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2025夏ドラマに引き続き再共演、“大河活躍若手女優”と“アカデミー賞新人俳優賞”が新作映画でみせた相性の良さ

  • 2025.10.16

2023年に刊行され、「令和イチ泣ける」と大反響を巻き起こしたベストセラー小説『ストロベリームーン』(芥川なお/すばる舎)が映画化され、2025年10月17日より公開される。脚本は、『余命10年』『いま、会いにゆきます』などを手がけてきた“ヒューマンドラマのレジェンド”岡田惠和。監督は、『美しい彼〜eternal〜』などで知られる新進気鋭の若手実力派・酒井麻衣が担当。そして、主人公・桜井萌に當真あみ、萌が恋する佐藤日向に齋藤潤という、大注目の人気若手俳優2人が抜擢された。

映画『ストロベリームーン 余命半年の恋』

限られた時間の中で、全力で恋をする萌(當真あみ)と日向(齋藤潤)。胸が締め付けられるような切ないラブストーリーでありながら、自分らしく人生を駆け抜ける萌の姿が魅力的だ。そんな萌を見守る、両親と友人たちの葛藤と優しさが心に響き、全世代の涙を誘う感動作に仕上がっている。

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(C) 2025「ストロベリームーン」製作委員会

SNSには「想像するだけで泣く」「映画化が楽しみ」といったコメントが上がり、試写会で鑑賞した人からは「涙腺崩壊」「心がいろんな感情で埋め尽くされた」などの感想が見られた。芥川による原作が大ヒットしたため、映画化への期待も高まっているが、人気脚本家・岡田の脚色と、酒井の演出、そしてキャスト陣の好演が功を奏し、胸を鷲づかみにされるようなピュアな感情が味わえる映画になっていると感じた。

ストーリー
子どもの頃から病弱で、家の中だけで過ごしてきた桜井萌。15歳の冬、余命半年と医師から宣告される。家族が悲しみに暮れるなか、高校に通うことを決意した萌は、同じクラスの佐藤日向に突然告白。恋人同士となって少しずつ距離を縮めていく2人は、萌の誕生日に“好きな人と一緒に見ると永遠に結ばれる”という満月「ストロベリームーン」を見に行く夢を叶える。しかしその日を境に、萌は音信不通となってしまう。萌が消えた理由とは。そして13年後に明かされる、萌の思いとは……。
引用:『ストロベリームーン 余命半年の恋』

『ちはやふる-めぐり-』でも共演した當真あみと齋藤潤

萌が余命宣告をされるのは、とてもつらいことだが、彼女は残りの人生をどうすれば輝かせることができるか、自分自身で道を切り開いていこうと考え、高校に入学する。日向に恋をした萌は、猪突猛進のごとく、勢いよく告白。日向が躊躇しても怯まず、真摯に想いを伝え、交際をスタートさせる。

萌と日向の想いの裏側にどのようなエピソードがあるのか、ぜひ本編を観て知ってほしい。萌には時間がないことはもちろんだが、なぜ日向を好きになったのか、日向もなぜ萌を慕うようになったのか、その全貌が明かされた時、心が震えずにはいられなかった。

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(C) 2025「ストロベリームーン」製作委員会

當真は、NHK大河ドラマ『どうする家康』や、主演ドラマ『ちはやふる-めぐり-』などで大活躍。齋藤とは『ちはやふる-めぐり-』でも共演したことが記憶に新しい。齋藤は、映画『カラオケ行こ!』で第48回日本アカデミー賞新人俳優賞をはじめ数々の賞に輝いており、現在10代の俳優の中でトップの1人と言えるだろう。『ストロベリームーン 余命半年の恋』は、當真と齋藤の相性の良さと、フレッシュな魅力を感じられる映画だ。

絶賛に値する共演者の名演技

ずっと家の中で過ごしてきた萌にとって、初めてできた親友・高遠麗(池端杏慈)。2人は恋バナで盛り上がり、萌は麗にたくさん相談しながら、日向との交際に臨む。麗はすごく素敵な友達で、彼女の“本心”にも心をつかまれた。麗役を、2025年・15代目ゼクシィCMガールとして話題の池端杏慈が好演している。

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(C) 2025「ストロベリームーン」製作委員会

13年後の麗を中条あやみが演じており、13年後の日向役の杉野遥亮とのほほ笑ましいやり取りも見どころだ。

幼い頃から病弱で、家の中でしか過ごせない生活を送ってきた愛娘の萌を見守る両親を、田中麗奈とユースケ・サンタマリアが演じているが、この2人の演技に涙があふれた。萌の前では努めて明るく振る舞い、楽しい家族として暮らしているが、1人になった時にそれぞれ感情を爆発させる姿には、親目線で深く共感する観客が少なくないだろう。青春ラブストーリーが主軸ではあるが、前述のとおり“全世代の涙を誘う感動作”というのは決して大げさな表現ではない。

もしも自分が、大切な子どもの余命が短いと知らされ、何もできることがないと分かったら、どのような状態になるのか……。両親による我が子への想いを、繊細に表現している田中とサンタマリアの名演技は絶賛に値する。

心に残る感動的な“伏線回収”

13年後、日向は小学校の先生に、麗は警察官になっている。萌が2人の心に残したものは大きく、やがて萌の“秘密”が明らかになる。

本作は、悲しいだけの物語ではなく、非常によく練られた設定とストーリーで、感動的な“伏線回収”に完全に心をもっていかれた。試写会鑑賞者からも「余韻がすごい」という書き込みがあったが、胸に広がった温かい気持ちはいつまでも残りそうだ。

エンドロールで流れるORANGE RANGEによる主題歌『トワノヒカリ』が、作品の最後を彩り、清々しい気分にしてくれる。『ストロベリームーン 余命半年の恋』は、年齢問わず幅広い層におすすめしたい映画だ。


『ストロベリームーン 余命半年の恋』10月17日(金)全国公開

出演:當真あみ、齋藤潤、杉野遥亮、中条あやみ ほか
原作:芥川なお「ストロベリームーン」(すばる舎)
監督:酒井麻衣 脚本:岡田惠和
配給:松竹
公開日:2025年10月17日(金)
公式サイト:https://movies.shochiku.co.jp/stmoon-movie/
(C) 2025「ストロベリームーン」製作委員会

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(C) 2025「ストロベリームーン」製作委員会

ライター:清水久美子(Kumiko Shimizu)
海外ドラマ・映画・音楽について取材・執筆。日本のドラマ・韓国ドラマも守備範囲。朝ドラは長年見続けています。声優をリスペクトしており、吹替やアニメ作品もできる限りチェック。特撮出身俳優のその後を見守り、松坂桃李さんはデビュー時に取材して以来、応援し続けています。
X(旧Twitter):@KumikoShimizuWP