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「血圧が急上昇!?」更年期に急増する高血圧。女性ホルモンと生活習慣はどう影響する?【医師解説】

  • 2025.6.12

40代に受けた健康診断で初めての高血圧診断にびっくり……という経験はありませんか。「特に生活習慣が変わったというわけではないのになぜ?」と不思議に思う人も多いかもしれません。原因がわからないと更年期だからかなと済ませてしまうことも多いですが、それ以外にも原因があると産婦人科医の駒形依子先生は言います。その原因とはなんなのでしょうか。

親が高血圧なら子も高血圧

更年期に入ると高血圧と診断される人は多いものの、すべての女性が前より血圧が高くなるわけではないと駒形先生は言います。

「高血圧は、それまでの生活習慣が主な原因になります。味の濃いものを好む、間食が多い、寝る前にものを食べるといった食習慣を子どものころから続けていることが、高血圧やその他の生活習慣病を引き起こす主な要因の1つとされています。食事以外にも運動不足や夜型の生活による睡眠不足なども原因となります」(駒形先生)

ただ、厚生労働省の調査※によれば、女性の高血圧の有病率は30代では3.4%であるのに対し、40代では11.8%、50代では26.3%と急増します。なぜ更年期になると急増するのでしょう。

※令和元年国民健康・栄養調査

女性ホルモンのサポートがないことで悪化

もともとの生活習慣が高血圧の原因ですが、それを助長し、悪化させるのが女性ホルモンの低下だと、駒形先生は言います。

「卵巣から分泌される女性ホルモンであるエストロゲンには、血管をしなやかにして拡張させる働きがあります。それまでは、不適切な生活習慣を続けていてもエストロゲンのサポートがあったのでなんとか持ちこたえていても、更年期に入ってエストロゲンの分泌が減少すると、血管の柔軟性が低下して、血圧上昇を抑えられなくなるのです。

また、血圧のコントロールをしている自律神経が、女性ホルモンのバランスの乱れの影響を受けて、うまく機能しなくなることも原因です。ただ、それまで正しい生活習慣を続けていれば、女性ホルモンが低下してもすぐに高血圧になることは少ないです。大切なのは生活習慣です」(駒形先生)

それまでの自分のおこないが更年期に結果として体に表れるということのようです。

ホルモン補充療法を受けている人は注意

また、ピルやホルモン補充療法を受けている人も、高血圧になることがあると駒形先生は言います。

「ピルやホルモン補充療法をおこなっている人の中で、高血圧の副作用が出る方がいます。サプリメントが原因になることもあります。そのときは、原因と考えられるピルやホルモン補充療法、サプリメントなどを一時的に中断して血圧の様子を見ていきます。婦人科では、まず原因の特定と薬などの中止を検討しますが、高血圧自体の治療が必要な場合は、内科を受診していただくことになります。

健康診断で高血圧という結果が出た場合には、血圧を毎日測る習慣をつけると良いでしょう。日中は、基本的に血圧が高く出ます。起床後すぐと寝る前の1日2回測って、その記録を受診時に持参すれば、医師が診断しやすくなり、より適切な治療が受けやすくなります」(駒形先生)

まとめ

私も48歳のときに初めて健康診断で高血圧という結果を受けました。更年期だから……と思っていましたが、それまでの生活習慣が原因と知ってショック。これを機に、食生活をはじめとする生活習慣を見直そうと決意しました。血圧計も買ったほうが良いのかと検討中です!

※記事の内容は公開当時の情報であり、現在と異なる場合があります。

※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。

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取材・文/mido

ライター歴25年以上。35歳で第1子、38歳で第2子出産。最近、たるみが加速して二重顎が悪化。身長153㎝なのにLサイズの服が少しきつくなってきて……人生最後のダイエットを計画中。


監修者:医師 こまがた医院院長 駒形依子 先生

東京女子医科大学医学部卒業。米沢市立病院入職後、再び東京女子医科大学に戻り、専門医を取得。同大学産婦人科に入局し産婦人科医として働きつつ、性科学を学び、また東京女子医科大学東洋医学研究所で東洋医学を学ぶ。2019年1月に地元山形県米沢市にて、こまがた医院を開業。著書に『子宮内膜症は自分で治せる(マキノ出版)』『膣の女子力~女医が教える「人には聞けない不調」の治し方(KADOKAWA)』。

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