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25年前、世界中が拳を突き上げた“超肯定ソング” 筋肉芸人を動かした“自分を生きる歌”

  • 2025.7.20

「25年前の今頃、あなたは何を叫んでいただろう?」

2000年という年は、20世紀と21世紀の狭間で、世の中に一種の“節目”ムードが漂っていた。ITバブルの光と影が混ざり合い、携帯電話やインターネットが一般化し始めていた。そんな“新時代”の到来に、人々は不安と期待を抱えていた。

そんな時代に鳴り響いたのが、アメリカのロックバンド・Bon Joviの曲だった。

Bon Jovi『It’s My Life』(作詞・作曲:Jon Bon Jovi、Richie Sambora、Max Martin)ーー2000年5月8日リリース。

世界中で爆発的なヒットを記録したこの1曲は、“言葉がわからなくても魂に届く”、そんな力を持っていた。

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Bon JoviのJon Bon Jovi(C)SANKEI

全世代の心を打ち抜いた“もう一度やってやる”

『It’s My Life』は、Bon Joviにとって7枚目のスタジオ・アルバム『Crush』からの先行シングル。この曲が発表されたとき、Bon Joviはすでに1980年代から続くキャリアを持つ、言わば“ベテランバンド”の領域に入ってきていた。

だがこの曲は、そんな彼らのイメージを軽々と飛び越えた。強烈なイントロのトーキング・ボックス、ストレートなギターリフ、そしてサビで一気に爆発するメロディ。

それは、20代の若者だけでなく、「もう一度やってやる」と思っていた全世代の心を打ち抜いた。

特に印象的なのがサビの一節「It’s my life. It’s now or never.」。たったこれだけの英語で、人生のすべてを語り尽くしてしまうような、潔いパワー。「now or never=やるなら今しかない」と感じさせるエネルギーが、言語の壁を超えてリスナーの心を燃やした。

ロックバンドの“再生”を世界が目撃した

当時、Bon Joviは音楽シーンの中心からはやや距離を置かれていた。グランジ、ヒップホップ、R&Bが台頭し、1980年代型のロックは「古い」とも見られていた時代。

だが『It’s My Life』は、その潮流をぶち壊すように、世界中で大ヒットを記録。

「年齢なんて関係ない。人生を賭けて何かをやる時は、今だ」

そんなメッセージが、再びBon Joviを第一線へと押し上げた。

アメリカ本国のみならず、ヨーロッパ各国やアジアでもチャートを席巻。日本でも多数の音楽番組やCMに使用され、「洋楽なのに、みんな口ずさんでた」という異例の現象を巻き起こした。

“ネタ”を超えたリスペクトが、曲の命を延ばした

そしてこの楽曲は、近年になってまさかの再注目を浴びる。きっかけは、筋肉芸人・なかやまきんに君による全力ギャグ。

「パワー!」の叫びとともに『It’s My Life』を流すーーそのスタイルがSNSで人気を集め、テレビでも話題に。

一見すると“笑えるネタ”のBGMに聞こえるかもしれない。だが、その裏にあるのは、筋肉と芸人魂で「自分の人生を貫いてきた男」のリアルな生き様だった。

きんに君は、2022年にアメリカで行われたボディビルの大会「マッスルビーチインターナショナルクラシック」の40歳以上のクラスで優勝した際にも『It’s My Life』を使用していた。まさに「It’s my life. It’s now or never.」を体現してきたのだ。

そして2025年5月。きんに君は、Bon Jovi本人たちから「Bon Jovi公式アンバサダー」に任命されるという衝撃の展開に至る。公式の場で認められたのは、単なるネタではなく、人生に対する誠実な姿勢が、楽曲の本質と完全に重なったからこそだった。

なぜこの“超肯定ソング”は時代を超えて愛されるのか?

『It’s My Life』は、いわゆる“懐かしの洋楽”では終わらない。

どの時代にも「自分らしく生きる勇気」が求められる瞬間がある。

そのたびに、この曲は繰り返し立ち上がり、誰かの背中を押してきた。

2000年の若者を励まし、2020年代には芸人の全力ギャグに力を貸し、そして今、「人生の主役は自分だ」という言葉が再び必要とされている時代に、この曲はもう一度、光を放っている。

だからこそ、25年経ってもなお、ただの名曲で終わらず“現役”であり続けている。


※この記事は執筆時点の情報に基づいています。