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140年にわたる写真文化を未来へ。韓国初の公立写真美術館がオープン

  • 2025.9.16
140年にわたる写真文化を、未来へ。韓国初の公立写真美術館〈Photography Seoul Museum of Art〉
BRUTUS

3つのポイント

1.韓国唯一の写真媒体に特化した公立美術館。
2.デジタル修復室やライブラリー、暗室を完備。
3.気鋭の建築家がタッグを組んだ建物にも注目。

韓国初の公立写真美術館がソウル・倉洞にオープン

140年にわたる写真文化を、未来へ。韓国初の公立写真美術館〈Photography Seoul Museum of Art〉
モノトーンの世界が広がるオープニング展『The Radiance: Beginnings of Korean Art Photography』の展示室。

意外にも、今まで写真専門の公立美術館がなかった韓国。今年5月に開館した〈Photography Seoul Museum of Art〉(ソウル市立写真美術館)は、総敷地面積7,048㎡という規模感もさることながら、オブジェクティブもユニーク。韓国の写真関連資料を収集し研究を市民と共有。140年にわたるその写真文化を体系化し、未来へ繋げることを掲げる。

展示は性別や国籍、キャリアの長さにかかわらず、国内外の写真家とタッグを組む。現在開催中のオープニングエキシビションの一つは、1929年に韓国人として初めて写真展を開いた先駆者ジョン・ヘチャンや、同国最初期のフェミニスト写真家パク・ヨンスクら5名にフォーカス。新進アーティスト支援プログラムとして企画された若手写真家、キム・ボラの個展も話題を呼んだ。

『The Radiance: Beginnings of Korean Art Photography』は10月12日まで
同展は10月12日まで。

オーストリア〈Jadric Architektur〉のムラデン・ヤドリッチと韓国〈1990都市建築〉のユン・グンジュが手がけた建物も見どころだ。隣接する〈ソウルロボット人工知能科学館〉と調和し、外壁は直線を積み重ねた形に。時間が経つにつれ太陽の光で黒とグレーに変化するさまは、写真が光と時間を捕捉する方法を建築で表現するという創造的な試みの賜物。

施設内には国内作家の写真集や研究書を収蔵するライブラリーや、デジタル修復室「MEDIA HALL」、暗室も備えている。現代韓国文化の、新たな扉を開くキースポットとなりそうだ。

MEDIA HALLでは収集した写真の原本を高解像度デジタルイメージに変換し、復元保存。
MEDIA HALLでは収集した写真の原本を高解像度デジタルイメージに変換し、復元保存。
ライブラリーには貴重な学術専門誌も揃う。
ライブラリーには貴重な学術専門誌も揃う。
開館記念書籍『Photo SeMA 2015−2025』。
開館記念書籍『Photo SeMA 2015−2025』。建築設計や所蔵品収集活動などを伝える。

Information

BRUTUS

PHOTOGRAPHY SEOUL MUSEUM OF ART (PHOTO SeMA)

地下2階、地上4階。利用料は無料。冬季(11月・12月)は開館時間が変更に。

住所:68 Madeul-ro 13-gil, Dobong-gu, Seoul
営:10時~20時(土・日・祝~19時)
休:月曜(祝日の場合は開館)

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