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「俳優として強烈」「凄まじい」7年前、嵐・二宮が先輩とW主演で“演技対決”を繰り広げた話題作…!圧巻の熱演をふり返る

  • 2025.6.11

2026年に活動を終了することを発表した国民的アイドルグループ、嵐。これまで大きな功績を残してきた嵐だが、5人のメンバーそれぞれも、さまざまな活躍を遂げてきた。その中で、彼らが出演した映画に焦点をあて、魅力を振り返ってみたい。今回は、二宮和也が木村拓哉と共に主演を務めた、2018年公開の映画『検察側の罪人』を取り上げる。

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(C)SANKEI

『検察側の罪人』

『クローズド・ノート』や『犯人に告ぐ』などの映像化でも知られる雫井脩介の同名ミステリー小説を、原田眞人監督、木村拓哉と二宮和也主演で映画化。吉高由里子、酒向芳、松重豊、山﨑努らが共演し、スリリングなミステリー・サスペンスが描かれていく。

都内で老夫婦殺人事件が発生し、東京地検刑事部のエリート検事・最上(木村拓哉)が担当することに。駆け出しの検事・沖野(二宮和也)が最上の下に配属されるが、沖野は研修生時代に最上から指導を受け、彼に心酔していた。最上は複数の被疑者の中から松倉(酒向芳)に狙いを定め、執拗に追い詰め始める。実は、松倉は過去に時効を迎えてしまった未解決殺人事件の重要参考人だったのだが、最上は今でも松倉が犯人だと確信していた。

最上を師と仰ぐ沖野は、松倉に自白させるべく、取り調べに力を入れるが、松倉は犯行を否認し続ける。やがて、沖野は最上の捜査方針に疑問を持ち始め、最上が松倉を犯人に仕立て上げようとしているのではないかという疑念が生じるようになる。

二宮和也の印象的な熱演シーン

最初は、“最上流正義”を信じて疑わなかった沖野が、尊敬する最上に対して疑問を抱くようになり、互いの正義をかけて、“師”と対立するようになっていく。二宮は、そんな沖野の大きな変化を、当時は事務所の先輩であった木村を相手に表現し、強烈な熱演を披露している。

木村が演じる最上と、二宮が演じる沖野のぶつかり合いは、終盤の見せ場なので、ぜひ本編で確認してほしいが、二宮の熱演で特に印象的なのは、松倉の取り調べのシーンだ。松倉が大きな音を立てて口をパッと開ける不気味な動作を怪演する酒向と対峙して、沖野が声を張り上げ、机を叩き、さらに松倉と同じように口をパッと開ける動作を二宮が演じる場面は、見ていて震え上がってしまう。ベテランバイプレイヤーの酒向と、二宮の演技合戦も見どころの1つとなっている。

見たことがない一面が堪能できるラブシーン

吉高由里子が沖野の事務官・橘を演じているのだが、沖野と橘は惹かれ合うようになっていく。二宮と吉高の突然のラブシーンには、思わずドギマギさせられる。直接的な描写ではないが、妙に色気があり、ほかの作品では見られない二宮の一面が堪能できる。橘には事務官以外の顔もあり、吉高の演技にも大いに引き込まれる。

また、序盤で、沖野が取り調べる闇社会のブローカー・諏訪部を演じる松重豊も、二宮と対峙するシーンがある。諏訪部もかなりのクセ者だが、沖野は一歩も引かず、2人は丁々発止のやり取りをする。二宮と松重の強烈な演技合戦も観客を圧倒し、“俳優・二宮和也”の魅力は瞬く間に観る者の心をつかんでいく。

正義を追求する沖野を取り巻くさまざまなキャラクターを、大御所俳優から名バイプレイヤーまで、多くの俳優たちが演じている。人権派の弁護士であり、芸能人や政治家の弁護人も務める“スター弁護士”でもある白川役の山﨑努や、怪しげな“運び屋の女”を演じる芦名星、最上の娘に扮する山崎紘菜など、個性的な演技を見せる共演者ばかり。その中で、二宮は「アイドルじゃなくて俳優として強烈」「演技が凄まじい」といったコメントがSNSに並ぶなど、本作での熱演は圧巻だ。

先輩をも凌駕する熱い芝居

2018年の公開前、『検察側の罪人』の完成披露試写会が開かれ、二宮は木村との共演について、コメントしている。

二宮「立ち位置もスタイルも変えずに、ずーっとトップで走り続けてきた“木村拓哉”という人と一度一緒に作品を作りたいとずっと思っていました」
木村「みなさんの前でなくても、カメラがなくても、どこでも胸を張って言えることなんですが、これほど一緒に作業をしていて、信頼できる共演者は珍しい。本当に頼り甲斐のある後輩だなと思います」

出典:映画.com

当時、同じ事務所に所属していた2人が主演として初共演し、対立する場面もあると知った時、正直ちょっと怖いような気持ちになったが、期待は大きくふくらんだ。そして、いざ本編を鑑賞したら、役柄的にも二宮の方が熱い芝居を繰り広げており、先輩の木村を凌駕しているように感じた。

嵐のメンバーの中でも、映画出演の多い二宮。バラエティに富んだキャラクターを数多く演じ、幅広い演技を披露し続けている彼は、最近では主演映画『8番出口』が第78回カンヌ国際映画祭のミッドナイト・スクリーニング部門で正式招待上映され、映画祭に参加。この映画は、2025年8月29日に公開予定だが、今作でもまた新たな演技を見せてくれるであろう、“俳優・二宮和也”のこれからにも、期待したい。


映画『検察側の罪人』(2018年)

ライター:清水久美子(Kumiko Shimizu)
海外ドラマ・映画・音楽について取材・執筆。日本のドラマ・韓国ドラマも守備範囲。朝ドラは長年見続けています。声優をリスペクトしており、吹替やアニメ作品もできる限りチェック。特撮出身俳優のその後を見守り、松坂桃李さんはデビュー時に取材して以来、応援し続けています。
X(旧Twitter):@KumikoShimizuWP