背景に潜む「3つの構造的課題」とは

「男子トイレに女性清掃員」は不快…? 田村淳の本音にSNS激論!賛否両論の背景に潜む「3つの構造的課題」とは

  • 2025.10.20

発端は田村淳さんの「トイレ清掃員」に対する本音投稿

「日本中小企業大賞」に登壇した田村淳さん(撮影=2023年12月、時事通信フォト)
「日本中小企業大賞」に登壇した田村淳さん(撮影=2023年12月、時事通信フォト)

2025年10月18日、お笑いタレントの田村淳さん(51)がX(旧Twitter)に投稿した「僕だけかもしれないけれど…男子トイレの清掃員が女性なの結構イヤだ」という”本音”が、社会の根深い議論に火をつけました。このポストは瞬く間にトレンド入りし、閲覧数1600万回超と爆発的な反響を記録。翌日にもメディアなどで報じられ、ちょっとした炎上騒ぎから「構造的な問題」へと議論が進化しています。

田村さんは直後から批判が殺到する中で、「トイレをお掃除してもらってることには、当然ながら感謝しています…ですがトイレに異性がいるのが落ち着かないからイヤなんです」と釈明。清掃員への敬意を強調しつつも、トイレというプライベート空間での異性との遭遇による気まずさを訴え続けました。

この”ささいな違和感”は、なぜこれほどまでに多くの人を巻き込む議論となったのでしょうか? X上の賛否両論のコメントを分析すると、長年見て見ぬふりをしてきたジェンダー不均衡と労働者の尊厳という二つの巨大な問題が背景にあることが見えてきます。

「感情論」vs「現実論」の賛否両論

X上の反応はほぼ五分五分に分かれ、大きく二つの対立軸で語られました。

賛成側:男性の「沈黙の不満」が爆発

賛成側の多くは男性ユーザーで、「異性がいると用を足せない」「なんとなく嫌」「温泉の清掃と同じで落ち着かない」といった生理的・心理的な不快感に強く共感しています。女子トイレに男性清掃員が入るケースを想像することで、この慣習がジェンダーの二重基準ではないかと指摘する声も多く上がりました。これは、男性側のプライバシーへの配慮が欠けていると感じていることの表れではないでしょうか。

反対側:労働者への「配慮欠如」と非難

一方、反対側は、田村さんの発言を「清掃員(主に女性)の労働環境を無視したわがまま」と厳しく非難。「その仕事に従事されている方へ失礼だ。生活がかかっている」といった労働尊重を強調する意見が多数。清掃業が低賃金で女性比率が高いという構造を無視し、女性に不潔な場所での作業負担を一方的に押しつけているという現実的な視点からの批判が目立ちました。

この騒動が浮き彫りにした「3つの構造的課題」

この議論が単なる「炎上」に終わらないのは、私たち社会が抱える根深い不均衡を可視化したからです。

一つ目は、ジェンダー二重基準の露呈です。女子トイレに男性清掃員が入ることはまれであるのに対し、男子トイレに女性が入るのは「仕方ない」とされてきた現実。これは「男性は気にしないはず」という古いステレオタイプに基づき、結果的に女性労働者に不公平な負担を強いる構造を生んでしまったのではないでしょうか。

二つ目は、労働者の尊厳と経済格差。男性清掃員を増やすのはコスト増大を招くため、女性が男子トイレを清掃せざるを得ないという清掃業の低賃金構造が問題の根幹にあると言えるでしょう。

三つ目は、企業側の「努力不足」。トイレは極めて私的な空間であり、利用者と清掃員、双方の不快を解消するために、清掃時間中のトイレの一時閉鎖や男女別シフト制の導入といった対策は、企業や施設側が努力すれば実現可能ではないでしょうか。

互いの不快はシステムで解消できる

田村淳さんの投稿は、個人の不快感から始まったものの、結果として男性側の「沈黙の不満」の可視化、女性清掃員への「不公平な負担」の露呈、企業・行政による「努力不足」の炙り出しの3点を社会に強く突きつけました。

問題解決のためには、感情論ではなく、企業・行政による「男女別清掃の標準化」と「清掃職の処遇改善」が強く求められています。互いの尊厳を守るためにも、この議論が「システムを変える」きっかけとなるかもしれません。

(LASISA編集部)

元記事で読む
の記事をもっとみる