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「昔より今の方が刺さる」「妙に怖かった」26年前に放送された、“らしくない”【NHKドラマ】今も語られる“演出の妙”

  • 2026.2.14

2000年に放送されたNHKドラマ『六番目の小夜子』は、今も“NHKの有名作”として名が挙がることが多いであろう、異色の学園ドラマです。

作品の印象や、SNSの評価にも基づき、筆者目線で語っていきます。

「NHKらしくない」と当時話題になった学園ミステリー

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山田孝之(C)SANKEI

本作の舞台は地方の進学校。学校には長年続く謎の役割「サヨコ」があり、生徒たちは深く理由を知らないまま、その決まりごとを受け入れています。そこへ転校生が現れたことで、保たれていた教室の均衡がゆっくりと崩れ始めます。

この作品の最大の特徴は、事件や分かりやすいホラー表現に頼らず、“空気”で不安を描く点です。沈黙、視線、微妙な距離感、意味深な会話が積み重なり、じわじわとした緊張感を生み出します。明るく安心感のある番組が多いNHKのイメージとは対照的で、「これがNHK?」と戸惑った視聴者も少なくありませんでした。説明を控え、答えを明確に示さない構成も当時としてはかなり挑戦的で、視聴後にモヤモヤが残る作風が強く印象に残ります。

SNSで再評価される“忘れられない怖さ”

近年は配信や再視聴をきっかけにSNSで再注目されています。「子どもの頃に観て意味は分からないのに妙に怖かった」「NHKでこんな実験的なドラマをやっていたのが衝撃」「学校の空気の重さや同調圧力の描写がリアル」といった声が多く見られます。

特に共感を集めているのが、集団の中で空気に逆らえない心理描写です。誰かが強制しているわけではないのに、全員が同じ方向を向いてしまう怖さは、現代の学校や職場にも通じます。「大人になって観ると別の意味で怖い」「昔より今の方が刺さる」といった再評価の声も増えています。若き日の栗山千明さんや山田孝之さんが出演している点、また当時中学3年生の松本まりかがデビューした作品でもあるのが、再注目の理由のひとつです。

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松本まりか(C)SANKEI

静かな演出が生む“日常の延長線の恐怖”

本作には派手な怪奇現象や大きな事件はほとんどありません。それでも印象に残るのは、舞台が身近な学校だからです。特別な世界ではなく、誰もが経験したことのある教室という空間で、少しずつ違和感が広がっていきます。静かな映像、抑えた音楽、間を大切にした演出が、日常の延長線上の怖さを際立たせています。

当時の「NHK=無難」という印象を良い意味で裏切ったこの作品は、忘れられない存在です。視聴後にじわっと心に残る不安感こそが、『六番目の小夜子』が長く語り継がれる理由と言えるでしょう。