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「許さない…」自分の駐車場に無断駐車→警察に相談しても動かない?利用者が“やってはいけないNG行動”

  • 2026.3.14
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出典元:photoAC(画像はイメージです)

毎月お金を払って契約している駐車場。いざ車を停めようとしたら、見知らぬ車が無断で駐車されていた…。そんなトラブルに遭遇したら、あなたはどうしますか?

「すぐに警察を呼ぶべき?」「張り紙で警告してもいいの?」など、対応に迷う人も多いでしょう。しかし、腹立たしさのあまり独自の判断で行動すると、かえって法的トラブルに発展してしまう可能性もあります。

そこで今回は、無断駐車にまつわる法的責任や相談先の順番、さらに「やってはいけないNG行動」について、弁護士の寺林智栄さんに詳しく聞きました。

無断駐車は単なるマナー違反?問われる法的責任とは

---契約している駐車場に他人が勝手に車を停める行為は、法律上どのような問題になるのでしょうか?単なるマナー違反で済まされてしまうのでしょうか?

寺林智栄さん:

「借りている駐車場に第三者が無断で車を停める行為は、法律上いくつかの観点から問題となる可能性があります。まず、民事上は、駐車場の利用権を持つ契約者の権利を侵害する行為として、不法行為(民法709条)に該当する可能性があります。本来その場所を利用できるはずの契約者が駐車できなくなった場合、精神的苦痛や実害(近隣のコインパーキング代など)が発生すれば、損害賠償請求の対象となり得ます。

また、土地の使用権を不当に侵害する行為として、いわゆる「不法占拠」に近い状態と評価されることもあります。もっとも、短時間の無断駐車が直ちに刑事事件として処罰されるケースは多くありません。刑法上の犯罪としては、住居侵入罪(刑法130条)などが問題となる余地が議論されることはありますが、一般的な屋外駐車場の場合には直ちに適用されるとは限らず、実務上は民事上のトラブルとして処理されることが多いのが実情です。

このように、無断駐車は単なるマナー違反ではなく、他人の使用権を侵害する行為として法的責任が問われる可能性があります。ただし、具体的な責任の有無や損害賠償の範囲は、駐車時間、被害の程度、注意表示の有無など、個別の事情によって判断されることになります。」

無断駐車を発見!まず誰に相談するべき?

---もし自分の駐車場に無断駐車されているのを発見した場合、警察を呼ぶべきでしょうか?それとも別の相談先があるのでしょうか?

寺林智栄さん:

「自分が契約している駐車場に無断駐車されていた場合、まず確認すべき相談先は駐車場の管理会社や土地の所有者(管理者)です。多くの月極駐車場では、管理会社が契約者対応やトラブル処理を担っており、無断駐車が発生した場合も管理者側から警告文の掲示や車両への注意書きの貼付、所有者への連絡などの対応を行うことがあります。契約内容によっては、管理会社が対応方針を定めていることもあるため、まず管理者に連絡するのが実務上は最も一般的です。

次に、状況によっては警察に相談することも考えられます。ただし、無断駐車は基本的に民事上のトラブルと扱われることが多く、警察が直ちに強制的な排除を行うケースは多くありません。それでも、長時間にわたり駐車されている場合や、トラブルの拡大が懸念される場合には、警察が所有者に連絡を試みたり、注意を促したりすることがあります。

実務上は、車両のナンバーや駐車状況を写真で記録したうえで、管理会社を通じて警告文を貼るなどの対応が取られるケースが多く見られます。繰り返し無断駐車が行われる場合には、損害賠償請求や内容証明による警告など、民事的手段が検討されることもあります。このように、まずは管理者を通じて穏当な方法で解決を図り、必要に応じて警察への相談や法的手段を検討するという流れが一般的です。」

要注意!自分でやってはいけない「NGな対抗措置」

---腹が立って、自分で車を移動させたり、タイヤロックをかけたりしたくなりますが、こうした行動をとってもよいのでしょうか?

寺林智栄さん:

「無断駐車に困った場合でも、利用者が独自の判断で強い措置を取ると、かえって法的トラブルに発展する可能性があるため注意が必要です。特に問題となりやすいのが、車を勝手に移動させる行為です。他人の車両を無断で動かすと、状況によっては車両を傷つけてしまうおそれがあり、その場合は損害賠償責任を負う可能性があります。また、場所や態様によっては、他人の占有物を侵害したとしてトラブルになることも考えられます。

次に、タイヤロックを無断で取り付ける行為も注意が必要です。無断駐車への対抗措置として行いたくなるところですが、車両の使用を物理的に妨げる行為は、場合によっては行き過ぎた自力救済と評価される可能性があります。日本の法制度では、権利を侵害された場合でも、原則として裁判手続などによって解決を図るべきとされており、当事者が強制的に実力行使を行うことには慎重な判断が求められます。

一方で、張り紙による注意喚起は比較的穏当な方法といえますが、その内容や方法には配慮が必要です。過度に攻撃的な表現は名誉毀損などの問題につながるおそれがあります。また、粘着力の強いテープで貼るなどして車両を傷つけてしまうと、別のトラブルに発展する可能性もあります。

このように、無断駐車に対して利用者が強い措置を取ると、かえって責任を問われる可能性もあります。まずは管理会社や土地所有者に相談し、記録を残しながら穏当な方法で対応することが重要です。」

記録を残して管理者へ相談を!正しい知識が身を守る

無断駐車に遭遇すると、つい自分で強い対抗措置を取りたくなるかもしれません。しかし、車を勝手に移動させたり、タイヤロックをかけたり、過激な張り紙をしたりすると、かえって損害賠償などの責任を問われる可能性もあります。

トラブルに遭遇した際は、車両のナンバーや駐車状況を写真で記録し、まずは管理会社や土地の所有者に相談することが重要です。

無断駐車への対応は、感情的に動くのではなく、冷静に手順を踏むことがトラブル回避につながるといえるでしょう。


監修者:寺林智栄
2007年弁護士登録。札幌弁護士会。てらばやし法律事務所。2013年頃よりネット上で法律記事の執筆・監修を開始。Yahoo!トピックスで複数回1位獲得。読む方にとってわかりやすい解説を心がけています。


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