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原作ファンをも唸らせる『キングダム』実写版 “本物”を追求した圧巻シーンと表情の使い分けで魅せる“緻密な演技力”

  • 2025.8.8
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映画「キングダム 大将軍の帰還」の大ヒット御礼舞台あいさつに登壇した左から俳優の山﨑賢人、吉沢亮 (C)SANKEI

先日、映画『キングダム』のシリーズ5作目が2026年夏に公開されることが発表された。さらにティザー映像も公開され、新作へのファンの期待は高まっている。

『キングダム』は原泰久の同名漫画が原作。舞台は中国・春秋戦国時代。天下の大将軍を目指す信(山﨑賢人)と中華統一を志す王・嬴政の物語だ。実写不可能と言われていたが、その前評判を吹き飛ばし人気シリーズとなっている。

そんな映画『キングダム』の魅力について改めて考えてみたい。

圧巻の戦闘シーン

『キングダム』ではメインとなる戦のシーン。ここが嘘っぽいと途端に迫力がダウンするが、終始圧倒されっぱなしだ。実際に中国ロケも行われているそうで、「本物」を追求した結果と言えるだろう。

手に汗握る戦闘シーンも大迫力。何より、キャストたちの身体能力には驚かされるばかりだ。

映画館で観るのも良いが、キャスト陣がどのような動きをしているのかチェックするべく、配信などでじっくり鑑賞してみるのも良さそうだ。

“信”山﨑賢人の天真爛漫さ

下僕でありながら、天下の大将軍を目指す信。何も知らないからこそ、「大将軍になる!」という無邪気さ、天真爛漫さがある。

この無邪気さこそが少年漫画の主人公としての魅力になっているが、実は彼はまだ10代半ばという設定。山﨑賢人は現在30歳なので、撮影時は20代だったわけだが、それでもしっかりと大人である。

が、作中では本当に「少年」に見えるのだからすごい。王騎将軍(大沢たかお)から「童 信」と呼ばれても違和感がない。演技力の賜物であるのは間違いないだろうが、大きいのは表情の作り方のように思う。子どもは感情の起伏が激しいが、それを表情のトーンで演じ分けている。

映画『キングダム』が原作のどの程度までを描くかは分からないが、成長した信と物語の始まりあたりの信を見比べてみるのもおもしろいかもしれない。

“嬴政”吉沢亮の覚醒

シリーズ3作目『キングダム 運命の炎』では嬴政の過去が描かれた。

少年時代、趙国で暴力を受け、身も心も荒んでいた嬴政。そんな嬴政の心を救ったのが、彼を趙国から逃がすように依頼された闇商人の紫夏(杏)だった。嬴政を命がけで守った紫夏。そんな姿に触れた嬴政の心に火が灯る。そこから王となるために覚醒していくさまは苛烈でありながら自然。目に光が灯るという演技のパワーを感じさせられる。

また、心が荒んだ状態の嬴政と、大王である嬴政ではまとう空気さえも違う。ここでも目の演技がすさまじい。それでいて常に高貴さをにじませているのはどんなマジックなのか。

ちなみに、嬴政も少年と言える年齢なのでその点においても唸らされるばかりだ。

キャラクターたちの個性

登場人物が増えてくると、どうしても次第に混乱してくる。似たような音の名前も多い。音を聞いても漢字がパッと思い浮かばないと判別できないこともあるが、それぞれが個性的すぎるのですぐに顔と名前が一致する。

豪華俳優陣というのもあるだろうが、原作から際立つキャラクターたちを俳優陣の個性が上乗せされている部分が大きい。観ている側にそれぞれ推しキャラクターが出てくるのも観ていておもしろくなる要因のひとつではないだろうか。

期待高まるシリーズ第5作

王騎将軍から矛を託された信が新作映画ではどのような活躍を見せるのか。原作を知っている人でも、実写ならではの描き方で楽しみも増すはず。また、強烈なキャラクターであった王騎が作中で亡くなったことにより、今後、同じぐらいインパクトのある人物が出てくるかも注目したいところだ。

物語自体、「喪失感」も大きかった第4作。そこから繋がる第5作ではまた新たな希望が感じられるものになることを期待したい。


※記事は執筆時点の情報です



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