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今見ても名作… 嵐・大野智×石原さとみの8年前の超大作、後輩との胸アツな関係「2人の共演とても良かった」

  • 2025.5.20

2020年末から活動を休止し、2026年春頃にコンサートを開催して活動を終了することを発表した嵐。国民的アイドルグループとして人気を誇り、音楽活動をしてきたほか、メンバーそれぞれの俳優活動も脚光を浴びてきた。

数々のTVドラマでも活躍してきた嵐だが、各メンバーが出演し存在感を示してきた映画も忘れ難い。今回は、嵐のリーダーでもある大野智が主演の『忍びの国』の魅力や見どころを紹介しよう。

『忍びの国』

2017年に公開された大野智の主演映画『忍びの国』は、和田竜による同名ベストセラー小説が原作の時代劇エンターテインメント。織田の大軍と伊賀の忍者衆が戦った“天正伊賀の乱”を題材としている。大野は天下無敵の忍び・無門を演じており、無門の妻・お国を石原さとみ、無門に匹敵する腕を持つ伊賀忍者・下山平兵衛を鈴木亮平、織田信長の次男・織田信雄を知念侑李(Hey! Say! JUMP)が演じ、平祐奈、満島真之介、國村隼、伊勢谷友介らが脇を固めている。

史実を基に、巨大なスケールで描くド派手なアクションが最大の見どころ。大野をはじめとするキャストたちが、実際に激しいアクションに挑んでいるのが見ものだ。歴史上、最初で最後の“侍vs忍び”の直接対決を、肉弾戦だけじゃなく、頭脳戦も駆使して争うさまを描出した超大作となっている。

チャーミングに主人公を好演

戦国時代、織田信長は諸国を次々と滅ぼし勢力を拡大していたが、伊勢の隣国・伊賀だけは攻め入っていなかった。そこで暮らすのは、人を人とも思わぬ人でなしの忍者衆で、“虎狼の族”と呼ばれ恐れられていたからだ。そんな忍者の中でも最強の無門は、「どんな堅牢な門でも彼の前では意味をなさない」と言われるほどの凄腕の持ち主でありながら、無類の怠け者で、唯一の弱点とも言える妻のお国には頭が上がらず、彼女の尻に敷かれる毎日を送っていた。

大野は、お国に叱られションボリする様子や、励まされると大喜びする笑顔など、チャーミングに無門を好演しており、大いに魅力を発揮している。さらに、彼の身体能力はバツグンなため、縦横無尽に軽々と飛び回ったり、華麗な短剣や手裏剣使いを披露したりと、最強の忍者役に相応しいと観客を納得させる演技力を見せている。

大野は、高い歌唱力とダンススキルを持っている上に、演技力も秀逸。映画出演は多くはないが、本作の無門はハマり役だと感じさせる。石原も、ツンデレキャラのお国役がハマっており、大野とのやり取りが非常に面白い。夫婦を演じる大野&石原コンビは必見だ。

大野智と知念侑李の共演に胸熱

伊賀に攻め入ることをしなかった織田軍だったが、家族の命でさえも粗末に扱う伊賀の考えに疑念が生じた下山平兵衛が、故郷の伊賀ごと滅亡するべきだと考えるようになり、伊賀を裏切って織田軍に協力することに。平兵衛の手引きで、伊賀討伐の兵を挙げる織田信雄。

信雄を演じている知念は大野の後輩で、2人はかつて鼻炎薬のCMに一緒に出演し、異星人キャラクターをコミカルに演じていたのを覚えている人も少なくないだろう。幼稚園の頃に、嵐のコンサートで大野がソロで踊っている姿を見て、自分もダンスを仕事にしたいと思うようになったという知念。やがて、同じ事務所に入所した知念は、大好きな大野の後輩となり、夢を叶えた。

『忍びの国』で共演し、敵対する役を演じた大野と知念。その後、CMで息の合った異星人コンビの面白い演技で共演した2人。SNSにも「2人の共演とても良かった。いつかまた踊る共演もあるといいね」「『忍びの国』は大野くんと知念くんの共演が胸熱」といったコメントが見られた。憧れの人と共演した知念の喜びを知った上で、本作を鑑賞してみるのも、また楽しいかもしれない。

鈴木亮平と石原さとみの熱演にも注目

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(C)SANKEI

徹底した役作りで作品に臨むことで知られる鈴木は、本作で大野と死闘を繰り広げるシーンに挑んでいる。無門は、映画の最初の方ではヘラヘラとした雰囲気で、怠けようとしてばかりのキャラクターだが、織田軍との対決ではリーダーとなるため、徐々に戦いのスイッチが入っていく。その変化を大野は絶妙に表現しており、特に鈴木が演じる平兵衛と対峙する場面では、鋭く凛々しい顔つきが印象的だ。そんな天下無敵の無門に食らいついていく平兵衛を体現した鈴木の熱演にも注目してほしい。

そして、無門の最愛の妻・お国の大きな見せ場も終盤にあり、石原が演じるお国の美しさと強さが伝わってくる。潔いキャラクターに扮する石原は非常に魅力的で、無門に感情移入しながらお国を愛さずにはいられなくさせる。

嵐の活動休止前に大野智が最後に出演した作品

『忍びの国』が公開された2017年、大野による「自由な生活がしてみたい」という希望から活動休止の話が進み、2020年末から休止となった嵐。本作以降、大野の出演映画やTVドラマはなく、『忍びの国』には“俳優・大野智”の全力が注がれているといっても過言ではない気がする。

2026年に活動が終了することが発表されてから、非常に大きな注目が集まっている嵐だが、もっと大野の活躍を見たいと願っている人は多いのではないだろうか。筆者もその1人だ。嵐の活動が終了したら、その願いはもう叶わないのかもしれないが、今は『忍びの国』を観ながら、「“俳優・大野智”はやっぱり素晴らしい!」と実感してもらえたら何よりだ。


映画『忍びの国』(2017年)

ライター:清水久美子(Kumiko Shimizu)
海外ドラマ・映画・音楽について取材・執筆。日本のドラマ・韓国ドラマも守備範囲。朝ドラは長年見続けています。声優をリスペクトしており、吹替やアニメ作品もできる限りチェック。特撮出身俳優のその後を見守り、松坂桃李さんはデビュー時に取材して以来、応援し続けています。
X(旧Twitter):@KumikoShimizuWP