1. トップ
  2. 原作に存在しない“オリジナル刑事”が生む緊張感「存在感がある」「ハマり役」恋愛リアリティ出身の“若手俳優”【木曜ドラマ】

原作に存在しない“オリジナル刑事”が生む緊張感「存在感がある」「ハマり役」恋愛リアリティ出身の“若手俳優”【木曜ドラマ】

  • 2025.11.30
undefined
(C)遠藤かたる/宝島社/ytv

衝撃的な展開で幕を開け、最新話となる第9話では、ついに連続殺人事件の犯人の正体が明らかとなるなど、二転三転しながら謎が深まっていく『推しの殺人』。

※以下本文には放送内容が含まれます

ルイに寄り添う刑事・望月の存在

undefined
(C)遠藤かたる/宝島社/ytv

本作は、地下アイドルグループ『ベイビー☆スターライト』のメンバー3人が、仲間を救うために、所属事務所の社長・羽浦悟(田村健太郎)に手をかけてしまうところから始まるミステリードラマだ。物語の中では、3人の罪とは別に連続殺人事件も発生している。3人の罪はいつバレてしまうのかというハラハラ感、事件の犯人は誰なのかという謎の2つの軸が同時に進行する物語だ。

曽田陵介が演じる望月直哉はルイ(田辺桃子)の幼なじみで、事件の捜査を担当している刑事。ルイに淡い恋心を抱いており、事件の関係者としてルイの幼なじみとして、どのように関わるべきか葛藤している人物だ。

望月はドラマ版におけるオリジナルキャラクター。望月の存在が追加されたことで、ルイを取り巻く状況が変化し、ルイ自身も望月との関係と事件との向き合い方に迷う描写が増えているのだ。

佇まいや表情だけで、表現する曽田の演技力

undefined
(C)遠藤かたる/宝島社/ytv

オリジナルキャラクターであることを踏まえると、原作小説の中にヒントがないため難しい役柄と言えるだろう。そんな中、曽田は佇まいや微妙な表情のみで望月が抱える葛藤を表現している。望月が、思いを口で吐露したりする場面は多くない。刑事として、本心を語りすぎるわけにはいかないという事情もあるだろう。それでも、曽田が表現する望月の表情からは、過去の恋心の大きさ、現在のルイを心配し現在も思っていることが察せられる。

曽田は、TikTokの投稿やABEMAの恋愛リアリティ番組『月とオオカミちゃんには騙されない』などで注目され、以降俳優として活躍している。さまざまな作品でゲスト出演を重ねつつ、近年ではドラマへのレギュラー出演も増えつつある。

WOWOWドラマ『アオハライド』では、魅力的な当て馬役である菊池冬馬を演じた。菊池冬馬は、過去に公開された映画版で千葉雄大が演じた人気キャラクターだが、そんなハードルを飛び越え、ハマり役という好評の声が上がっている。

一方で、爽やかで優しい役柄だけがハマるわけではない。ドラマ『街並み照らすヤツら』のシュン役では、無表情のまま突拍子もない行動をする、ある意味で恐ろしい役柄を演じていた。何をし始めるかわからない分、作中でもっとも怖い人物で、曽田の読ませない芝居の強みが出ていたキャラクターだった。

SNSでは、「存在感がある」「ハマり役」と好評の声が上がっている。『ベイビー☆スターライト』が犯した罪にどう向き合うのか、連続殺人事件はどのような結末を迎えるのか。展開によっては望月の活躍も見られるだろう。


読売テレビ・日本テレビ系 木曜プラチナイト『推しの殺人』毎週木曜日よる11:59~0:54

ライター:古澤椋子
ドラマや映画コラム、インタビュー、イベントレポートなどを執筆するライター。ドラマ・映画・アニメ・漫画とともに育つ。
X(旧Twitter):@k_ar0202