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5年の活動歴ながら“最優秀俳優賞”納得の名演「2人に食らいついてる」実力派の先輩と送り出す“新作映画”

  • 2025.10.22

2025年9月に韓国・釜山で開催された“第30回釜山国際映画祭”のコンペティション部門に選出され、主演の北村匠海、共演の林裕太、綾野剛の3人がそろって“The Best Actor Award (最優秀俳優賞)”を受賞した『愚か者の身分』。いよいよ10月24日から公開される本作は、闇ビジネスに足を踏み入れてしまった主人公が、大切な弟分と一緒に必死に抜け出そうと奮闘する逃亡サスペンス映画だ。

映画『愚か者の身分』

近年、大きな社会問題となっている闇ビジネス。いわゆる闇バイトに手を染めてしまった若者が、“一度入ると抜けられない世界”だと知った時には手遅れで、犯罪組織の手先となって、どんどん深みにはまっていく。そんな闇の世界でどう生き抜くのか、北村は綾野から、林は北村から導かれる役柄を演じている。彼らは互いを想い合う親しい関係でありながらも、闇の世界は甘くなく、容易には抜け出せないということがスリリングに描かれていく。

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(c) 2025映画「愚か者の身分」製作委員会
ストーリー
SNSで女性を装い、言葉巧みに身寄りのない男性たち相手に個人情報を引き出し、戸籍売買を日々行うタクヤ(北村匠海)とマモル(林裕太)。彼らは劣悪な環境で育ち、気が付けば闇バイトを行う組織の手先になっていた。闇ビジネスに手を染めているとはいえ、時にはバカ騒ぎもする二人は、ごく普通の若者であり、いつも一緒だった。タクヤは、闇ビジネスの世界に入るきっかけとなった兄貴的存在の梶谷(綾野剛)の手を借り、マモルと共にこの世界から抜け出そうとするが──。
引用:『愚か者の身分』

SNSには「北村匠海と綾野剛の共演って聞いただけでもう観たい」「2人に食らいついてる林裕太すごい」などのコメントが上がっており、3人全員に注目が集まっている模様。

丁寧に描出される登場人物の背景

本作では、タクヤとマモルが携帯を使ってターゲットを絞り、仲間の希沙良(山下美月)が実際に会って戸籍売買のきっかけを作り、連携して闇ビジネスを遂行していく。ターゲットはどのような状況で戸籍を手放すことを決意するのか、そしてどんな人物が戸籍を買うことになるのか、闇で起きていることを詳細に描出していて興味を引く。

本作に登場するタクヤやマモルは、遊ぶ金欲しさに気軽に闇バイトを始めたわけではなく、貧しい境遇に追い込まれている時に、初めて頼れる兄のような人物と出会い、その人を信頼する中で、犯罪の世界に飲み込まれていったのだ。『愚か者の身分』は、登場人物の関係性や背景が丁寧に描かれているので、感情移入しやすく、ストーリーにグイグイと引き込まれる。

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(c) 2025映画「愚か者の身分」製作委員会

北村、林、綾野は、タクヤ、マモル、梶谷そのものに見え、演技ではなく、3人が本当にそこに存在しているかのようだ。観ていると、彼らは犯罪者ではあるが、どうにか逃れる道はないのか、無事に抜け出してほしいと願わずにはいられなくなってしまう。

表現力が秀逸な北村匠海

タクヤたちが手先となってしまう組織の上層部は、とんでもない悪党で、臓器売買なども行っている。闇バイトの本質は非常に恐ろしいことが本作を通して伝わってくるが、その要素として、グロテスクな流血シーンを含む暴力描写も盛り込まれている。

これまで北村は、『東京リベンジャーズ』シリーズなどでも暴力シーンを演じてきたが、それらとは比較にならないほどの現実味を帯びた恐ろしい場面にも挑戦している。ただ、タクヤには愛嬌があるので、どんなにゾッとするような描写であっても、目をそらさずに彼の進む道を見届けたくなる。それは、北村の秀逸な表現力の賜物に違いない。つい先日まで、朝ドラ『あんぱん』で、やなせたかしを演じていたことなど、全く頭に浮かばなかった。

そんなタクヤを可愛がってきた梶谷も、一見すると犯罪者には見えない。一緒に暮らしている由衣夏(木南晴夏)と愛し合っていて、彼女に対してとても優しく接している。明るい由衣夏は、梶谷が困った状況に陥っても、頼もしくサポートしてくれる。そんなほほ笑ましいカップルを、綾野と木南が好演している。

最優秀俳優賞受賞に納得できる林裕太の名演

木南をはじめ、共演者たちは悪役も含めて、全員が魅力的な演技を披露していると感じた。希沙良役の山下は、公開中の『火喰鳥を、喰う』でのイメージとは全く異なる役柄に挑んでいる。タクヤたちのターゲットとなるキャラクターを演じる矢本悠馬は、悲哀に満ちた雰囲気を見事に体現。ほかのターゲット役や、闇ビジネスの上層部役のキャストも、とても良い味を出していて釘付けになる。

そして、北村・綾野と共に釜山国際映画祭で最優秀俳優賞に輝いた林は、受賞に納得できる名演を見せている。

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(c) 2025映画「愚か者の身分」製作委員会

林は、2020年から芸能活動を始めた新星俳優だが、すでに多くの映画やTVドラマに出演。NHK連続テレビ小説『虎に翼』や、TBS日曜劇場『御上先生』といった話題作にゲスト出演し、2026年前期の朝ドラ『風、薫る』への出演も発表された。

2025年11月14日公開予定の映画『君の顔では泣けない』にも出演している林。ひと足先に鑑賞したが、強い印象を残す役柄を好演していて、今後の活躍も楽しみだ。

北村、林、綾野、そして個性的な顔ぶれが集う、見どころにあふれた『愚か者の身分』は、必見の1作だ。


『愚か者の身分』10月24日(金) 全国公開

出演:北村匠海、林 裕太、山下美月、矢本悠馬、木南晴夏、綾野剛 ほか
原作:西尾 潤「愚か者の身分」(徳間文庫)
監督:永田琴 脚本:向井康介
配給:THE SEVEN ショウゲート
公式サイト:https://orokamono-movie.jp/
(c) 2025映画「愚か者の身分」製作委員会

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(c) 2025映画「愚か者の身分」製作委員会

ライター:清水久美子(Kumiko Shimizu)
海外ドラマ・映画・音楽について取材・執筆。日本のドラマ・韓国ドラマも守備範囲。朝ドラは長年見続けています。声優をリスペクトしており、吹替やアニメ作品もできる限りチェック。特撮出身俳優のその後を見守り、松坂桃李さんはデビュー時に取材して以来、応援し続けています。
X(旧Twitter):@KumikoShimizuWP