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「料理が広がる3種のソース」。渡辺有子の料理教室2年目5月

  • 2025.5.13

料理家の渡辺有子さんが先生に、ライターの吉田直子さんが生徒に。本誌で連載中の「&Cooking 渡辺有子の料理教室ノート」がWebでも読めるようになりました。2年目5月のテーマは、「料理が広がる3種のソース」。3つのソースを使ったレシピを紹介します。

出典 andpremium.jp

料理が広がる3種のソース。

先生:今日は直子さんが悩ましげな様子ですが、一体どうしたっていうの?

生徒:ここのところ夕飯作りに煮詰まってしまって。1つ覚えるだけでレパートリーが2、3倍に増えるような、そんな万能ソースがあったらいいなぁと思っているんです。

先生:そのソース、私が教えますよ。

生徒:さすが。先生に不可能の文字はない。

先生:ではまず、「卵とレモンのソース」を作りましょう。ボウルの中で、ゆで卵をフォークでつぶして、アボカドを加えてさらにつぶしたら、ヨーグルト、削ったレモンの皮、オリーブオイルと塩を加えてよく混ぜます。これでソースは完成です。今日みたいに鶏の唐揚げにのせるのも良し。揚げた魚に添えたり、サラダやパンにのせてもいいの。

生徒:なんて簡単なんでしょう。ぜひ、鶏の唐揚げの作り方も教えてください!

先生:鶏もも肉を4〜5等分に切って、醤油と酒に20分以上漬けて下味をつけます。フライパンの半分ほどの高さまで油を注いで、片栗粉を薄くまぶした鶏もも肉を並べてから火をつける。揚がったら油をよくきります。

生徒:熱々の油でジャーじゃないんですね。

先生:常温の油からゆっくり揚げていくと、中までしっかり火が入るの。皮のほうから、強火で片面5〜6分くらいずつが目安です。

生徒:もう唐揚げで失敗しません!

先生:器に盛り付けてソースをたっぷりのせて、もしあれば穂ジソをちぎってかけてもきれいです。

生徒:卵とアボカドのコクをレモンがスッキリまとめて。理想のソースであります。

先生:つづいては「グリーンオリーブとパセリのソース」。みじん切りにしたグリーンオリーブとパセリ、アンチョビをボウルに入れて、オリーブオイルをまわしかけ、黒胡椒を粗めに挽きながら混ぜ合わせたら完成です。

生徒:ぎょぎょ。簡単すぎやしませんか?

先生:フードプロセッサーで、すべての食材をまとめてガーッと混ぜてもいいのよ。素材自体に塩気があるので、味付けは黒胡椒だけ。今日はこれを、20分ほど蒸した新ジャガと和えましたが、茹でたばかりのパスタに絡めたり、野菜のディップにしたり、カリッと焼いたバゲットにのせるのもお勧めです。冷蔵庫で1〜2週間ほど保存できますよ。

生徒:さっそく常備します!

先生:最後は「ラズベリーと赤玉ネギのソース」です。国産のベリーは5月末から出回りはじめ、晩夏までが旬なので試してみてね。ラズベリーは洗うとソースが水っぽくなってしまうので、ペーパーで汚れを拭き取ってください。赤玉ネギはみじん切りにして、塩をふってなじませたら、水にさらしてザルにあげ、ペーパーで水気を絞ります。ボウルにラズベリーを入れて、フォークで軽めにつぶしたら、赤玉ネギ、赤ワインビネガー、蜂蜜を加えて混ぜて、ハイ出来上がり。

生徒:危うくヨーグルトに入れて食べそうになる、スイートなビジュアルです。

先生:赤玉ネギが入っているのをお忘れなく。さあ、このソースでカルパッチョを作りましょう。お皿にラズベリーと赤玉ネギのソースを敷いて、薄切りにした刺身とラディッシュを盛ってオリーブオイルをまわしかけてね。牛ステーキに添えてもおいしいソースです。

生徒:美しすぎて食べられないかも~。

ラズベリーと赤玉ネギのソース&グリーンオリーブとパセリのソース&卵とレモンのソース

出典 andpremium.jp

ラズベリーと赤玉ネギのソース

〈材料〉作りやすい分量

ラズベリー…40g
赤玉ネギ…1/4個
赤ワインビネガー…大さじ1
蜂蜜…小さじ1
塩…小さじ1/3

〈作り方〉
1.ラズベリーはペーパーで汚れを拭き取る。赤玉ネギはみじん切りにし、塩をふってしばらくなじませ、水にさらしてザルにあげる。ペーパーで水気を絞る。

2.ボウルにラズベリーを入れ、フォークで軽くつぶす。赤玉ネギ、赤ワインビネガー、蜂蜜を加えて混ぜる。

牛ステーキに添えたり、葉野菜のサラダのドレッシングなどに。
保存容器や瓶などに入れて冷蔵庫で1週間ほど保存可。

グリーンオリーブとパセリのソース

〈材料〉作りやすい分量

グリーンオリーブ…5g
パセリ…2本
アンチョビ…2枚
オリーブオイル…大さじ4
粒黒胡椒…小さじ2

〈作り方〉
1.グリーンオリーブ、パセリ、アンチョビはそれぞれ、みじん切りにする。

2.ボウルに1を入れてオリーブオイルをまわしかけ、黒胡椒を粗めに挽きながら混ぜ合わせる。

茹でたばかりのパスタに絡めたり、野菜のディップに、カリッと焼いたバゲットにのせても。
保存容器や瓶などに入れて冷蔵庫で1〜2週間保存可。

卵とレモンのソース

〈材料〉作りやすい分量

卵…2個
アボカド…1/2個
プレーンヨーグルト…大さじ2
削ったレモンの皮…1個分
オリーブオイル…大さじ1
塩…適量

〈作り方〉
1.卵は沸騰した湯に入れて9分茹で、殻をむく。

2.ボウルにゆで卵を入れてフォークでつぶし、アボカドを加えてさらに全体を細かくつぶす。ヨーグルト、レモンの皮、オリーブオイル、塩を加えてよく混ぜる。

パンにのせたり、揚げた魚に添えたり、サラダにも。
アボカドは変色するため、その日のうちに食べきる。

1.卵とレモンのソースで鶏の唐揚げ

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ソースはボウルにすべての材料を入れてフォークでつぶし、調味料と混ぜるだけ。
常温からじっくり揚げた鶏もも肉。アミの上に立てて油をしっかりきる。

〈材料〉2人分

卵とレモンのソース…出来上がり全量
鶏もも肉…2枚
醤油…大さじ2と1/2
酒…大さじ1
片栗粉…適量
揚げ油…適量
穂ジソ…適宜

〈作り方〉
1.鶏もも肉は余分な脂を取り除き、4~5等分に切り、醤油、酒に20分以上漬けておく。

2.フライパンに油を半分ほどの高さに注ぎ、片栗粉を薄くまぶした1を並べてから点火し、強火でカラリと揚げる。油をしっかりきる。

3.器に2を盛り、卵とレモンのソースをたっぷりのせ、あればレモンの皮(分量外)と穂ジソをかける。

2.グリーンオリーブとパセリのソースでジャガイモ和え

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みじん切りにした材料にオリーブオイルをたっぷりかけ、黒胡椒をふって混ぜる。
皮をむいたものとむかないものをミックスさせると食感の楽しい和えものに。

〈材料〉2〜3人分

グリーンオリーブとパセリのソース…出来上がりの半量
新ジャガ(小)…24個

〈作り方〉
1.新ジャガはよく洗い、蒸気の上がった蒸し器で20分ほど蒸す。

2.温かいうちに大きめのものは皮をむく。小さめのものは皮付きのままで楽しむ(好みで、すべて皮をむいてもよい)。

3.ボウルにソース半量を入れ、温かい新ジャガを加えてざっと和える。

3.ラズベリーと赤玉ネギのソースでカルパッチョ

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01のソースと同様に、ボウルに入れた材料をフォークでつぶしながら混ぜるだけ。
赤ワインビネガーの酸味を蜂蜜のコクと甘さでマイルドに調える。

〈材料〉2〜3人分

ラズベリーと赤玉ネギのソース…出来上がりの半量
カンパチ、ヒラメ、アジなどの刺身…100g
ラディッシュ…2個
オリーブオイル…適量

〈作り方〉
1.ラディッシュは薄い輪切りにする。刺身は薄切りにする。

2.皿にラズベリーと赤玉ネギのソースを敷き、刺身とラディッシュを盛り、オリーブオイルをまわしかける。

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渡辺有子
先生

わたなべ・ゆうこ/東京都生まれ。料理家。スタジオ「FOOD FOR THOUGHT」にて、料理教室や食にまつわるイベントを開催。東京・代々木上原と西荻窪で、同名の器店をディレクション。作家ものの器や食まわりの商品を扱う。『料理と私』(晶文社)、『渡辺有子の家庭料理』(主婦と生活社)など著書多数。旬の素材を生かしたシンプルでおいしい料理に定評があり、いつまでも初心者気分でいつづける生徒・吉田直子にも、懇切丁寧に料理を教える。

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吉田直子
生徒

よしだ・なおこ/東京都生まれ。ライター。冠婚葬祭で使う小物とジュエリーのブランド〈シュオ〉のディレクター、ファッションブランドのプレスを務めるなど、フレキシブルに働く1 児の母。2019年、絵本『こっぷんとかっぷん』(絵・よこやまかんた/若芽舎)を刊行。2020年には蒼井優の著書『今日もかき氷【進化版】』(マガジンハウス)の編集を手がける。渡辺有子の料理教室で毎月記事をまとめているが、いまだに作るよりも食べることを好む。

photo : Wakana Baba text : Naoko Yoshida

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