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アップデートされたアジアンレストランたち

  • 2025.9.18

【ネン トウキョウ(Nén Tokyo)】ダナン発モダンベトナミーズの旗手が海外初出店

ベトナム料理のイメージを一新するモダンで洗練された料理。
ベトナム料理のイメージを一新するモダンで洗練された料理。

2025年9月2日、東京・代官山にモダンベトナミーズの新店がオープンした。学生時代から料理ブロガーとして活躍し、2017年にダナンにオープンしたネン(Nén)が内外から高く評価されるサマー・レの海外初の旗艦店だ。ネンは2024年、2025年とベトナム初にして2年連続のミシュラン・グリーンスターにも選ばれ、サステナブル・ガストロノミーのリーダー的存在にもなっている。

大学生の頃からブロガーとして人気だったサマー・レ。
大学生の頃からブロガーとして人気だったサマー・レ。

ネン トウキョウ(Nén Tokyo)は、「Consciously Vietnamese(意識的にベトナムらしく)」というダナン店のコンセプトを受け継ぎ、ベトナムの自然、風土、文化を感じさせるストーリーを一皿一皿に込める。「ベトナムの物語」と名付けられたコースは、6品のショートコースと9品のフルコースの2種類。日本の大学への留学経験を持ち、和食エッセンスも取り入れたサマーの料理は、どれも洗練されていて、従来のベトナム料理のイメージを根底から変える美しさだ。一品一品に新鮮な驚きと感動があり、彼女のベトナム愛が自然と伝わってくる。

料理一つ一つに手書きイラスト入りのカードを書くサマー・レの料理はとにかく美しい。
料理一つ一つに手書きイラスト入りのカードを書くサマー・レの料理はとにかく美しい。

ネン トウキョウ(Nén Tokyo)

東京都渋谷区代官山町14-18 4F

http://nentokyo.jp/

【カオ(KHAO)】名古屋から東京へ。タイ料理のヌーベルキュイジーヌ

宮廷料理からストリートフードまで多彩なタイ料理にインスパイアされ、洗練されたプレゼンテーションで提供。
宮廷料理からストリートフードまで多彩なタイ料理にインスパイアされ、洗練されたプレゼンテーションで提供。

2022年から3年連続で「ゴ・エ・ミヨ」に掲載された名古屋のタイ料理店ピッサヌロークの夫婦シェフが、東京・神保町で新たな一歩を踏み出した。妻の穂積依里は小学生の頃、家族で訪れたレストランでタイ料理に魅了され、24歳で渡航。現地の料理家のもとで2年間アシスタントとして基礎を学んだ。一方の石山公一は味覚と嗅覚に優れた料理好きで、35歳で初めて訪れたタイの暮らしが肌に合い、そのまま移住。2人はタイで出会い、帰国後の2016年にピッサヌロークを開業。そして昨年、神保町に新店「カオ」をオープンした。

神田神保町のビルの地下にあり、完全予約制のカウンター8席のみ。
神田神保町のビルの地下にあり、完全予約制のカウンター8席のみ。

穂積は、現地でも既製品を使うことが多いと言われる、タイカレーに欠かせない調味料「ナンプリックゲーン」も手作りするなど、タイの伝統的な調理法を尊重しながらも、食材のほとんどを国産で揃える。ハーブやスパイスに加え、日本人にもなじみのある米、魚や発酵食品を用いた香り豊かな品々が並び、甘酸っぱく少し辛く、複雑で刺激的なタイ料理が味わえる。

日本の新鮮な食材とタイの伝統が出合い、まったく新しいタイ料理が生まれる。
日本の新鮮な食材とタイの伝統が出合い、まったく新しいタイ料理が生まれる。

カオ(KHAO)

東京都千代田区神田神保町2-12-2 フェルメール1F

Tel./050-3204-2928

https://khao.tokyo/

【ナイトマーケット(Night Market)】アジアの夜市の賑わいをテーブルに再現

渋谷駅から歩いて8分ほど。店内はカウンター6席とテーブル8卓の36席。
渋谷駅から歩いて8分ほど。店内はカウンター6席とテーブル8卓の36席。

2025年7月1日、渋谷・青山学院の近くにオープンし、既に人気を集めているのが、ナイトマーケット(Night Market)だ。オーナーシェフは、フレンチの名店・レフェルヴェソンス出身で、外苑前のモダンベトナミーズ、アンディ(Ăn Đi)で長年腕をふるってきた内藤千博。新店では、ベトナム以外にスコープを広げて、タイやインドネシアなどを含む東南アジア全体を対象にしている。

インドネシア料理にヒントを得た「BBQ Duckとケチャップマニス」。
配置インドネシア料理にヒントを得た「BBQ Duckとケチャップマニス」。

店名が意味するのは、熱気とざわめきに包まれ、エスニックな香りが立ちのぼる夜市。その高揚感を東京・渋谷に再現する。看板料理の「BBQ Duckとケチャップマニス」は、日本の炭火焼きの要領でこんがりと焼き上げた鴨肉を薄くスライスし、インドネシアの調味料のケチャップマニス風のソースを付けて食べる。ほかにも、三重県尾鷲のカタクチイワシのフレッシュアンチョビや、鰹のタタキと青パパイヤならぬビーツのソムタムなど、厳選されたナチュールワインと合わせたくなる料理ばかりだ。

アンディ時代と同様に新鮮で色とりどりの野菜をふんだんに使う。
配置アンディ時代と同様に新鮮で色とりどりの野菜をふんだんに使う。

ナイトマーケット(Night Market)

東京都渋谷区渋谷2-6-6 COERU 渋谷イースト

Tel./03-6433-5516

https://www.instagram.com/nightmarket.tokyo

【私房菜 吉田】オーセンティックな広東料理をひたすら追い求める

濃厚な白湯が最高品質のフカヒレを包む「気仙沼産吉切鮫尾ビレ濃厚鶏白湯姿煮込み」。
濃厚な白湯が最高品質のフカヒレを包む「気仙沼産吉切鮫尾ビレ濃厚鶏白湯姿煮込み」。

フランス料理のエッセンスを取り入れたヌーベルシノワで圧倒的な評価を得て、1年先まで予約がいっぱいの「隼(Toshi)」の姉妹店。隼の吉田隼之シェフはお任せのコースでイノベーティブな中華料理を提供するが、私房菜 吉田は常時30品以上を揃えるアラカルトが中心のオーセンティックな広東料理。シェフは同性の吉田浩明。実家が横浜中華街の清風楼だという生粋の中華料理人だ。

食中酒は、年代物の紹興酒のほかにシャンパン、ワインなど。
食中酒は、年代物の紹興酒のほかにシャンパン、ワインなど。

シグニチャーディッシュの「當紅脆皮鴿」は、広州産鳩の香り揚げ。オリジナルスパイスで下味を付け、熱湯をかけて張りを出した皮に、さらに酢で溶いた水飴を塗り、1日かけて干す。それをオーダーごとに、油をまんべんなく回しかけしながら、表面がパリッとするように揚げるという。香ばしい皮とジューシーな肉のバランスが絶品だ。気仙沼産フカヒレの「濃厚鶏白湯姿煮込み」は、たっぷりの鶏がらや手羽先などを6時間ほどじっくりと煮て作る白湯でトロっと仕上げられ、そのおいしさには脱帽だ。

横浜中華街の清風楼が実家で、揚州飯店や中華バル サワダで料理長を務めた吉田浩明シェフ。
横浜中華街の清風楼が実家で、揚州飯店や中華バル サワダで料理長を務めた吉田浩明シェフ。

私房菜 吉田(シーフォンチョイ ヨシダ)

東京都港区六本木4-4-2 ヒルサイドパレス六本木1F

Tel./070-4004-3072

https://www.instagram.com/roppongi_yoshida/

【しいる】日韓の素材と技を凝縮したモダンコリアンの新店

季節の九節板(クジョルパン)。野菜のナムルや魚介のチヂミなど8種類の具を皮で包んで食べる。
季節の九節板(クジョルパン)。野菜のナムルや魚介のチヂミなど8種類の具を皮で包んで食べる。

ミシュラン3つ星のジュンシックや2つ星のアトミックスなど、ニューヨークではモダンコリアンがホットだが、そのトレンドをそのまま東京に持ち込んだような店が「しいる」だ。シェフのジョン・シイルは、韓国の調理専門高校卒業後、兵役を経て、約6年間東京で日本料理を学んだ。韓国に戻り、和食レストラン、日韓創作料理店などを営んでいたが、その店を閉めて心機一転、東京への進出を決意した。2025年6月、白金台にオープンした新店は、カウンター6席のみのモダンな空間で、和と韓を掛け合わせた、繊細でイノベーティブな料理を提供する。

日韓の多彩な食材を駆使したイノベーティブな韓国料理。
日韓の多彩な食材を駆使したイノベーティブな韓国料理。

どんぐりから作られるところてんに始まり、宮廷料理にルーツを持つ九節板、イタリア産トリュフをたっぷり載せたコングクス、医食同源のお手本のような牛タン滋養強壮スープまで、オープンキッチンからシェフが繰り出す美皿の数々。ユーモアあふれるトークにすっかりくつろぎながら、こだわりの生マッコリとともに、新生モダンコリアンが楽しめる。

白金台駅から5分ほど。桑原坂を下る途中にある。
白金台駅から5分ほど。桑原坂を下る途中にある。

しいる

東京都港区白金台3-3-5

Tel./03-4334-7688

https://www.instagram.com/siil4649

Text: Yuka Kumano

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