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「今までに観たことがないレベル」「とんでもない傑作」“卓越な脚本”に驚愕…“20年越し”で実現した心震える名作ドラマ

  • 2025.6.17

当たり前に過ごしている日々の見えないところで、現代社会が抱える問題に直面し、辛く苦しい思いをしている人は少なからず存在していることでしょう。そんな人々や現代社会への鋭い問題提起をテーマとした作品は、“当たり前の日々”の大切さを視聴者に考えさせます。今回は、そんな“当たり前”と向き合う名作5選をセレクトしました。

本記事では第3弾として、2023年放送のドラマ『幸運なひと』をご紹介します。

※本記事は、筆者個人の感想をもとに作品選定・制作された記事です
※一部、ストーリーや役柄に関するネタバレを含みます

“当たり前”と向き合う名作・ドラマ『幸運なひと』

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(C)SANKEI
  • 作品名:ドラマ『幸運なひと』
  • 放送日:2023年3月6日(BSプレミアム)/2023年4月4日、11日(NHK総合)

あらすじ

共働きの夫婦、松本拓哉(生田斗真)咲良(多部未華子)は、それぞれ仕事に邁進し、子どもを持つことを先延ばしにしてきました。しかし、中学校教師の拓哉が、がんと診断されたことで二人の生活は一変します。

かつてピアニストを目指していた咲良は、音楽事務所でマネージャーとして活躍し始め、ピアニストとしての夢と子どもを授かることを両立させたいと考えます。一方、がんを告知された拓哉は自分の残された時間が子を授かるタイムリミットであることを突きつけられながらも、当初は治療にも子どもを持つことにも消極的でした。

拓哉は咲良の輝かしいキャリアへの嫉妬に苦しみ、咲良もまた自分の仕事を犠牲にして夫に尽くすべきかと葛藤します。これまで互いを傷つけないよう本音を避けてきた二人は、拓哉のがんをきっかけに、綺麗ごとを抜きに互いの本当の思いをぶつけ合い、夫婦関係を再構築していくのでした―。

ドラマ『幸運なひと』の見どころ※ネタバレあり

ドラマ『幸運なひと』を視聴した方からは、「今までに観たことがないレベルで台詞の組み立て方が上手い」「とんでもない傑作」「ホントに素晴らしいドラマ」と絶賛する声が多く見受けられました。

また、生田斗真さんと多部未華子さんの繊細な演技が見どころ。生田さんは、がんを患いながらも妻の将来への嫉妬や自分の命の時間への葛藤を抱える夫の複雑な内面を非常に丁寧に演じています。多部さんは夫の病に寄り添いつつも、自分の仕事や人生の選択に悩む妻の心情を飾り気なくリアルに表現しています。

SNSでも「斗真くんの演技もすごく良く、多部未華子さんもすごく凛とした感じが素晴らしかった」「生田斗真さんと多部未華子さんの真摯な演技に打たれました」など大絶賛でした。

20年にわたる構想の末に生まれた渾身の一作

ドラマ『幸運なひと』で、企画・演出を担当した一木正恵さんは制作にあたって次のように話しました。

このドラマを実現するために、私は20年を越える時間を要してしまいました出典:『「幸運なひと」はこうして生まれた。20年考え続けたこととは?』 NHK 2023年8月10日配信

私たちが想像もできないほどの労力とこだわりの末に、本作が生まれたのですね。一木さんの執念とも言える長年の想いが、登場人物たちの繊細な感情や物語の奥行きに深く反映されていると感じます。

まだドラマ『幸運なひと』を観たことがない方、また本記事を読んでドラマ『幸運なひと』に興味を持っていただけた方は、夫婦が真の絆を見出し、人生を見つめ直す姿に、きっと心を動かされるはずです。ぜひご覧ください。


ライター:天木拓海
映画・アニメ・ドラマなど、エンタメ作品を観ることを趣味としているライター。エンタメ関連のテーマを中心に、作品考察記事/コラム記事などを手掛ける。

※記事は執筆時点の情報です