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「ニノだけじゃない」「映画じゃない気が」キャスト陣の“アドリブ級”自然な演技力、2年前の“感動作”に大絶賛の声…!

  • 2025.11.7

二宮和也が主演、ヒロインを波瑠が務め2023年10月に公開された映画『アナログ』。ビートたけしの同名の恋愛小説を映画化した本作は、携帯電話を持たない女性と出会い、ゆっくりと進んでいく淡い恋愛模様を描きながら、思いがけない展開が観る人の胸を締めつける。そんな本作の魅力に迫ってみたい。

“アナログ”だからこその丁寧に過ごす日々が魅力的

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二宮和也 (C)SANKEI

本作は、二宮和也演じる主人公の悟の穏やかな日常から始まる物語だ。手作りの糠漬けや朝ごはんなど、悟の丁寧な暮らしが描かれた何気ない日常シーンがベースとなり、すべての時間が愛おしく感じられる。合理化が進む中でも、悟は“アナログ”を大事にしていた。手作り模型や手描きのイラストにこだわる、悟の感性が作品に貫かれているのだ。

悟がデザインを手掛けた『ピアノ』という喫茶店は、小学生以来の友人である淳一(桐谷健太)や良雄(浜野謙太)との待ち合わせ場所にもなっていた。そんな『ピアノ』である日、携帯を持たない謎めいた女性・みゆき(波瑠)に出会う。こだわった店の内装を褒めてくれた彼女に惹かれ、悟はまた会いたいと思うようになる。

連絡先を交換できない彼女と、“毎週木曜日にピアノで会う”と約束した悟。木曜日に無事彼女に会えるのかというドキドキ感や、デート中に起こる思いがけないサプライズなど、携帯の利便性のなさがゆえのデートが、現代では新鮮だ。特に、海に出かけた2人が砂浜で糸電話で伝えあうシーンには、ホッコリさせられずにはいられない。そんな2人の“アナログ”デートに、SNSでは「こんな恋愛デート絶対憧れる」「なにこの甘酸っぱい感じ」「素朴で素敵」と反響を集めていた。

悟を取り巻く周囲の人々の人情味が◎

また、2人の恋愛を見守る周囲の人々の温かさも特筆もの。悟と気の置けない友人たちとのワチャワチャとした会話が自然体で、『ピアノ』のマスター(リリー・フランキー)のさりげない存在も、観る人を温かな気持ちにさせてくれた。そして、なにわ男子・藤原丈一郎も、悟を慕う会社の後輩・島田を温かく演じてくれている。

SNSでも「友人たちとのやり取り、マスターの醸す雰囲気もとても良い」「アドリブ?ってくらい自然な演技」「自然すぎて映画じゃない気がした」「ニノだけじゃない、キャストがすごい」と声が飛び出すほど、本作のステキなピースの一つとなっていた。

衝撃展開から思いがけないラストへ―本作の深い余韻に感動

みゆきとのデートを重ね、ゆっくり距離を縮めてきた悟は、彼女の素性を何も知らぬまま、プロポーズしようと決意する。だが、約束の日に彼女は現れなかった。それから、時間だけが過ぎていくなか、悟は大阪に転勤になってしまい…。

穏やかな恋愛模様で描かれた2人の幸せな時間が、こんな形で終わってしまうのか。悟と同じ喪失感が観る人の胸にも広がっていく。だが、謎めいた女性“みゆき”をめぐって、物語は驚くべき展開をみせる。みゆきの正体、そして約束の日に起こった悲劇……。悟が知ったその出来事は、誰の目から見ても衝撃的だ。

みゆきの想いと“今”、それを知った悟の選択にも涙せずにはいられない。SNSでも「たくさん泣いた」「号泣、というか嗚咽」「苦しかった」と悲痛な声があふれていた。2人にどんな未来が待つのか……。展開に驚かされつつも、悟やみゆきの人柄、そして全体に流れる“ぬくもり”が感じられる作風で、最後の最後まで観客を包み込んでくれ、深い余韻を残してくれる。

「天才とか悪魔ではなく普通の人なのに抜群に上手い」「演技力すさまじい」「彼の芝居あってこその作品の魅力」と、二宮の演技に大絶賛の声が集まり、好評価を得ている本作。

愛する人と過ごす時間の尊さを十二分に感じられる、“アナログ”だからこそ紡がれた稀少なラブストーリーに浸ってほしい。


ライター:小松加奈
ライター/編集者。音楽・映画・ドラマ・アニメなどのエンタメ系を中心にインタビュー/レビュー/コラム記事などを手掛ける。