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「本当にNHK制作なの…?」「何度も叫びそうになった」“度肝を抜く作品力”に視聴者絶句…「バケモノ級に凄い映画」大絶賛の傑作

  • 2025.8.24

映画の中には、正義の名のもとに行使される権力が、果たして本当に正しいのか――そんな問いを突きつける作品があります。今回は、そんな中から"司法の闇と戦う社会派ミステリー作品"を5本セレクトしました。本記事ではその第2弾として、映画『正義の行方』(東風)をご紹介します。1992年に起きた“飯塚事件”をもとに、“正義とは何か”を問いかけるドキュメンタリー映画です。

※本記事は、筆者個人の感想をもとに作品選定・制作された記事です
※一部、ストーリーや役柄に関するネタバレを含みます

あらすじ

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※Google Geminiにて作成(イメージ)
  • 作品名(配給):映画『正義の行方』(東風)
  • 公開日:2024年4月27日

1992年、福岡県飯塚市で2人の女児が殺害される事件が発生しました。

DNA型鑑定などにより、故・久間三千年さんが犯人とされ、2008年に死刑が執行されました。しかし、その後、冤罪を訴える再審請求が提起され、事件の余波はいまも続いています。

本作は、弁護士、警察、新聞記者といった立場の異なる当事者たちが、それぞれの視点から語る真実と正義を突き合わせながら、事件の全体像を多角的に描き出したドキュメンタリー映画です。

“30年経っても消えない謎” 今、改めて問われる真実

1992年、福岡県飯塚市で2人の女児が殺害された“飯塚事件”は、いまなお多くの謎に包まれています。その全体像を多角的に捉えたNHKのドキュメンタリー正義の行方~飯塚事件 30年後の迷宮~』は、3部構成のBS1スペシャルとして放送され、令和4年度文化庁芸術祭テレビ・ドキュメンタリー部門大賞を受賞しました。

この番組をもとに劇場版として再構成されたのが映画『正義の行方』です。メガホンを取ったのは、NHKスペシャル〈こども・輝け いのち〉シリーズ第1集『父ちゃん母ちゃん、生きるんや~大阪・西成 こどもの里~』で平成15年度文化庁芸術祭優秀賞ギャラクシー賞特別賞を受賞し、映画『“樹木希林”を生きる』でも注目を集めた木寺一孝監督です。

本作には、飯塚事件に関わる三つの立場の人々が登場します。当時の捜査を担当した刑事たち、有罪判決に疑問を抱き冤罪を訴える弁護団、そして事件発生時から報道に携わってきた地元新聞社の記者たちです。さらに、久間三千年元死刑囚の妻も重要な証言者として複数回インタビューに応じています。

立場の異なる人々が語る“正義”と“真実”が重なり合い、この事件の複雑な全体像が浮かび上がっていきます。

異例の死刑執行が投げかける司法制度への不信

1992年、福岡県飯塚市で2人の女児が殺害される痛ましい事件が発生しました。捜査の結果、DNA型鑑定や目撃証言を根拠に久間三千年さんが犯人と断定され、2006年に最高裁で死刑が確定、2008年に福岡拘置所で死刑が執行されました。

この事件には数多くの不可解な点があります。まず、死刑の執行が“異例の早さ”で行われたことです。判決確定からわずか約2年という短期間での執行は、日本の死刑制度においても特異なケースでした。

さらに、決め手とされたDNA型鑑定についても、専門家の意見をもとにその証拠価値を疑問視。弁護団は、警察による誘導尋問見込み捜査があったのではないか、また科学警察研究所科警研)によるDNA型鑑定に改ざん捏造の疑いがあるのではないかと主張しています。

捜査過程にも疑問が残ります。“アイコちゃん事件”と呼ばれる、飯塚事件の約3年前に同じ小学校で起きた女児行方不明事件との関連性が指摘され、当時、久間元死刑囚の関与が疑われていました。この事件をめぐっては、ある元刑事が久間さんの妻にアイコちゃんの着衣を見せた際、「やっぱりお父さんやったですか」という反応があったと証言したのに対し、妻本人は「服を見せられたことはなかった」と否定。両者の証言には食い違いが生じています。

最近の動きとしては、2024年2月、弁護団が新たな証拠を提出しました。2人の女児を最後に見たとされる目撃者が、当時の供述を覆したのです。
この事件は、「疑わしきは罰せず」ではなく「疑わしきは罰する」かのように進行したと指摘されており、日本の司法制度や死刑制度の根本的なあり方について、私たちに問いかけています。

それぞれの正義 ― 警察・弁護士・記者が語る3つの視点

この映画のテーマは「それぞれの正義を探る物語」です。

木寺監督は、警察・弁護士・記者という立場の異なる3者が抱く「正義」を、多角的に描くことを目指しました。黒澤明監督の『羅生門』のように、同じ事件を異なる視点から捉えることで、絶対的な真実ではなく相対的な真実を浮かび上がらせています。「誰を信じるか」、観客にその判断をゆだねたのです。

SNSでは、「検察側と被告側、どちらの主張にも共感する部分があって難しい」という声や、「いまだに真相がわからないままなのが本当に怖い」といった感想が寄せられています。

一方で、この挑戦的な手法は高く評価されており「一級品の映画」「今まで観たドキュメンタリー映画の中でもベストオブベスト「バケモノ級に凄い映画」といった称賛の声が相次いでいます。

また、弁護団の執念に心を打たれた人も多く、「真実を追い続ける弁護団の姿勢に胸を打たれた」といった声も聞かれます。「とにかく凄い映画「NHKがこんなものをつくったとは「本当にNHK制作なの…?」と驚きの声も広がり、ある観客は「何度も叫びそうになった」とその衝撃を表現しています。

正義とは何か。司法の役割とは何か。メディアのあり方とは──見終えたあと、その問いが心に残る名作です。


※記事は執筆時点の情報です