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「大ヒット間違いない」「大本命」大賞受賞の“人気小説の映像化”、タイトルと予告映像だけで“引き込まれる”話題作

  • 2025.9.29

2025年10月3日から公開される、先読み不能ミステリー『火喰鳥を、喰う』。原浩による「第40回横溝正史ミステリ&ホラー大賞」受賞作の映画化で、水上恒司、Snow Manの宮舘涼太、山下美月が共演し、謎と怪異が交錯する衝撃の展開が描かれていく。

映画『火喰鳥を、喰う』

監督を務めるのは、『空飛ぶタイヤ』や『居眠り磐音』、『シャイロックの子供たち』などで知られる本木克英。宮舘は『映画 少年たち』以来、2度目の本木監督作への出演となるが、Snow Manを離れて単独での映画出演は初となる。脚本は、『ラーゲリより愛を込めて』や、公開中の『俺ではない炎上』などを手掛けた林民夫が担当している。

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(C)2025「火喰鳥を、喰う」製作委員会
ストーリー
信州で暮らす久喜雄司(水上恒司)と妻の夕里子(山下美月)はある日、一家代々の墓石から、太平洋戦争で戦死した先祖・久喜貞市(小野塚勇人)の名が削られていることを知る。時を同じくして、地元紙「信州タイムス」の記者・与沢一香(森田望智)とカメラマン・玄田誠(カトウシンスケ)が、生前の貞市が戦地ニューギニア島で書いたという日記を携え久喜家を訪れる。その日記に綴られていたのは、戦地での壮絶な日々と、何としてでも生きようとする貞市の異様なまでの執念だった。その気にやられたのか、玄田が突如「久喜貞市は生きている」と呟き、さらに夕里子の弟・亮(豊田裕大)が日記に「ヒクイドリヲ クウ ビミナリ」と書き込む。二人の常軌を逸した行動に戸惑う雄司たち。そしてこの日を境に、玄田が正気を失い倒れ、雄司の祖父、保(吉澤健)が姿を消すなど彼らの周囲で不可解な事件が頻発するようになる。事態の真相を探るべく、雄司らは夕里子の知人で超常現象専門家の北斗総一郎(宮舘涼太)の力を借りることに。顔を合わせるや、雄司を値踏みし、「夕里子とそぐわない」と挑発する態度をとる北斗に戸惑う雄司。北斗が言うには、玄田の「久喜貞市は生きている」という言葉がトリガーとなって、自分たちが今いる現実とは別の、久喜貞市が死ななかった新たな現実が生み出されてしまったのだという。北斗の言葉を裏付けるように、貞市の生への執着が現実を侵食し、雄司らの現実は徐々に、しかし確実に変容していく――。
引用:映画『火喰鳥を、喰う』公式サイト

SNSには、「タイトルからしてミステリアスで引き込まれる」「予告を観ただけで展開が気になる!」「大ヒット間違いないと思う」「この秋の大本命」といった声が上がっている。一足早く鑑賞したが、観たことがないタイプのミステリーホラーで、全編ゾクゾクしながら、強く引き込まれる作品だと感じた。

ミステリーの中で繰り広げられる三角関係

雄司と夕里子は仲の良い夫婦で、雄司の実家で久喜家の家族と一緒に暮らしている。大学で化学を研究する助教の雄司と、大学で事務員として働いている夕里子。夕里子は昔から、目に見えない“何か”に敏感だったが、そのことを雄司には話していなかった。

だが、貞一の日記をめぐる怪異が起き続けたため、夕里子は雄司にある人物を紹介することに。それは、大学時代に知り合った、自分と同じように“何か”を感じ取ることができ、超常現象に造詣の深い北斗だ。

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(C)2025「火喰鳥を、喰う」製作委員会

北斗は、大学時代から夕里子に好意を抱いていたようで、彼女の夫・雄司に対して、初対面から、あからさまに上から目線で接する。そんな北斗に対して、胡散臭い人物としか思えない雄司。水上と宮舘、そして山下は、ミステリーが展開していく中で、複雑な三角関係を表現しており、3人が演じる人間模様が非常に興味深い。

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(C)2025「火喰鳥を、喰う」製作委員会

夫婦を演じる水上恒司と山下美月

虫も殺せぬ穏やかな性格だった雄司だが、怪異に巻き込まれ、北斗と対峙することになると、夕里子を守るために体を張ってでも戦おうとする、強さを前面に出すキャラクターに変化していく。

水上は、主人公・雄司を「受けて受けて反応していくという、僕が野球をやっていたときのキャッチャーのような役割を担った役」だと説明し、「他の登場人物たちが向き合い方を変えるだけで、雄司は全然違うキャラクターになっていく役だったので、そういったキャラクターを立たせていくのを意識していました」と、今回の演じ方についてコメント。メイクはせずに、青ヒゲもシミもそのままに、自然な状態で雄司を演じたくらい、役に入り込んだ水上。

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(C)2025「火喰鳥を、喰う」製作委員会

儚げでありながら、凛とした強さを持つ夕里子は、夫・雄司を愛しているが、どこか北斗にも共鳴してしまう。山下は、そんな夕里子を繊細に体現することで、物語がどのように進んでいくのか予想できないように、観客を翻弄する役割を巧みに担っている。

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(C)2025「火喰鳥を、喰う」製作委員会

山下は、「きっと初めに見たときの作品の印象と、最後まで見終わった後の作品の印象が全く別のものになると思う」と語っている。

本編を引っ張る重要な役を演じる宮舘涼太

本作のキーパーソン的なキャラクターである北斗は、ひときわ強いインパクトを放っている。物語の語り部であり、探偵役のように見えてそれだけではない。後半に行くに従い、映画の内容を大きく動かしていく北斗。

この難役に挑戦した宮舘は、「北斗という役をアピールするためにも準備をしていたのですが、僕の予想を遥かに超えていて。北斗は役柄としても説得力や本編を引っ張っていく重要な役だと自覚していたので、“これはちょっと頑張らないとな”と感じました」とコメント。

これまで時代劇や歌舞伎の経験もある宮舘は、外連味がありつつ、ナチュラルな演技もこなせて、高潔な空気もまとっているというポテンシャルと、彼のパブリックイメージを鑑み、横山和宏プロデューサーが北斗役にキャスティングしたという。“舘様”という愛称で、バラエティ番組などでも人気の宮舘だが、本作に北斗が登場した瞬間から、まさに彼が打ち出したイメージにぴったりマッチしていて、思わず手を叩きたくなった。

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(C)2025「火喰鳥を、喰う」製作委員会

ただ、北斗役は非常に複雑な設定なので、よくぞこの難しい役を演じてくれたと拍手を送りたくなりながらも、欲を言えば、今後はぜひ柔らかい役柄にもキャスティングしてもらえたらと思う。キュートな笑顔の舘様の演技を観たい人も多いのではないだろうか。

共演者の熱演も必見!

驚愕の展開が続き、予想外のラストを迎える映画『火喰鳥を、喰う』。森田望智、豊田裕大、カトウシンスケ、小野塚勇人、吉澤健、平田敦子、そして麻生祐未らが、雄司、夕里子、北斗を取り巻く人物に扮し、怪異満載の本作で、それぞれ熱演を披露しており、見応えがある。

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(C)2025「火喰鳥を、喰う」製作委員会

本作で描かれる“火喰鳥”の存在自体も不気味だし、それを“喰う”とは一体どのような状態なのか……!? さまざまな予想を抱きつつ、ぜひ映画館で本作を存分に味わっていただきたい。観終わった後に、きっと誰かと語り合いたくなるはずだ。

※記事内のコメントは公式サイト・プレス資料より引用


映画『火喰鳥を、喰う』2025年10月3日(金)公開

出演:水上恒司、山下美月、宮舘涼太、森田望智、吉澤健、豊田裕大、麻生祐未 ほか
原作:原浩『火喰鳥を、喰う』(角川ホラー文庫/KADOKAWA刊)
監督:本木克英 脚本:林民夫
配給:KADOKAWA、ギャガ
公式サイト:https://gaga.ne.jp/hikuidori/
(C)2025「火喰鳥を、喰う」製作委員会

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(C)2025「火喰鳥を、喰う」製作委員会

ライター:清水久美子(Kumiko Shimizu)
海外ドラマ・映画・音楽について取材・執筆。日本のドラマ・韓国ドラマも守備範囲。朝ドラは長年見続けています。声優をリスペクトしており、吹替やアニメ作品もできる限りチェック。特撮出身俳優のその後を見守り、松坂桃李さんはデビュー時に取材して以来、応援し続けています。
X(旧Twitter):@KumikoShimizuWP