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穏やかで幸福な生活を築きたいあなたに。専門家が教える6つのシンプルな方法

  • 2025.8.28
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「Order is the sanity of the mind, the health of the body(秩序こそが、精神の衛生と身体の健康である)」──1843年に亡くなった詩人ロバート・サウジーが残した言葉だ。それから約2世紀が経ち、サウジーの考えが正しかったことを示す科学的証拠が得られた。

最新の研究によると、ストレスホルモンと呼ばれるコルチゾールの値と、生活空間の整頓状態には明確な関係があることが明らかになったのだ。モントリオール・マギル大学の行動神経科学者、ダニエル・レヴィティンは『National Geographic』紙に対し、「一部の人にとって、物が散らかっているもしくは整理整頓されていない状態は、慢性的な不安障害の原因になりうる」と説明。また、心理学者のピラール・ゲラは、「不潔や乱雑な家で生活を送る人は、コルチゾールの値が高いという研究結果があり、ときに不安や鬱の原因にもなる」と話す。多くの物が視界に入る混乱した生活環境では、視覚野と脳が圧倒されてしまうそうだ。

そこで、整理整頓の専門家であるアリシア・マルティネスとアリシア・イグレシアスに実践している習慣や秘訣を訊いた。コンマリ流のように家のなかを完璧な状態にしなくてもいい。今回は、整理された部屋を構築する土台となるような、日常のなかでトライできる小さな取り組みを中心に紹介する。

1. 何でも入れるバスケットを1つ準備する

多くの整理整頓の専門家は、家のなかのあらゆるものを仕分けて保管するさまざまな種類の箱やバスケットを用意することを推奨しているが、マルティネスはさらに工夫を凝らす。「私は家のなかで持ち歩くバスケットを1つに決めていて、置き場所がわからなくなったものは一度すべてそこに入れます。そして集まったものは先延ばしすることなく、その日のうちにあるべき場所に片付けるんです」

2. 領収書や紙袋を“念のため”に保管しない

「いつかまた必要になるかもしれない」という不安から、私たちは多くの物を溜め込む。そのほとんどが不要な物で散らかる原因となりがちだ。さまざまな物を“念のため”手元に置いておく癖がついている人は少なくないだろう。紙袋、レシート、スペアボタン、家具に付属していた予備の部品など……、数カ月ときには数年間も保管され、結局は一度も使わずに捨てられる。

マルティネスとイグレシアスは、返品・交換期限を過ぎた商品の箱や紙袋は保管しないこと、余ったボタンや工具は特別な場合や家具の解体に不可欠なケースを除いて、すぐに処分することを提案。また領収書は、交換・返品や必要もしくは経費精算で提出が必要な際にのみ保管することを推奨する。「領収書の写真を撮ってパソコンのフォルダに保存し、定期的に整理をしています」とイグレシアス。マルティネスは、「物を減らすことが好きです。私を本当に幸せにしてくれる物のために、スペースを空けているのです」と述べる。

3. 毎朝寝室の換気をする

マルティネスは、毎朝ベッドメイキングをする前にまずは寝室を換気することを勧める。そこには、衛生上のメリットだけでない意味があるという。「目覚まし時計をスヌーズせず起き上がり、部屋の窓を開けて少なくとも10分間空気を循環させます。その時間を利用して歯磨きや身支度、ベッドメイキングをすることで1日が活動的になるはずです。自分の生活環境を整えるために朝の時間を費やしたという実感は、ささやかながらもかけがえのない達成感を与えてくれるでしょう」

4. 家に帰宅してから3つのルールを守る

マルティネスには、帰宅してから必ず実践する3つルールがあるという。1つ目は、鍵をいつでも見つけられる場所に置くこと。2つ目は、靴は靴箱にしまって玄関でスリッパに履き替えること。そして最後は、コートジャケットをすぐにクローゼットに片付けることだ。「小さなことですが、毎日の整理整頓に役立つ強力な習慣です。最初から散らからないようにすることで、後の時間の節約にもなります」

5. 夜のルーティンを作る

1日の終わりに数分かけて、今日使ったものを片付ける習慣を持つこと。マルティネスの場合には、ソファを元の場所に戻したり、テーブルの上を片付けたり、食器を洗ったり……次の日を迎えるための準備の時間だそう。「そうすることで、朝起きてすぐに頭が冴えて心身ともに安らぐ空間を作っておくことができます」と説明。イグレシアスも同様のルーティンを実践しており、さらに翌日の服を選ぶこと、仕事用のバッグを玄関に置いておくこと、スケジュールを確認しておくことも含まれるという。

6. 小さな物を処分する

「小物類の収納のコツは、たくさん持ちすぎないことです。ヘアゴムやリップクリームなど比較的安価な物は、ついつい必要以上に買ってしまいがちです」とイグレシアス。収納方法としては、バスルームの引き出しに小さな箱を、バッグには小さな袋を用意しておくことを推奨。常に小物をそのなかに片付けることで、同じ物を何度も買うことを避けられる。また整理整頓の土台として、洗面用具や電子機器などと小物をカテゴリーごとに分類し、それぞれに専用の巾着を用意することで、何時間もかけて物を探す手間や紛失によるストレスも軽減され便利だという。

Text: Ana Morales Adaptation: Nanami Kobayashi

From: VOGUE SPAIN

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