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外国人カメラマンから呼び掛けられる…!海外でも“注目度大な話題作”にも主演、さらなる活躍が期待される“大人気女優”

  • 2025.8.18

2025年9月に、2本の出演映画が公開予定の広瀬すず。9月5日公開の『遠い山なみの光』では主演を務め、9月19日公開の『宝島』でも主要人物を演じている。2012年にモデルデビューし、2013年から俳優活動をスタートした広瀬は、これまで数多くの映画やTVドラマに出演し、演技の幅を広げてきた。大作2本の公開に期待が高まる中、彼女の印象的な出演作を振り返ってみたい。

2013年、TVドラマ『幽かな彼女』を皮切りに、演技の道を歩み始めた広瀬。デビュー年はさらに、『TAKE FIVE~俺たちは愛を盗めるか~』と『激流~私を憶えていますか?~』という2本のTVドラマと、映画『謝罪の王様』にも出演し、好スタートを切った。

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広瀬すず (C)SANKEI

運命を感じた映画『海街diary』

最初に筆者が彼女に注目したのは、2015年に公開された『海街diary』。吉田秋生の同名漫画の映画化で、是枝裕和監督による本作は、第68回カンヌ国際映画祭コンペティション部門に出品され、第39回日本アカデミー賞で最優秀作品賞を受賞した話題作だ。

鎌倉を舞台に、四姉妹を中心に描く『海街diary』で広瀬は、自分たちは三姉妹だと思っていた綾瀬はるか、長澤まさみ、夏帆が演じる姉たちと一緒に暮らすことになった腹違いの妹の「すず」というキャラクターに扮した。すずという芸名と、本作の役名が同じなのは偶然だったそうだが、運命を感じずにはいられない。すずは複雑な背景を持つ役柄だが、広瀬の演技は非常に瑞々しく、10年経ってもずっと忘れられない強い印象を残した。

引用元:樹木希林、「海街diary」のポイントは「広瀬すずに出会ったこと」 是枝監督も同調|映画.com

コミカルな演技からシリアスな熱演まで幅を広げる広瀬すず

2016年から実写映像化され、現在もTVドラマが放送されている『ちはやふる』シリーズ。広瀬は映画3部作に主演したが、競技かるたでクイーンを目指す主人公・千早役を快演しており、観ていて清々しい気持ちになった。

対戦中は、周囲の音や声が耳に入らないほど勝負に集中する千早は、試合が終わった途端に爆睡してしまう。そんなコミカルな演技も披露した広瀬だが、2016年公開の映画『怒り』や、2017年公開の『三度目の殺人』といった重い内容の映画では、一転してシリアスな熱演を繰り広げた。このあたりから、どんどん演技の幅を広げていった印象だ。

第100作の朝ドラ『なつぞら』に主演

TVドラマでも、坂元裕二オリジナル脚本の『Mother』(2010年)、『Woman』(2013年)に続く3作目『anone』(2018年)に主演した広瀬は、児童養護施設出身で、ネットカフェ暮らしをする主人公を絶妙に演じて注目を集めた。SNSでは「短髪でボソボソ話す広瀬すずの演技が好きだった」というコメントが見られ、本作以前のイメージを大きく覆した。

その後、2019年度前期のNHK連続テレビ小説『なつぞら』の主演に抜擢された広瀬。本作は、記念すべき朝ドラ第100作。名実ともにトップ俳優の仲間入りを果たした印象で、草創期の日本アニメーションの世界でアニメーターを目指す主人公・なつを好演した。

近年のTVドラマでは、『夕暮れに、手をつなぐ』(2023年)と『クジャクのダンス、誰が見た?』(2025年)が大きな注目を集め、SNSには前者について「自然な演技に引き込まれた」、後者については「シリアスな雰囲気も良いよなぁ」などのコメントが見られた。

等身大の姿も魅力的

TVドラマと映画の両方で、観る者を釘付けにし続けている広瀬。映画に話を戻すと、松坂桃李、横浜流星と共演した『流浪の月』(2022年)で演じた、複雑な幼少期を過ごして大人になったヒロイン・更紗役での静かなる熱演や、木戸大聖、岡田将生と共演した『ゆきてかへらぬ』(2025年)での、情熱的で激しい感情をあらわにするヒロイン・泰子を表現する際の怪演と言ってもいいくらいの演技は、観客の心を掴んで離さないのではないかと感じた。

個人的にすごく好きなのは、仲野太賀と共演した『アット・ザ・ベンチ』(2024年)。ベンチに座って仲野と会話しているだけの芝居なのだが、等身大の広瀬の魅力が感じられて、いつまでも観ていられると思った。

広瀬の演技について、SNSをチェックしてみると、「細かな目線だけで全部伝えてくるから尊敬しかない」「感情表現が豊かで観ている人を惹きつける力がある」といったコメントが見つかり、観客は広瀬の目線や豊かな感情表現に引き込まれていることを実感した。

今後も話題作が目白押し

そんな広瀬が主演している映画『遠い山なみの光』は、ノーベル文学賞受賞作家カズオ・イシグロの長編小説デビュー作の映画化で、『ある男』の石川慶監督作。第78回カンヌ国際映画祭「ある視点」部門に出品され、広瀬は『海街diary』に続いて2度目のカンヌ国際映画祭への参加となった。会場のフォトコールでは、外国人カメラマンたちから「すず!」と呼び掛けられているのが印象的だったが、『遠い山なみの光』は海外での注目度が高く、広瀬の知名度もさらに上がったに違いない。

戦後間もない長崎で夫・二郎(松下洸平)と暮らす妊娠中の妻・悦子に扮している広瀬。やがて、悦子はイギリスに渡り、イギリス人の夫との間に娘をもうけるが、彼女に何があったのか……? 難役に挑戦する広瀬の演技は必見だ。

上映時間191分という長尺の、大友啓史監督による沖縄が舞台の大作映画『宝島』では、妻夫木聡、永山瑛太、窪田正孝らと共演し、重要なキャラクターであるヤマコを熱演している広瀬。常に「演技の幅すごい」といった声がSNSに上がる彼女の、また一段階、幅を広げた名演技が観られる作品に仕上がっている。

2026年には、度々共演している横浜流星とW主演する『汝、星のごとく』の公開も予定されており、今後の広瀬の活躍からも目が離せない。


ライター:清水久美子(Kumiko Shimizu)
海外ドラマ・映画・音楽について取材・執筆。日本のドラマ・韓国ドラマも守備範囲。朝ドラは長年見続けています。声優をリスペクトしており、吹替やアニメ作品もできる限りチェック。特撮出身俳優のその後を見守り、松坂桃李さんはデビュー時に取材して以来、応援し続けています。
X(旧Twitter):@KumikoShimizuWP