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心をまっさらにする、ブータンの旅【心安らぐアジアの国へvol.1】

  • 2025.5.22

【アンドビヨンド・プナカ・リバー・ロッジ】ラグジュアリーサファリ最大手がブータン初進出

川沿いに佇むヴィラ「リバーハウス」。広々としたラウンジやプライベートプールを備える。
川沿いに佇むヴィラ「リバーハウス」。広々としたラウンジやプライベートプールを備える。

ブータン王国は、ヒマラヤ山脈の東側に位置し、北は中国、南はインドと国境を接する、面積は九州とほぼ同じ38,400 ㎢ほどの小さな国だ。そのブータンに、近年アマンリゾーツやシックスセンシズといったなじみのブランドに続き、ラグジュアリーリゾートが次々と進出している。アフリカで26のラグジュアリーサファリを展開する南アフリカの「アンドビヨンド」も、2023年9月にアジア初進出。風光明媚なプナカ渓谷の川沿いに、天井と壁が布張りの6つのテントスイート、抜群の眺望を誇る2つのヴィラを点在させた。

どこまでも続く水田と深い森に囲まれたヴィラ「ファミリースイート」。
どこまでも続く水田と深い森に囲まれたヴィラ「ファミリースイート」。

テントスイートは、天井や壁が布張りのサファリスタイルと、ブータンの伝統的な木造建築を融合。プライベートデッキと屋内外のシャワー、そしてバスルームには天井がガラス張りの“星空バス”を備える。都会では決して見ることのできない、視界を埋め尽くす圧巻の星空だ。2つのヴィラのうち「リバーハウス」は、展望デッキからモチュ川とヒマラヤ山脈を一望し、「ファミリースイート」は、緑豊かな棚田と深い森に包まれている。

大僧正ジェ・ケンポが冬を過ごす寺院プナカ・ゾンが川辺に立つ神聖な川、モチュ川の美しい景色を見渡す。
大僧正ジェ・ケンポが冬を過ごす寺院プナカ・ゾンが川辺に立つ神聖な川、モチュ川の美しい景色を見渡す。

ブータン国と地球の平和を願って建てられた歴史的な寺院、カムサム・ユエリー・チョルテンへの小一時間のトレッキングから、棚田の風景を眺めながらのヨガセッション、ブータンの伝統料理の教室、川の畔にテーブルセッティングする特別ディナーまで、アンドビヨンドならではの自然との一体感、その国の伝統や文化を体感できる充実のアクティビティが、さらに旅を濃密で思い出深いものにしてくれる。

ブータン王国の国花、ブルーポピーの青をキーカラーにしたテントスイート。
ブータン王国の国花、ブルーポピーの青をキーカラーにしたテントスイート。

アンドビヨンド・プナカ・リバー・ロッジ(andBeyond Punakha River Lodge)

Punakha 13001, Bhutan

Tel./+975-2-584-720

料金/1室1泊926ドル~ ※2025年5月現在

https://www.andbeyond.com/our-lodges/asia/bhutan/punakha/andbeyond-punakha-river-lodge/

【ペマコ・プナカ】ローカル色あふれるもてなしが魅力の地元発ラグジュアリーリゾート

モチュ川の畔に建ち、厳かな雰囲気を醸し出す「ファイブネクターズバー」。360度のパノラマビューに魅了される。
モチュ川の畔に建ち、厳かな雰囲気を醸し出す「ファイブネクターズバー」。360度のパノラマビューに魅了される。

ブータン発のラグジュアリーリゾートとして注目を集めているのが、ブータン最大の民間企業集団、タシ・グループが手がける新ブランド「ペマコ」だ。首都ティンプーの旧タージ・タシをリブランドした1軒目に続く、ペマコ・プナカは、一から建ち上げた初のホテル。デザインコンセプトは東南アジアを中心に200軒以上のホテルを手がけたビル・ベンズリーが担当。ザ サイアム、JWマリオット フーコック、カペラ ウブドなど、自然とラグジュアリーの調和した空間を造らせたら右に出る者はいないだろう。

自然に溶け込む木造建築と、伝統文化を活かしながらエレガントにまとめたインテリアは、まさにビル・ベンズリーの独壇場。
自然に溶け込む木造建築と、伝統文化を活かしながらエレガントにまとめたインテリアは、まさにビル・ベンズリーの独壇場。

ロビーの黒とダークピンクの壁、客室の銅製のバスタブなど、ブータンの伝統様式を随所に取り入れながら、敬虔な仏教徒の国らしい厳かな雰囲気を漂わせる。客室は、斜面に点在する21棟のテントヴィラ。それぞれに息を呑むような渓谷の景色を望むデッキ、温水のインフィニティププールを備える。民族衣装のゴとキラを着たスタッフによる心温まるバトラーサービスもいい。

国際色豊かな料理を提供するオールデイダイニング「ソマ」。
国際色豊かな料理を提供するオールデイダイニング「ソマ」。
自然界の5つの基本要素(木・火・土・金・水)とその色(緑・赤・黄・白・青)を取り入れたインテリア。
自然界の5つの基本要素(木・火・土・金・水)とその色(緑・赤・黄・白・青)を取り入れたインテリア。

ペマコ・プナカ(Pemako Punakha)

Punakha, Bhutan

Tel./+975-77-182-241

料金/1人1泊1,500ドル~ ※2025年5月現在

https://www.pemakohotels.com/punakha/

【ガンテ・ロッジ】息を呑む絶景!忘れられない感動のステイに

ブータンで最も広く最も大きな渓谷、フォブジカ渓谷の絶景。Photo_ Ken Spence
ブータンで最も広く最も大きな渓谷、フォブジカ渓谷の絶景。Photo: Ken Spence

アジア全体でわずか16軒というコンデナスト・トラベラーのThe Gold List 2025に、ブータンから唯一選ばれたのがガンテ・ロッジだ。この宿の最大の魅力は、なんといってもメインロッジの広々としたテラスから望むフォブジカ渓谷の眺望だろう。圧倒的な迫力で一生忘れられない記憶となるはずだ。

山頂の寺の意味を持つ「ガンテ僧院」は多くの修行僧が学ぶ歴史ある僧院。周囲には門前町が広がる。Photo_ Ben Glassco
山頂の寺の意味を持つ「ガンテ僧院」は多くの修行僧が学ぶ歴史ある僧院。周囲には門前町が広がる。Photo: Ben Glassco

ホテルから歩いて10分ほどの場所に、僧侶が修行を重ねる神聖なガンテ僧院があるため、外観は、自然に溶け込み、周囲の景観を壊すことのない素朴なデザインに仕上げ、館内は、ブータンの伝統的なアートワークや寺院の意匠を取り入れた寛ぎの空間に。全12室の客室は、清廉な空気が漂うシンプルなインテリアに統一した。オーナーのキン・オマール・ウィンと夫のブレット・メルツァーは、20年以上前にこの土地を訪れてその美しさに魅了され、10年後の2013年にガンテ・ロッジをオープンした。若者たちが村を離れ、このままでは数百年にもわたって受け継がれてきた伝統や文化が失われるという危機感が2人の背中を押し、持続可能な観光の拠点を造ったのだ。

ロビーは手作りの木製家具、柔らかな色合いのテキスタイルなどで満たされた寛ぎの空間。Photo_ Ken Spence
ロビーは手作りの木製家具、柔らかな色合いのテキスタイルなどで満たされた寛ぎの空間。Photo: Ken Spence

シェフは、ブータンの家庭料理で客をもてなし、ゲストひとりひとりの要望に合わせて、料理をアレンジする。特筆すべきは、世界的に有名なウェルネスリゾートのトレーニングを受けたセラピストによるスパ。天然ハーブのみを使用し、ブータン伝統のホットストーンバスを取り入れたトリートメントに心から癒される。

渓谷の絶景を見渡しながら、至福のバスタイム。Photo_ Ben Glassco
渓谷の絶景を見渡しながら、至福のバスタイム。Photo: Ben Glassco

ブータンのラグジュアリーリゾートに共通しているのは、シンプルで自然と一体化した建物、自分の手と足で体験するアクティビティ、スタッフの素朴で温かなサービス。そしてゆっくりと流れる時間は、物質的な豊かさの意味を問い直す機会を与えてくれるのだ。

ガンテ・ロッジ(Gangtey Lodge)

Gangtey (Phobjikha) Valley, Bhutan

Tel./975-17-12-90-72

料金/1室1泊580ドル~(2食付)※2025年5月現在

https://gangteylodge.com/

Text: Yuka Kumano

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