1. トップ
  2. 恋愛
  3. 母が残した【最後の手紙】「厳しくしてごめんね。でも──」娘が『涙が止まらなかった理由』

母が残した【最後の手紙】「厳しくしてごめんね。でも──」娘が『涙が止まらなかった理由』

  • 2025.4.8

これは筆者の知人A子から聞いたエピソードです。A子は幼い頃から母と2人で暮らしていました。母はとても厳しく、A子は反発ばかり。しかし母が亡くなった後、ある手紙を見つけ、その中に書かれていた言葉に涙が止まらなくなったといいます。

画像: 母が残した【最後の手紙】「厳しくしてごめんね。でも──」娘が『涙が止まらなかった理由』

厳しかった母との毎日

A子の母は、女手ひとつでA子を育てました。朝早くから夜遅くまで働きながら家事もこなし、A子の勉強や生活に口うるさく注意していました。

「ちゃんと宿題はやったの?」「礼儀を大切にしなさい」「お金は計画的に使いなさい」

A子は、そんな母の言葉がうるさくて仕方ありませんでした。友達と遊びたいのに門限は厳しく、お小遣いも少なく、「なんでこんなに厳しいの?」とよく不満を口にしていました。

思春期になると、A子はさらに母と衝突するように。「もう口出ししないで!」と強く言い放ち、母が悲しそうな顔をしていたことにも気づかずにいました。

突然の別れ

A子が社会人になって間もない頃、母が病気で倒れました。入院してからはあっという間で、何も言えないまま母は旅立ってしまいました。

もっと優しくすればよかった。もっと話せばよかった。

後悔ばかりが募り、A子はしばらく立ち直れませんでした。

母が残した手紙

母の遺品を整理していたある日、古い封筒を見つけました。そこには「A子へ」と書かれていました。

震える手で封を開けると、中には母の字でこう書かれていました。

「A子へ。厳しくしてごめんね。でも、あなたが一人で生きていけるようにと思って、ずっと必死だったの。私がいなくなっても大丈夫。あなたは強い子だから。たくさん泣いたら、次は笑ってね。」

A子はその場に崩れ落ち、声を上げて泣きました。母がずっとA子を思い、愛してくれていたことにやっと気づいたのです。

母の愛に気づいて

それからA子は、母の教えを胸に生きていこうと決めました。厳しかった言葉のひとつひとつが、すべて愛情だったと、今ならわかります。

「お母さん、ありがとう」

心の中で何度もそうつぶやきながら、A子は母の手紙をそっと胸に抱きしめました。

【体験者:30代・女性会社員、回答時期:2025年3月】

※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。

ltnライター:池田みのり
SNS運用代行の職を通じて、常にユーザー目線で物事を考える傍ら、子育て世代に役立つ情報の少なさを痛感。育児と仕事に奮闘するママたちに参考になる情報を発信すべく、自らの経験で得たリアルな悲喜こもごもを伝えたいとライター業をスタート。

元記事で読む
の記事をもっとみる