ナムグン・ミンが『ホジュン～伝説の心医～』で演じるキャラの苦悩とは何か

テレビ東京で放送中の『ホジュン～伝説の心医～』で、ナムグン・ミンはユ・ドジを演じている。彼は名医ユ・ウィテ(演者ペク・ユンシク)の息子で、将来を嘱望されている。しかし、卓越した能力を持ちながら、科挙に落ちてしまった。

それは、王宮の内医院(ネイウォン)の実力者がユ・ウィテを嫌っているからだ。いわば、父のとばっちりを受けてしまったのが、息子のユ・ドジであった。

絶望的な気持ちになってしまったユ・ドジ。時間とともに立ち直ってきたが、彼の自尊心を傷つける出来事もあった。キム・ジュヒョクが演じるホ・ジュンが医療技術を買われ、ユ・ドジより評価が高くなったのだ。この事実は衝撃だった。

さらなる追い打ちがあった。ユ・ドジは、妹のように思っていたイェジン(演者パク・ジニ)に惚れているのだが、結婚を申し込んでもイェジンから断られてしまった。しかも、イェジンはホ・ジュンのことを慕っているらしい。そのことに気づいたユ・ドジのプライドはズタズタになってしまつた。

ライバルとして警戒していたホ・ジュンは失敗をおかしてユ・ウィテから破門され、その点でユ・ドジは留飲を下げた。しかし、生活に困窮したホ・ジュンの家をイェジンが支援するようになり、この点でユ・ドジの気持ちも揺れている。彼は本当に悩み多き青年なのである。

こうした人物を冷静に演じているのがナムグン・ミンだ。端整な顔立ちの彼は、表情に気品が漂っている。それゆえ、育ちのいい男を演じさせたらピッタリであり、ユ・ドジの苦悩を繊細に表現している。

エリートでありながら正当に評価されない辛さを持ったユ・ドジ。そんな男に扮しているナムグン・ミンには心に沁みる哀愁があり、『ホジュン～伝説の心医～』の中でも個性が際立つ存在になっている。そういう意味でも、今後の展開の中でナムグン・ミンの演技力がさらに真価を発揮していくことだろう。

文＝康熙奉（カン・ヒボン）