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〈BULY〉を手がけたラムダン・トゥアミ氏のプライベート拝見!パリの自宅に訪問しました

  • 2025.9.9
実業家のラムダン・トゥアミの自宅地下、〈ブラウン〉のヴィンテージオーディオ

ラムダン・トゥアミ氏のプライベート拝見

パリ9区、マルティール通りの商店街の坂を上がっていくと〈セバスチャン・ゴダール〉〈ローズベーカリー〉といったおいしい店が並び、そこから少し歩いた閑静な住宅街の一角に、ラムダン氏の自邸がある。これまで手がけたビジネスにおけるすべてをデザインしてきたというラムダン氏だが、もちろん自宅の内装もすべて、チャイム一つまで考案した。

「ここは作家のシュテファン・ツヴァイクや映画監督のルイス・ブニュエルらが住み継いだ家です。内装は大きく手を入れ、そのデザインは1週間で仕上げました。神がかり的に仕事が速いのが僕のスタイルなのですが、2024年コンセプトデザインを担当したマドリードにある〈ザラ〉の〈ザカフェ〉も、7月末に話がまとまり、9月には納品しましたから(笑)」

実業家のラムダン・トゥアミ
玄関から入って正面にある階段で、ラムダン氏がお出迎え。歴史的建造物ゆえ、この階段部分の吹き抜けはそのままの設えに。
実業家のラムダン・トゥアミの自宅 応接室
ポストモダンな応接室で、いわゆるサロン。暖炉の装飾にはマルセイユタロットの陶板があしらわれていた。家具は900個ほど所有。
実業家のラムダン・トゥアミの自宅
天井下の梁(はり)の部分には、この家を住み継いだ歴代の名士たちの名がラムダン氏によってデザイン。映画監督、ルイス・ブニュエルの名だ。
実業家のラムダン・トゥアミの自宅地下、〈ブラウン〉のヴィンテージオーディオ
地下にあるラムダン氏の自室。最近はディーター・ラムスが手がけた、〈ブラウン〉のヴィンテージオーディオにご執心。

1階には客人用のティールームや応接室、2階から上には家族が暮らし、地下にラムダン氏の部屋とゲストルーム、それからなんとプールまでが付く。自室はオフィスの仕事場同様に、好きなもので溢れているのだが、ところどころ目に入ってくるのは、日本の見知ったブランドやショップのもの。

「日本に行けば、〈マウンテンリサーチ〉の小林節正さんや〈ミンナノ〉の中津川吾郎さんには会いに行きます。小林さんは僕と一緒で山が好きなアナーキスト。吾郎さんは素晴らしいグラフィックセンスの持ち主なんです」

知人たちから見た、ラムダン氏の正体

「彼とは境遇が似たところがあるような気がして、妙な親近感がありますね。表裏のなさ、怒りに出口がない感じとか、クラシックにもアナーキズムにも興味があったりとか、いろんなことがアンバランスなんですけど、それが魅力です。興奮したら飛び回って、のめり込むタイプの人だから、2ヵ月後には全く違うことを考えてる。いろんなところで迷惑をかけてそうですが(笑)、どこか応援したくなっちゃうんです」とは小林さん。

一方で、中津川さんは「日本に来たら、明日16時、大丈夫ですか?なんて連絡があるのですが、お店には来たり来なかったり(笑)。いつも純粋で、楽しげですけど、根っこはパンク。だから、センシティブな問題にも主義を貫きメッセージを発信する。“代々木公園の中に店を出したい”ってあるとき言っていて、普通は思わないことを考える人なんだと、彼のビジネスセンスを見た気がしました」

わかるのは、ラムダン氏のプライベートは仕事と地続きだということ。ティールームはマドリードの〈ザカフェ〉とよく似ていた。小林さん、中津川さんはじめプライベートが広がり、それがいずれビジネスとして結実する。取材が終わると、「今日は妻の誕生日だからプレゼントを取りに行ってくる」と自転車で出かけていった。

実業家のラムダン・トゥアミの自宅
都会で車に乗るのはナンセンスだと、どこに行くにも自転車に乗っていく。南部の町、マルセイユまで乗っていってしまうくらい。
実業家のラムダン・トゥアミの自宅 ティールーム
ティールームはマドリードの〈ザカフェ〉と同様のテイスト。イスラムのムーア復古様式、スペインのネオ・ムデハル建築を参考に。
エットーレ・ソットサスのガラスオブジェ
どこか〈ビュリー〉のショップを思わせるゲストのための空間。美しいエットーレ・ソットサスのガラスオブジェがテーブルを彩る。
実業家のラムダン・トゥアミの自宅 応接室、スタッド・トゥールーザンのマフラー
応接室のカーテンはすべてスポーツマフラーで結わかれていた。こちらはラグビーの聖地トゥールーズにあるチーム、スタッド・トゥールーザンのマフラー。
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