1. トップ
  2. 「アニメ映画のイメージが変わった」「夢を諦める前に一度観てほしい」アニメの名手たちが描く『パリに咲くエトワール』は一歩踏み出す勇気をくれる!

「アニメ映画のイメージが変わった」「夢を諦める前に一度観てほしい」アニメの名手たちが描く『パリに咲くエトワール』は一歩踏み出す勇気をくれる!

  • 2026.3.11

世界中の芸術家たちを魅了した約100年前のパリを舞台に、日本からやって来た2人の少女が異国の地で互いに支え合いながら、それぞれ夢を胸に抱き、まっすぐに追いかけていく姿を描く『パリに咲くエトワール』(3月13日公開)。『ONE PIECE FILM RED』(22)の谷口悟朗監督、『魔女の宅急便』(89)、『崖の上のポニョ』(08)のキャラクターデザインを手掛けた近藤勝也、「けいおん!」「ヴァイオレット・エヴァーガーデン」シリーズの脚本、吉田玲子が贈る少女たちの成長物語である本作は、世代を問わず誰の心にも響く普遍的なメッセージに満ちている。

【画像を見る】観る人もパリ生活を疑似体験する?画面越しに香る、心温まる“パリエト飯”

MOVIE WALKER PRESSでは、公開に先駆けて開催された特別試写会で参加者にアンケートを実施。「夢を諦める前に一度観てほしい」(30代・男性)、「前向きな2人の女の子に背中を押されました」(50代・女性)といった熱い声が多く寄せられた。なぜ本作は観る人の心をこれほど励ましてくれるのか。感想コメントと共に、その魅力に迫る。

「背中を押してあげたくなる」…ひたむきにまっすぐ夢と向き合う2人の少女

20世紀初頭のパリ。そこには、夫を支えるよき妻になる将来を望まれながら、画家になることを夢見るフジコ(声:當真あみ)と、武家の家系に生まれたナギナタの名手ながら、バレエに心惹かれる千鶴(声:嵐莉菜)という2人の少女が暮らしていた。バレエを習いたい千鶴のために、フジコは同じアパルトマンに住む青年ルスラン(声:早乙女太一)の母でロシア出身の元バレリーナのオルガ(声:門脇麦)にレッスンを依頼する。東洋人であることで様々な壁にぶつかりながらも、夢に向かって歩きだす2人。だがある日、パリにおけるフジコの保護者である叔父の若林(声:尾上松也)が失踪してしまう…。

画家を目指して、花の都パリで暮らすフジコ(声:當真あみ) [c]「パリに咲くエトワール」製作委員会
画家を目指して、花の都パリで暮らすフジコ(声:當真あみ) [c]「パリに咲くエトワール」製作委員会

主人公で画家志望のフジコとバレエに憧れる千鶴。同じ日本人で年齢も近いけれど、性格が異なる2人の奥行きのある人物描写は、多くの観客の印象に残ったようだ。いつもポジティブで、困っている人を放っておけない性格のフジコは、物語の原動力となるキャラクターである。

「親もいない異国の地で、きっと不安になる瞬間もあるはずなのに、どんなことにもひたむきに進み続けるフジコの姿に元気をもらいました」(10代・女性)

「主人公っぽくない!でも、だからこそ自分と重ねてしまって、気づけば応援していました」(30代・女性)

「天真爛漫で、周りの人をあたたかい光で導いてくれますが、フジコの心に潜む不安など、影の部分もまた彼女の魅力で応援したくなりました」(20代・女性)

「まっすぐに夢を追いかけるキャラクターだと思っていたが、揺らぎや葛藤を抱えながらも他人を想うことができる優しさを持った人物だった」(10代・女性)

ナギナタの名手ながら、バレエに魅了され、悩みながらも夢を追い続ける千鶴(声:嵐莉菜) [c]「パリに咲くエトワール」製作委員会
ナギナタの名手ながら、バレエに魅了され、悩みながらも夢を追い続ける千鶴(声:嵐莉菜) [c]「パリに咲くエトワール」製作委員会

結婚して家庭に入ることを望む両親の反対にも負けず、パリ暮らしを実現させたフジコに対し、千鶴は両親に頭が上がらない物静かな少女。ナギナタの師範でもある武術家としての強さと、自分の意思を出すことが苦手な性格とのギャップも魅力的だ。

「千鶴の第一印象は、とても内向的で感情を表に出さない子。でも、明るく前向きなフジコに影響されて、どんどん夢を叶えていく姿に勇気づけられました」(50代・男性)

「弱気に見えて、すごく大胆!そして努力ができて才能もある!まぶしい存在でした」(30代・女性)

「千鶴は夢を叶えるのに必要な運と実力を持つ人間だと思った。その才能に固執せず、努力できることはすばらしい」(40代・男性)

「心に秘めた野望の炎を決して絶やさない、一度やると決めたらまっすぐな姿に惹かれました。奥手で一歩踏みだすのに時間がかかるけれど、背中を押してあげたくなるかわいらしさがありました」(20代・女性)

そんな2人の少女が、東洋人がまだ珍しい存在だったパリという地で、数々の困難を乗り越えていく過程には胸を打たれずにいられない。タイプは違っていても互いに支え合い、高め合いながら、それぞれの夢を追うフジコと千鶴の姿に深い共感を抱く観客の声が多く見られた。

「少女たちがひたむきにがんばる姿に、胸が熱くなりました」(40代・女性)

「かわいらしい女の子を見守るつもりだったのに、この作品に励まされました」(20代・女性)

「挫折ばかりの自分も、もうひとがんばりしなければと、非常によい刺激を受けました」(50代・男性)

「彼女たちに共感できる部分もあれば、勇気をもらえるところも多くて、とてもすてきな映画でした」(10代・女性)

『魔女の宅急便』のキャラクターデザインを手掛けた近藤勝也が本作のキャラクター原案を務める [c]「パリに咲くエトワール」製作委員会
『魔女の宅急便』のキャラクターデザインを手掛けた近藤勝也が本作のキャラクター原案を務める [c]「パリに咲くエトワール」製作委員会

「印象に残らないキャラクターがいない」…フジコと千鶴を優しく支えるパリの人々

本作ではフジコと千鶴がパリで新たな人間関係を築いていく様子も描かれる。作曲家志望のルスランや、千鶴のバレエの先生となるオルガをはじめ、「印象に残らないキャラクターがいないです」(30代・男性)というコメントに象徴されるように、2人の少女を取り巻くキャラクターたち全員がそれぞれ個性的で、物語に深みを与えている。

フジコと同じアパルトマンで暮らす、作曲家志望の青年ルスラン(声:早乙女太一) [c]「パリに咲くエトワール」製作委員会
フジコと同じアパルトマンで暮らす、作曲家志望の青年ルスラン(声:早乙女太一) [c]「パリに咲くエトワール」製作委員会

フジコと同じアパルトマンの一室に住んでいるルスランは、幼いころに母オルガと共にロシアからパリに亡命してきたという背景を持つ青年。パリ音楽院に通っている彼は、フジコと千鶴にとって同世代の友人であり、よき理解者となるキャラクターだ。

「同じ移民、同じ芸術家の卵として、2人のヒロインを見守る重要な役割を担っていたルスラン。ロマンス要素としても、ドキドキしながら見守っていました」(20代・女性)

「フジコ、千鶴の間にいるかっこいい男の子でしたが、2人と同じように夢の実現に悩んで、突破するところが印象的」(50代・男性)

元バレリーナであるオルガ(声:門脇麦)の指導のもと、懸命にバレエに励む千鶴 [c]「パリに咲くエトワール」製作委員会
元バレリーナであるオルガ(声:門脇麦)の指導のもと、懸命にバレエに励む千鶴 [c]「パリに咲くエトワール」製作委員会

オルガはルスランの母で、ロシア出身の元バレリーナ。いまはキャバレーで踊り子をして生計を立てている。移民として、パリでバレリーナになることの厳しさを痛いほどわかっている彼女が、千鶴の熱意と才能にほだされ、バレエ指導を引き受ける展開に胸が熱くなる。

「厳しさのなかにも愛情を感じる場面が多くて、好きなキャラクターになりました」(20代・女性)

「オルガの厳しさは、すべて彼女の奥底の優しさに裏打ちされている」(40代・男性)

「『夢は残酷でもある。惨めな思いをしたいの?』というオルガのセリフは、50代の私でさえ、ゾクッとするくらい突き刺さった!」(50代・女性)

周囲の人々に支えられながら、フジコと千鶴は夢に向かって挑戦を続けていく [c]「パリに咲くエトワール」製作委員会
周囲の人々に支えられながら、フジコと千鶴は夢に向かって挑戦を続けていく [c]「パリに咲くエトワール」製作委員会

ルスランとオルガ以外のアパルトマンの住人たちも、魅力的なキャラクターばかり。異国で孤独を感じることもあったフジコと千鶴を支える心強い存在として描かれている。

「いまよりもアジアへの理解などが浅い時代に、日本人の少女2人を適度な距離感で支えて応援する人たちがすてきでした!みなさんのバックグラウンド、性別も年齢もバラバラですが、温かい人たちだなと思いました」(30代・女性)

「みんな個性的で人間味があり、優しい人たちだと思った」(40代・男性)

パリで小さな画廊を経営しているフジコの叔父、若林は、口がうまくて、お調子者の性格。彼女が渡仏してからは、保護者代わりの役割も担っていた彼は、まじめでおとなしい日本人のイメージを覆す自由奔放でユニークなキャラクター。そんな彼には「人生をエキサイティングに過ごしている!危なっかしいけど、ちょっと憧れます」(50代・女性)、「すごく破天荒で輝くキャラだった」(30代・女性)といった声が寄せられている。

フジコと千鶴の前向きな姿勢はもちろんのこと、夢を追う彼女たちを応援し、支える人々との関係性も、この物語が観客の心を打つ大事なポイントの一つ。人が夢を叶える時の背景には必ず、その人を支えてくれた誰かの存在があることを改めて気づかせてくれる。

「絵が動く喜びに満ちている」…アニメーションの名手によって描かれる約100年前のパリの華やかさ

本作の舞台は「ベル・エポック(美しい時代)」と呼ばれた20世紀初頭の華やかなパリ。谷口監督とリサーチャーの白土晴一をはじめとするスタッフ陣による徹底的なリサーチのもと、パリに憧れたフジコと千鶴の感情というフィルターを通して表現したパリの街は、本作の魅力を語るうえで外せない大事な要素だ。観客からも「パリの街並み、服装、食べ物など、パリ生活を疑似体験している気持ちになりました」(50代・女性)、「当時の時代背景とパリの空気感が、すばらしい映像美で表現されていてとてもよかった」(30代・女性)との声が多く上がった。

キャラクター原案と重要なシーンの原画を手掛けたのは、キャラクターの存在感が伝わるシンプルかつ洗練されたデザインに定評のある『魔女の宅急便』の近藤勝也。劇中に登場するバレエの舞台の振付は、元ウクライナ国立オペラ・バレエ劇場リーディング・ソリストの田北志のぶと、パリ・オペラ座バレエ団元エトワールのウィルフリード・ロモリが担当。実際のバレエダンサーたちの踊りを、アニメーションで流れるようなリアルな動きで表現したダンスシーンも大きな見どころだ。また、ヨーロッパ的な雰囲気が印象的な音楽は、「ID-0」でも谷口監督とタッグを組んだ、パリ国立高等音楽院出身の服部隆之が作曲した。

細部までこだわり抜かれたアニメーションによって再現された、約100年前のパリの街並み [c]「パリに咲くエトワール」製作委員会
細部までこだわり抜かれたアニメーションによって再現された、約100年前のパリの街並み [c]「パリに咲くエトワール」製作委員会

「バレエ、ナギナタのシーンの作画がすばらしく、特にアップの描き方が躍動感と表情が噛み合っていて見惚れた」(10代・女性)

「圧巻のバレエシーン、バレエの伴奏からの流れに合わせた緑黄色社会のエンディング主題歌に圧倒された」(40代・男性)

「なんて見やすいアニメ映画だろうと思いました。優しいデザインで、見分けがつきやすくて、親しみが持てるキャラクター。展開が追いやすいけれど予定調和ではなく、ハラハラするけれど最後は安心できるストーリー。写真のようにリアルだけれど、写真にはない美しさのある背景。そしてなにより、絵が動く喜びに満ちていました。音楽も豪華で、クラシック音楽を聴きたくなりました」(30代・女性)

「なにかを諦めそうになった時に観て」…本作が伝える優しくて温かいメッセージ

憧憬をかき立てる美しいパリの街並みとロマンあふれる時代背景。個性豊かなキャラクターたちが織り成す人間模様。バレエや音楽、絵画といった芸術のパワー。様々な魅力的な要素が融合した本作は、「普段アニメ映画をあまり観ないのですが、アニメ映画へのイメージが変わりました」(30代・女性)というコメントがあったように、幅広い層の観客に刺さる1本になっている。最後に、試写会参加者に聞いたおすすめコメントを紹介したい。

「観終わったあと、自分の“好き”を少し大事にしたくなる映画」(30代・男性)

「花の都パリの魅力を感じられるすばらしい作品。ぜひ映画館に足を運んで、1世紀前にパリにいた彼女らに想いを馳せてほしいです」(60代・男性)

「なにかを諦めそうになった時に観てほしい」(10代・女性)

「フジコの絵画や千鶴のバレエのように、本気でやってみたいと思うものを見つけることの大切さ。見つけたあとに楽しさが待っていることを知ってほしい」(30代・男性)

毎日を生きていくなかで、ふと迷った時や自信を失った時に、きっと本作に込められたメッセージが観る人の背中を優しく押して、未来への一歩を踏みだす勇気をくれるはずだ。

文/石塚圭子

元記事で読む
の記事をもっとみる