1. トップ
  2. 恋愛
  3. SNSでは批判チラホラ…。 朝ドラ《ばけばけ》は、この先も見続けるべき作品なのか

SNSでは批判チラホラ…。 朝ドラ《ばけばけ》は、この先も見続けるべき作品なのか

  • 2025.10.8

小泉八雲と妻をモデルにした物語

小泉八雲とその妻をモデルに描く朝ドラ「ばけばけ」
小泉八雲とその妻をモデルに描く朝ドラ「ばけばけ」

2025年度後期のNHK連続テレビ小説(朝ドラ)である「ばけばけ」が、2025年9月29日に放送開始しました。高石あかりさんがヒロインを務め、明治時代の島根県松江が舞台。松江の没落士族の娘である小泉セツと、夫の小泉八雲ことラフカディオ・ハーンをモデルにした作品です。

同作は、テンポ感が良く軽快な会話劇も楽しめる作品ですが、SNSでは、批判的な感想を書き込む「#ばけばけ反省会」というハッシュタグが登場。辛辣(しんらつ)な意見が多く書き込まれ、さらに初週の平均視聴率は15.5%(ビデオリサーチ調べから、関東地区)とあまり思わしくない数字で、やや不安なスタートとなりました。

最終回に向けて盛り上がった前作「あんぱん」と比べると、少し勢いのない「ばけばけ」。放送期間が半年と長きにわたる朝ドラだけに、ここで一度、本当に見続けるべきなのかを考えてみましょう。

まず、主人公・松野トキのモデルとなっている小泉セツはどんな人物なのでしょうか? ほとんど知られていないセツですが、士族没落の時代で実家の小泉家も養女に出された稲垣家も生活は困窮。勉強好きで成績が良かったものの、小学校の上等教科への進学を諦め、工場で働き家族を支えた苦労人です。

その後、英語教師として松江に赴任したハーン(八雲)の身の回りの世話を担うようになり、やがて夫婦として暮らすことに。八雲が「怪談」などを制作する際に、夫の執筆作業の手助けをして共同で物語を作っていくことなります。妻が作家の夫を手助けするストーリーは「あんぱん」と似ている部分があり、どうやってトキとレフカダ・ヘブン(トミー・バストウ)が名著を生み出すのかが「ばけばけ」の魅力になりそうです。

夫婦愛だけでなく、歴史的な作品を生み出す二人の熱意と努力を見られる作品になるのではないでしょうか。

また、セツの波乱万丈な人生が、ユーモラスに描かれていきそうな点にも注目です。初週だけでも、父親がウサギ販売の商売に失敗して一生働いても返せない借金生活に突入。食べるものがなく、かわいがっていたウサギを食べるシーンは、朝ドラとは思えない衝撃の内容となりました。

さらに、成長したトキは借金取りから遊郭への身売りを提案されるなど波乱万丈。そもそも、この時代に国際結婚することも常識的ではなく、普通ではないトキの生活を、コミカルな要素を入れながら見せる作品になりそうです。朝ドラとしては攻めた内容とみられ、今離脱してしまうのはもったいないのではと考えられます。

伸びしろが十分ある「ばけばけ」ですが、何と言っても注目は主演の高石さんです。現時点での代表作といえば「ベイビーわるきゅーれ」シリーズ。同作で演じた主人公の一人・杉本ちさと役では、世間に強烈なインパクトを残しています。ちさとは、社会性のない殺し屋。性格は明るく社交的な一面を持ちつつ、うまく周囲になじめないキャラを見事に演じきりました。

特に圧巻だったのは、ドラマ「ベイビーわるきゅーれ エブリデイ!」(テレビ東京系)での演技です。殺し屋組織の営業部に回されたちさとは、徐々に会社に染まり相棒のまひろとの関係もギクシャクしていきます。働く女性の苦悩や葛藤もうまく表現し、アクションシーンが売りの同作に新しい風を吹き込ませることに成功しました。

今回、「ばけばけ」で演じるトキも、序盤からさまざまな表情を見せている役です。コミカルな演技が上手なことも「ベイビーわるきゅーれ」で証明しているので、トキもまたハマり役となってドラマを盛り上げてくれる期待を感じられます。

SNSでは批判の声もあり、視聴率も今のところまだ高いとは言えない「ばけばけ」。ただ、「あんぱん」も序盤では酷評の意見がSNSで多く見られただけに、「ばけばけ」も早々に見るのを辞めない方がいい作品ではないかと筆者は考えます。特に、高石さんの演技には注目で、この作品を通じて国民的人気の女優になる可能性が大。歴史的な瞬間を見逃さないよう、引き続き「ばけばけ」を視聴することをおすすめします。

(ゆるま小林)

元記事で読む
の記事をもっとみる