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医師「なるべく避けてください」→実は『免疫力低下』を招いている…夏にやりがちな“NG食生活”とは?【医師が解説】

  • 2025.8.1
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出典:photoAC(※画像はイメージです)

暑い夏は、つい冷たい飲み物や簡単に済ませられる食事に頼りがち。でも実は、それが免疫力を落としてしまう原因になっているかもしれません。夏バテや体調不良を感じる人が増えるのは「なぜこの時期なんだろう?」と疑問を持つ方も多いはず。

この記事では、医師が「なるべく避けてほしい」と伝える、免疫力低下につながる夏のNG食生活のポイントを詳しく解説。毎日を元気に過ごすための食習慣を見直しましょう!

夏の食習慣が免疫力を下げるワケ

夏は暑さで食欲が落ちたり、手軽に済ませたい気持ちが強くなったりして、食事が偏りがちになります。特に冷たい麺類やジュース、アイスなど冷えた食品で食事を済ませることが多く、これが免疫機能に悪影響を及ぼすことが指摘されています。

免疫機能は、栄養バランス、腸内環境、そして体温と深く関係しています。冷たい食べ物や飲み物をたくさん摂りすぎると、体が冷えて血流が悪くなり、胃腸に負担がかかります。そのせいで、免疫細胞がうまく働かなくなり、風邪を引きやすくなることもあります。

体温が1℃下がると免疫力は約30%も落ちると言われています。一方で、体温が1℃上がると免疫力が一時的に5~6倍も高くなることもあるとの報告もあります。これは、体が温まると血の流れが良くなり、免疫細胞が活発になるからです。だから、風邪を引いたときに体温が上がるのは、体が病気と戦おうとしているサインともいえます。

さらに、免疫細胞の約7割は腸に集まっています。腸は食べ物と一緒に入ってくる病原菌やウイルスから体を守る大切な役割をしています。腸内環境が整っていると免疫力がアップし、感染症を防ぎやすくなります。しかし、腸内環境が悪くなると免疫が弱まり、病気になりやすくなるのです。なので、腸内環境を悪くする糖質・飽和脂肪酸(肉類、油脂類、お菓子類)が多い食事や、冷たい飲食、体温が下がりすぎることは免疫にも関わってきます。

さらに夏の間は「さっぱり」「簡単」に偏るあまり、糖質や脂質ばかりが多くなり、野菜やたんぱく質の摂取が不足しやすくなります。特にたんぱく質は免疫細胞を作る材料となるため、足りないと免疫力の低下に直結します。

夏に多い『NG食生活』を具体的にチェック!

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出典:photoAC(※画像はイメージです)

医師が教える夏のNGな食生活は主に次のようなものです。

  • 冷たい飲み物や加工飲料の頻繁な摂取:体を冷やしすぎて血行不良に。特にジュースや清涼飲料水、アイスは糖質が多く含まれており、免疫力の低下を招く要因となることも。糖分は炎症の引き金や増悪の原因にもなります。
  • 炭水化物に偏った食事:麺類やご飯ばかりでたんぱく質やビタミン、ミネラルが不足しがち。免疫細胞の材料不足に繋がります。
  • スナック菓子やインスタント食品の多用:添加物や塩分、脂質が多く、腸内環境を悪化させ免疫力を弱めます。

逆に、夏こそしっかり温かい食事や栄養バランスの良い食事を心がけることが大切。例えば、冷やしすぎない常温か少し温かい飲み物、食材の彩りを意識した野菜たっぷりのメニュー、良質なたんぱく質の摂取がポイントになります。

冷たい食品の過剰摂取が体温低下と血流悪化につながり、免疫細胞の働きが鈍化することも明らかになっています。また腸内の善玉菌は食生活の影響を大きく受けるため、加工食品より発酵食品や食物繊維を多く含む食品が推奨されています。

元気に夏を乗り切るための食事ポイントまとめ

夏場は特に、食生活の偏りが免疫力に大きく影響します。冷たい飲み物や食事、添加物の多い食品の摂り過ぎはできるだけ控えましょう。代わりに、体を冷やし過ぎない飲み物選びや、たんぱく質・ビタミン豊富な食材をバランス良く食べることが免疫力アップにつながります。

腸内環境を整え、しっかり栄養を吸収できる体づくりは、暑さで疲れやすい夏こそ意識したいもの。いつもより少し丁寧に食事を選び、規則正しいリズムで食べることで、夏バテ対策と免疫力維持につなげていきましょう。


池袋ふくろう消化器内科・内視鏡クリニック 東京豊島院 院長:柏木 宏幸

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埼玉医科大学医学部卒業。東京女子医科大学消化器内科にて助教として勤務。複数の医療機関で臨床経験を重ね、2023年に現クリニックを開院。胃がん・大腸がんの早期発見と内視鏡検査の普及を目指し、企業や地域住民を対象とした健康診断や生活習慣病の治療をはじめ、一般内科および消化器疾患の診療に幅広く取り組んでいる。また、クリニックのYouTube(https://www.youtube.com/@HKa-wb4jw)を通じて医療知識や内視鏡検査の重要性を発信し、医療情報の普及活動にも尽力中。

池袋ふくろう消化器内科・内視鏡クリニック東京豊島院:https://www.ikebukuro-cl.com