1. トップ
  2. ファッション
  3. ユェチ・チ、手工芸で魅せるエネルギーに満ち溢れたユニフォーム【2026年春夏 東京コレクション】

ユェチ・チ、手工芸で魅せるエネルギーに満ち溢れたユニフォーム【2026年春夏 東京コレクション】

  • 2025.9.7

楽天ファッション・ウィーク東京の最終日となった9月6日(土)、東京・鶯谷でユェチ・チYUEQI QI)による2026年春夏コレクションが発表された。舞台となったのは社交ダンスの聖地として古くから親しまれる「ダンスホール新世紀」だ。シーズンテーマはあえて設けず、映画を観るようにそれぞれの感性で解釈してほしい、とデザイナーのユェチ・チ。

レトロな装飾が施された劇場は昭和の香りが色濃く残る。照明が落とされたステージ上に注目が集まるなか、舞台袖からモデルが登場しショーがスタートした。コレクションのシグネチャーとなるのはレースやフリル、多彩なパッチワークだ。エンブロイダリーレースを施したシアートップスは、ウエスト両サイドにリボンをあしらうことでスタイリングに奥行きを与えている。ストライプ柄のドッキングスカートは軽やかに揺れ動き、ユェチ・チが得意とする繊細な手工芸によってデコラティブなフォルムを生み出していく。

オリジナルのレースディテールには黒猫モチーフをしのばせ、アートのような視覚効果を取り入れている。このディテールはコレクション全体を通して散見され、ミリタリーテイストのワークパンツドレスランジェリールックなどと組み合わせ、独創的なひねりを加えているのが印象的だ。

オーガンジーのスカートはフラワーパターンのレイヤリングによって歩くたびに光が反射し、妖艶な色彩を生み出している。重ねられたレースは、よく見ると黒猫とシグネチャーである「愛」のモチーフが散りばめられ、ユェチ・チらしい遊び心を感じとることができる。

身体に沿って流れるようなドレスは、たおやかな自然を連想させる。装飾的なシルエットでありながらも、タイトなラインでゆるやかなカーブを描いているのが特徴だ。着るアートピースはまさに繊細な手工芸のなせる技といえるだろう。

ショーの中盤では90年代を思わせるチビTも登場。愛らしい猫のプリントはユーモアたっぷりだ。カーゴパンツにはレースポケットをふんだんにあしらいガーリーなアクセントをくわえた。メイクにも注目したい。長めのつけまつ毛やグロッシーなリップなど、エッジの効いた感性で独自のゴシック要素を醸し出している。

今シーズンから初のメンズラインも登場。一見シンプルなシャツもよく見ると異なるテキスタイルがドッキングされており、透ける素材によってリズミカルに溶け込んでいる。同コレクションでは計4ルックが披露され、今後もメンズラインを増やしていく予定だという。

ラストを飾るのは大きな翼を背負った赤のルックだ。翼とドレスはアップサイクルレザーを使用しており、ハンドメイドでトリムして丁寧に繋ぎ合わせられている。フィナーレはモデルたちがステージ上に集合し、観客の拍手とともに幕を閉じた。ショー後、クリエイションの手応えについてデザイナーのユェチ・チに話を聞いた。「今回のショーは、平均年齢23歳という若いチームとともに創り上げました。クロシェットドレスなどはすべて手編みでつくられています。彼らのパワフルな力を実感するとともに、昔ながらの手工芸に興味を持ってもらえるきっかけになったと思います」とコメント。手工芸から生まれる独自のクリエイションはショーを重ねるごとに進化を遂げ、ファッションの可能性を切り開いていく。

Photos: Courtesy of YUEQI QI

READ MORE

元記事で読む
の記事をもっとみる