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観光客が“踏切前”で聖地巡礼…鎌倉市が3連休にとった対策に「他の観光地でも」「もはやイタチごっこ」

  • 2025.9.16
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出典元:photoAC(画像はイメージです)

美しい景観と鉄道が交差するロケーションは、時に多くの観光客を惹きつける魅力となります。しかしその一方で、訪問者が増えることによる混雑やマナーの悪化といった問題が発生するケースも少なくありません。

現在、人気アニメ作品の“聖地”として知られる江ノ電・鎌倉高校前駅前の踏切にて、外国人観光客を中心とした迷惑行為が相次ぎ深刻な問題となっています。

こうした問題を受け、鎌倉市は江ノ電・鎌倉高校前駅周辺において「秩序維持のための実証実験」を実施しました。

市が観光客の行動に対する対策として、撮影エリアの設置や市職員による誘導などの施策を開始したことが注目を集めています。

はたして、世の中の人はこの取り組みに対してどのような反応を示しているのでしょうか?

詳しくご紹介します。

鎌倉市が「秩序維持のための実証実験」を開始

鎌倉市が、2025年9月13日(土曜日)から16日(火曜日)の4日間、午前9時から夕方16時にかけ、江ノ電・鎌倉高校前駅周辺において「秩序維持のための実証実験」を実施しました。

市の公式発表によれば、同駅周辺では、観光客の混雑や不法投棄、道路上での撮影といったマナー違反が深刻化しており、これまでもさまざまな啓発活動が行われてきましたが、改善には至っていなかったとのことです。

今回の実証実験では、駅から徒歩圏内にある腰越ラッコ公園に「撮影エリア」を設け、観光客を安全な場所へ誘導。さらに、ごみステーションの設置や私有地への立ち入り禁止の呼びかけ、市職員による案内活動などが実施されました。市は、公式SNS(@kamakura_kankou)などでも情報を発信し、来訪者に対して秩序ある観光の重要性を訴えました。

周辺の人流整序化のための観光客の誘導

・鎌倉高校前駅から最寄りの腰越ラッコ公園に撮影エリアを設置し、撮影目的の観光客を誘導し、道路上での撮影を防止します。
・鎌倉高校前駅周辺への駐停車防止を呼びかけます。
・腰越ラッコ公園に、ごみステーションを設置します。
・近隣の私有地への立ち入り禁止を呼びかけます。
・パークアンドライドの利用促進及び実証実験の実施を、市ホームページ、SNSにより発信します。
引用元:神奈川県鎌倉市 市民防災部観光課

この実証実験にあたり、市職員は1日あたり約12名体制で対応。周辺住民への影響を最小限に抑えるよう努めていたとのことです。

実証実験への称賛の声

聖地巡礼」などで注目されるスポットでは、訪問者が急増することにより安全面や地域生活に支障が出ることも少なくありません。そうした中で、自治体が具体的な対策を講じたことに対しては、多くの人が歓迎の声をあげていました。

  • 安全に楽しめる工夫がされて何よりです。
  • 踏切内の危険な行動が減るのは本当に安心。こうした実証実験は大事なんだと実感しました。
  • 風景を楽しみたい人、安全・マナーを守りたい人、それぞれ皆が気持ち良く訪れられる場所作りを市が積極的に作っていくことはすごく良いことだと思う。

また、こうした取り組みを全国の他の観光地でも導入してほしいという声や、常設化・制度化への期待も寄せられていました。

  • これ、他の観光スポットでも導入してほしいな。
  • 観光と地域生活が両立できるような、"理想の形”を全国にも広げてほしいです。

このように、安全と景観の両立を図った取り組みに対する評価は高く、観光客・住民双方に配慮した行政の対応が支持を得ているようです。

実証実験に対しての疑問や課題の指摘も

一方で、こうした取り組みに対して「その場しのぎでは?」という懐疑的な声や、持続性・費用対効果を懸念する声も上がっています。

  • 撮影スポットを導入したとしても、アニメの画角そのまんまじゃなきゃダメって人は絶対にいる。
  • 職員がいる間だけ効果があっても、また元通りになるのでは?
  • 職員12人の人件費は誰が払うの?
  • この体制を毎日やるのは難しいと思う。
  • もはやイタチごっこでは。

また、「住民が望んでいない映えスポット化」や「そもそも観光地としての整備が不十分」といった批判もあり、観光振興と地域保全のバランスをどうとるかという課題も浮き彫りになっています。

  • 柵に「撮影禁止」って看板を並べればいいだけでは?
  • 今後、漫画や映画などのモデルになった地域で観光公害が起きた場合、どういった対応をするつもりなのか。

今後は、こうした意見にも耳を傾けながら、より持続的で現実的な対策へとつなげていくことが求められそうです。

外国人観光客のマナーに対する課題感

投稿の中には、外国人観光客のマナーに関する懸念を示す声もありました。公共の場での振る舞いについては国籍を問わず共通の課題といえるでしょう。

  • 踏切前で写真を撮る人など、危険行為をする外国人が目立つ。
  • 外国人観光客の聖地巡礼のマナーの悪さはどうにかしてほしい。

観光客が「聖地」を訪れる背景には、日本のアニメ文化の影響があることは明白ですが、だからこそ訪れる側にも相応のマナーが求められる場面が増えているといえます。

観光地では、安全とマナーに配慮した行動を

今回の実証実験を通じて、「人気スポットを安全に楽しむためには、訪れる側の配慮と、行政の努力の両立が不可欠である」という課題が浮き彫りになりました。

風景やロケ地を写真に収めたい気持ちは多くの人に共通していますが、その背景には日常を営む人々が存在しているという事実を忘れてはなりません。

市の対応に「評価する」「他でも導入してほしい」という声が多かった一方で、「その場しのぎでは?」という疑問や「継続性への不安」といった指摘も数多くありました。

今回の実証実験を通して、迷惑行為から地元住民をどのように守っていくのか、行政の今後の施策に注目が集まります。


出典:鎌倉市「鎌倉高校前駅周辺における秩序維持のための実証実験」(https://www.city.kamakura.kanagawa.jp/kankou/kamakou2025.html


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