「日本映画の到達点」「映画史に残る名作」主演俳優の“ずば抜けた怪演”に騒然…“タイトルの意味”に考察広がる衝撃作

2025.6.18

最後は誰も救われない…。まさにこの映画『空白』がその映画。ストーリーの内容も“後悔”がキーワードになりますが、この映画を観たこと自体、後悔に繋がるかもしれません。家族だからこそ抱く特別な感情が、多くの人を巻き込み、「全員被害者・全員加害者」を作り出す。現代社会がはらんだ危険を、まざまざと見せつけられます。

今回は、“家族をテーマにした後味の悪い作品”5選をセレクトしました。
本記事では第2弾として映画『空白』をご紹介！

※本記事は、筆者個人の感想をもとに作品選定・制作された記事です。
※一部、ストーリーや役柄に関するネタバレを含みます。

登場人物全員が被害者であり加害者…

作品名：映画『空白』
公開日：2021年9月23日

あらすじ

ある日、女子中学生・花音（伊東蒼）が、スーパーで万引きをします。その瞬間を青柳店長（松坂桃李）に見つかり、逃げる花音と追いかける店長。追い詰められた先で、花音は事故に巻き込まれ命を落としてしまいます。「娘が万引きをするはずがない」と怒りを抱いた花音の父・添田（古田新太）は、店長をはじめ、学校やマスコミなど多くを巻き込んで、事態は思いもよらない結末を迎えます。

父親の疑念はエスカレートし、多くの人を追い詰めていきます。そして、事件に関わった人すべての疑念を増幅させ、混乱の渦に巻き込むことに…。そして「全員被害者・全員加害者」という構図を作り出していくーー。

娘を想うあまりにモンスター化する父親…もがき続けた先にある結末

映画『空白』の結末には明確な答えがなく、鑑賞後、すっきりとした気持ちになれる物語ではありません。事故で娘を失う親の気持ちにゴールはなく、わざとではなくとも事故を起こした運転手も生涯、救われることはないでしょう。映画内で起こる事件では、正義が何か、善・悪、加害者・被害者など、白・黒はっきり分別せずに描写されています。その曖昧さが人間の脆さや複雑さを際立たせ、視聴者に問いを生む演出となっています。

最後には、登場人物それぞれが「空白」を抱えたまま終わるストーリーに対し、視聴者からは「問いかけらているような終わりに辛さを感じる」「誰か答えを教えてくれと言いたくなる終わり方」「わかる...みんなの気持ちがわかる...それだけに辛い」「容赦ないほど胸糞悪い」などの声が寄せられていました。

一方で「観ていて辛いんだけどとても考えさせられた」「誰にでも起こり得る話だと思った」という声もあり、結末が曖昧だからこそ、感情移入しやすかった面もあるようです。「日本映画の到達点」「日本映画史に残る名作」と絶賛する声も多数見受けられ、好評ぶりが伺えます。

被害者、加害者共に日常が一瞬で変わり、地獄の毎日が始まる…もし自分の身に同じことが起きたら自分はどうなるだろうと考えたら、恐ろしくなりますよね。

映画タイトル『空白』を考察！「空白」が意味するものとは？

映画『空白』を観た視聴者の声で多かったのは、タイトル『空白』についてのものでした。『空白』というタイトルはどういう意図で作られたのか？物語のどこで空白を感じるのか？そして、視聴者それぞれが自分の考えで考察していました。

「空白というより後悔という感じ」「空白というタイトルが秀逸」「時間は有限だけど時間は空白を埋める」「みんな自分の空白を埋めることしか考えていない」など、個々に空白について考えさせられたようです。

タイトル『空白』について、明確な意図は説明されていません。また、おそらく映画の中のさまざまな場面に空白が散りばめられており、一つの事象を指しているものではないでしょう。登場人物たちはお互いを理解しようとせず、自己中心的になるにつれ猜疑心や誤解が膨らんでしまいます。人間関係の「空白」を埋めるという行為が、いかに難しいかということを問われているような気もしませんか？

娘を失い、モンスターと化した父になりきった古田新太の快演に震撼！

映画『空白』は、公開前から業界で話題騒然で、映画ファンの多くが推していた作品。その推しには様々な理由がありますが、そのひとつに古田新太さんの怪演がありました。全身全霊で体現している父親役は、演じているとは思えないほどの演技。SNSなどでは「古田新太のモンスターぶりは映画史に残るレベル」「古田新太にこういう役やらせたらハズレない」等と話題を集めています。

今回は、映画『空白』をご紹介しました。気になるタイトル『空白』をあなたならどう受け取るでしょうか？まだ『空白』を観たことがないという方は、古田さんはじめ豪華俳優陣の迫力ある演技に注目して御覧ください！

※記事は執筆時点の情報です