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これどうやって計算するか覚えてる?「(−1)^10+(−1)^11」→10秒でチャレンジ

  • 2025.12.16
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今回は、累乗の計算問題に挑戦しましょう。

一見難しそうに見えるかもしれませんが、計算の仕組みさえ分かれば、意外と簡単に答えが出せますよ。

さて、あなたは何秒で計算できるでしょうか?

問題

次の計算をしなさい。
(−1)^10+(−1)^11

※制限時間は10秒です。

解答

正解は、「0」です。

実はこの問題、計算の仕組みさえ分かれば、10秒どころか、5秒でも答えが出せます。

次項では、この問題をスピーディーに計算するための大事な「ポイント」について紹介しています。ぜひ、ご覧ください。

ポイント

この問題のポイントは、「指数が偶数か、奇数かに注目すること」です。

まず、累乗と指数について軽く復習しておきましょう。

累乗とは、同じ数を何個か掛け合わせた計算のことです。指数は、累乗で何個掛け合わせるのかを表す数です。

なお、指数は通常、掛け合わせる数の右上に小さく書きます。ただし、上付き文字が使えないテキストでは、^を用いて指数を表すことがあります。本記事でも、指数は^を使って表記します。

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<例>
2^3の計算

2^3←2を3個掛け合わせる(指数は3)
=2×2×2
=8

また、指数が負の数を囲う()の外についている場合、マイナス記号を含めた「負の数全体」を指数個分掛け合わせるという意味になります。

例:
(−2)^2←−2を2個掛け合わせるという意味
=−2×(−2)

今回の問題であれば、(−1)^10(−1)^11が累乗になります。(−1)^10は−1を10個掛け合わせるという意味、そして(−1)^11は−1を11個掛け合わせるという意味ですね。

(−1)^10+(−1)^11

累乗は足し算よりも先に計算すると決まっています。そこで、まず(−1)^10と(−1)^11を計算してから、二つの答えを足しましょう。

(−1)^10と(−1)^11は、掛け算に直して計算できます。しかし、今回のように指数が大きいときは、掛け算で表すのは面倒ですね。

そこで、次の計算ルールを使い、(−1)^10と(−1)^11の累乗の答えを、掛け算に直さずに求めてみましょう。

<答えの符号の決め方(負の数の掛け算編)>
1.同符号どうしの掛け算の答え→正の数(+)になる
例:−1×(−1)=1
2.異符号どうしの掛け算の答え→負の数(−)になる
例:−1×1=−1

実は、1のルールを見ると「負の数の累乗で指数が偶数であるなら、その答えは正の数になる」ことが分かります。指数が偶数のとき、同符号どうし二つを掛け合わせる掛け算のペア(答えは正の数になる)を作っていくと、余りなくペアが作れるからです。

一方、2のルールからは「負の数の累乗で指数が奇数であるなら、その答えは負の数になる」ことが分かります。同符号どうし二つを掛け合わせる掛け算のペアを作っていくと、最後に一つだけ負の数の掛け算が余ってしまうからです。

例:
<負の数の累乗で指数が偶数のとき>
(−1)^4
=−1×(−1)×(−1)×(−1)
={−1×(−1)}×{(−1)×(−1)}←−1×(−1)の同符号どうしの掛け算を作っていくと、余りが出ない
=1×1
=1

<負の数の累乗で指数が奇数のとき>
(−1)^5
=−1×(−1)×(−1)×(−1)×(−1)
={−1×(−1)}×{(−1)×(−1)}×(−1)←−1×(−1)の同符号どうしの掛け算を作っていくと、最後に×(−1)が一つだけ余る
=1×1×(−1)
=−1

つまり、掛け算の形に直さなくとも、指数が10という偶数である(−1)^10の答えは1、指数が11という奇数である(−1)^11の答えは−1だと分かるのです。

(−1)^10+(−1)^11
=1+(−1)

負の数の足し算は、正の数の引き算と同じです。よって、1+(−1)は1−1として計算できます。

1+(−1)
=1−1
=0

これで、正解の0にたどり着きましたね。

まとめ

今回の問題は、累乗の指数に注目することで、簡単に答えを出せます。

負の数の累乗の答えは、指数が偶数であれば正の数、奇数であれば負の数になります。特に−1の累乗であれば、答えは1もしくは−1のどちらかになります。よって、指数が偶数か奇数かを確認するだけで、答えが出せるのです。

−1の指数が大きければ大きいほど、この知識は役に立ちます。ぜひ、覚えてくださいね。

※当メディアでご紹介する数学関連記事においては、複数の解法をもつものもございます。あくまでも一例のご紹介に留まることを、ご了承ください。



文(編集):VY
数学とIT技術学習が趣味のWebライター。実用数学技能検定2級と数学教員免許を取得後、家庭教師や学習支援スタッフとして数学指導を行ってきた。文系と理系の別、年齢にとらわれない、誰でも楽しめる数学解説作成を目指している。


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