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脳を刺激...子どもが依存しやすい理由とは?/うちの子、ゲームして動画ばっかり見てますけど大丈夫ですか!?

  • 2025.5.13

身近になったゲームや動画などのデジタルメディア。子どもが夢中になるおかげで自分の時間が作れるようになったけど、依存したらどうしよう...そんな不安を持つ親も少なくありません。『うちの子、ゲームして動画ばっかり見てますけど大丈夫ですか!? もしかしてデジタル依存!? と思ったら』(KADOKAWA)の著者アベナオミさんもそんな1人。アベさんが子育てしながら感じた不安や疑問に、ネット・ゲーム依存予防回復支援サービスMIRA-i所長であり、臨床心理士である森山沙耶さんが分かりやすく答えていきます。

※本記事はアベナオミ著、森山沙耶監修の書籍『うちの子、ゲームして動画ばっかり見てますけど大丈夫ですか!? もしかしてデジタル依存!? と思ったら』(KADOKAWA)から一部抜粋・編集しました。

「心身の健康」がポイント

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ゲームやスマホだけが問題なの? という話もよく聞きます。子どもを連れて外食するとき、スマホで動画視聴やゲームをさせるのはNGだけどぬりえやお絵かきならOKなの? という風に。

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スマホやゲームを使っても時間を守って遊べるのであれば問題ありません。ただし、子どもはゲームやネットに依存しやすいので、特に低年齢のうちは一定の距離を置いた方が安心です。

脳のシステム「報酬系 」

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「ドーパミン」という物質の名前を聞いたことがありますか? 快楽物質、幸せホルモンなどと言われるドーパミンは、ゲームで敵を倒したときや、ギャンブルで大勝ちしたときなどに放出されます。この脳内のシステムを報酬系といいます。

報酬系を刺激するものにアルコール、タバコ、ギャンブル、薬物、買い物、SNSなどがありますが、それらは大きく「物質系」と「行為・プロセス系」の2つに分けられます。いずれにしても〝やめたくてもやめられない〟状態になって依存してしまうのですが、アルコールやタバコなどは血液や肝機能の数値に影響がでるなど目に見えるいっぽう、ゲームやネット、ギャンブルなどの「行為・プロセス系」は身体面への影響が表面化しにくいのが特徴。そのため、本人も周囲も依存状態であると気がつきにくいのがやっかいです。

【依存症】
繰り返す/より強い刺激を求める/やめられない/頭から離れない

<物質系>
・アルコール
・違法薬物(覚せい剤、大麻、コカインなど)
・タバコ
・カフェイン(コーヒー、紅茶、コーラ、エナジードリンクなど)
・市販薬・処方薬(鎮痛剤、咳止め薬など) など

服用・使用することにより、その物質に依存していく依存症状。使い続けることによって使わなければ気が済まなくなり、使う量が増えていき(使う量が増えない場合もある)、それが自分でもコントロールできなくなっていく依存症。

<行為・プロセス系>
・ギャンブル
・ゲームやインターネット、SNS
・拒食・過食
・ダイエット
・買い物
・性行為 など

特定の行為やそのプロセスに必要以上に熱中し、のめり込んでしまう依存症状。物質系依存と違い、健康診断の結果などに影響しないため、依存であると気がつきにくい。

子どもは依存しやすい

子どもは「~したい」という欲求や衝動を大人よりコントロールできません。
人間の脳は、理性をつかさどる前頭前野と本能や感情をつかさどる大脳辺縁系の働きによって行動をコントロールしています。けれども子どものうちは前頭前野の発達が未熟なため、欲求を抑えることが難しいのです。

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最初に「スマホやゲームを使っても時間を守って遊べるのであれば問題ありません」とお伝えしましたが、未成年者は、

自主的に時間を守ることが難しい

やりたいとしつこくせがむ、目を盗んで遊ぶ

うるさいので使わせる、勝手に使う

という負のループになりがち。夢中で遊んでいるうちに報酬系がどんどん刺激され、どんどん没頭してしまうため、子どもは依存症の進行するスピードが早いのです。

未成年、特に低年齢のうちは親の管理のもとでデジタルメディアを使用する必要があります。いずれ飽きるから、と様子を見ているうちに手遅れになってしまうケースも多く見られるのです。

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生活のすぐそばにある、デジタルメディア。ただ禁止にするのではなく、どうやって関わっていくかを親子で考えることが大切ですね。


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