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花總まりさんが語る、50代の歩き方「40代までの『やり切った』を胸に、新しい自分らしさを見つけたい」

  • 2025.9.9

『エリザベート』『マリー・アントワネット』のタイトルロールをはじめ、グランドミュージカルの数々のヒロインを演じてきた花總まりさん。2025年11月にシアタークリエで上演されるミュージカル『バグダッド・カフェ』では、これまでのイメージとは異なる、ちょっと意外な役にチャレンジします。どんな時も舞台上でエレガントに存在するために、欠かさない努力。そして何より、大人の今だからできる可能性に、その頬は輝いていました。

私だから演じられるジャスミン像を模索したい

砂漠の中にポツンと建つ、寂れたモーテル。そこに、見慣れない姿をした女性がふらりと現れる――そんなイントロから始まるのが、80年代後半に大ヒットし、ミニシアターブームを巻き起こした『バグダッド・カフェ』。斬新なのにどこか懐かしく、そしてとびきりハートウォーミングな映画が、青春の記憶とともにある人も多いことでしょう。名作はのちにミュージカルとなり、2025年11月に、日本初演を迎えることになりました。

「恥ずかしながら、今回お話をいただくまで、映画を見たことがなかったんです。でも、何の予備知識も持たずに見始めて、最初はコメディなのかな?と思っていましたが、どんどん引き込まれていって、最後には、『なんて心が温かくなるんだろう……』と」

花總さんが演じるのは、ドイツからやってきた旅行者・ジャスミン。映画では豊満な体つきにニュアンス豊かな表情が印象的な女性でしたが、その役に、これまで多くのミュージカルでプリンセスや王妃を演じてきた花總さんが扮するギャップにも、興味が湧いてきます。

「映画は、あの俳優の方が演じたから醸し出された独特の雰囲気や味があったと思います。ですから、今回のミュージカル版では、私が持っているものをにじませながら表現していくことになるのだろうなと。私だから演じられるジャスミンをどんなふうに作っていこうかと、今からワクワクしています」

名曲「コーリング・ユー」を、自信を持って歌えるように

言葉があまり通じないこともあってか、映画の中のジャスミンは言葉少なで、どこかミステリアス。しかし彼女は、不思議な引力でモーテル中の人を惹きつけ、出会う人のこごっていた人生を前向きに変えていきます。

「気がついたら周囲に人の輪ができている……そんな人って、確かにいますよね。もともと持っている魅力もあると思いますし、その人が、人との間に壁を作らないことも理由のひとつなのではないでしょうか。モーテルの女主人・ブレンダからは、最初はものすごく警戒されて睨みつけられているのに、ジャスミンは物怖じしない。ひとりぼっちで、普通なら心細くなりそうなシチュエーションに置かれても、彼女のなかには時がいつものように流れているんです。誰に対しても優しく、突然マジックを練習して人前で披露してしまうようなお茶目なところもある。ちょっと憧れます」

ミュージカル版ならではの楽しみといえば、やはり音楽。ロック、ソウル、レゲエ、ラップにクラシックなど、幅広いジャンルの歌が盛り込まれ、映画の主題歌としてスタンダード・ナンバーになった『コーリング・ユー』は、ジャスミンとブレンダが歌唱。お互いの魂に呼びかけ合うような、心揺さぶる場面になりそうです。

「常に何をオファーされてもいいようにボイス・トレーニングはしていますが、やはり『コーリング・ユー』は、これまで数々の歌手の方が歌ってきた特別な曲。胸を張って歌える自分でありたいと思います」

新鮮な作品や役との出会いが、モチベーションを与えてくれる

いつ、何があっても大丈夫な自分であるように――歌だけでなく、実は日頃から体のトレーニングも欠かさない花總さん。代表作のひとつである『エリザベート』のエリザベート役をはじめ、数々の大役を演じ、磨かれた品格は、水面下のたゆまぬ努力に支えられたものでした。それを続けながら迎えた50代。さらにたおやかに、自由に、羽ばたこうとしています。

「ありがたいことに、こうして新しい作品と役をいただけるたびに、『こんなことをやってみよう』『次のために、あれをやっておこう』というモチベーションが自然に湧いてきます。50代になった時はとくに、ああ、これから新しい10年が始まるんだと……。40代までずっと走り続けてきて、あまり周囲を見る余裕がなかったのですが、今は『やり切った』という思い。自分の中でひと区切りをつけて、これからはもう少し歩みを自分らしくしたいと思っています。きっと今までと違う役柄に挑戦していくことになるでしょうし、この年代にふさわしい役に巡り会えたらいいですよね」

やりたいことに挑戦し、違うと思ったら、また別の目標を探せばいい――まるで、砂漠で歩み出すジャスミンのように、花總さんの表情は力みなく、穏やかです。

「今回は、舞台の上でマジックにも挑戦します。お稽古も、とっても楽しいんですよ。50代、幸先いいかな?って思っています」

PROFILE

花總まり(はなふさ・まり)
東京生まれ。1991年に宝塚歌劇団入団、『ベルサイユのばら』で初舞台。雪組、宙組のトップ娘役として数々の作品に出演し、2006年に退団。その後『エリザベート』『レディ・ベス』『マリー・アントワネット』などのグランドミュージカルで主演を務める。最近の出演作に舞台『応天の門』、映像では大河ドラマ『べらぼう〜蔦重栄華乃夢噺〜』TBS日曜劇場『キャスター』など。読売演劇優秀女優賞、菊田一夫演劇大賞など受賞歴多数。20226年3月に開幕するミュージカル『破果(パグァ)』では、暗殺者役に挑む。

[舞台] ミュージカル『バグダッド・カフェ』

夫婦でアメリカ西部を旅していたジャスミンは、夫とケンカし、ひとり車を降りて「バグダッド・カフェ」にやってくる。子育てや日々の仕事に疲れたカフェの女主人・ブレンダは、当初は不審がるが、やがてジャスミンは彼女と子どもたち、そしてカフェに集う人々の心を癒やしていく……。シスターフッドという言葉がまだ世に広まる前から、女性同士の共感と絆を描いていたハートフルな物語。ブレンダ役の森公美子さんとの初共演を「まるで本当にそこに生きている人のようにパワーやエネルギーを表現する方。心から楽しみです」と花總さん。

脚本:パーシー・アドロン エレオノーレ・アドロン
音楽:ボブ・テルソン
歌詞:リー・ブルーワー ボブ・テルソン パーシー・アドロン
演出:小山ゆうな
翻訳・訳詞:高橋知伽江
音楽監督:荻野清子
出演:
花總まり 森公美子 小西遼生 清水美依紗 松田 凌 芋洗坂係長 岸 祐二 坂元健児 太田緑ロランス 越永健太郎 ほか
日程:2025年11月2日(日)〜23日(日)東京 シアタークリエ
2025年11月28日(金)〜30日(日) 愛知 Niterra日本特殊陶業市民会館 ビレッジホール
2025年12月4日(木)〜7日(日) 大阪 梅田芸術劇場シアター・ドラマシティ
2025年12月13日(土)〜14日(日)富山 富山県民会館

トップス¥126,500、スカート¥184,800 /ともにマーロ(ウールン商会03-5771-3513)
 
撮影/天日恵美子 スタイリング/地曳いく子 ヘアメイク/松田美穂(アルール) 取材・文/大谷道子

この記事を書いた人

大人のおしゃれ手帖編集部

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