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ヴァル・キルマーが、『バットマン』シリーズ1作品にしか出演しなかった理由

  • 2025.4.3
Val Kilmer On the set of Batman Forever

4月1日(現地時間)、肺炎のため65歳という若さでこの世を去ったヴァル・キルマー。『ドアーズ』(1991)のジム・モリソン役や『トップガン』シリーズのアイスマン役に加え、『バットマン フォーエヴァー』(1995)では主人公ブルース・ウェイン/バットマン役を演じた。マイケル・キートンやクリスチャン・ベール、ベン・アフレックら歴代のバットマン俳優とは異なり、ヴァルは1作品しか出演しなかったが、彼なりの理由があったようだ。

ヴァルは2020年に「ニューヨーク・タイムズ」紙のインタビューで、『バットマン フォーエヴァー』の撮影中、富豪の投資家ウォーレン・バフェットが孫たちを連れて撮影現場を訪ねて来たときのことを述懐。バットマンに会いたいという彼らのためにバットスーツを着たままセットに残っていたものの、子どもたちはヴァルと話したがらず、代わりにバットマンのマスクを被ったり、バットモービルに乗ることを望んだそうだ。「これがバットマン俳優が5人も6人もいる理由です」「バットマンは関係ない。バットマンなんて存在しないんだ」と語った。

Val Kilmer and Chris O'Donnell On the set of Batman Forever
Val Kilmer and Nicole Kidman On the set of Batman Forever, 1995

また彼は、『バットマン フォーエヴァー』と、ジョージ・クルーニーがバットマン役を引き継いだ続編『バットマン&ロビン Mr.フリーズの逆襲』(1997)の監督ジョエル・シュマッカーと確執があったと伝えられている。シュマッカー監督は、ヴァルを「子どもじみて我慢ならない」と公に非難し、撮影中にけんかしたこともあったと明かしている。

2021年のドキュメンタリー『ヴァル・キルマー 映画に人生を捧げた男』では、誰が監督を務めるか知らないまま、脚本を読むこともなく出演を引き受けたと告白。バットスーツはとても窮屈で、マスクのせいで音がよく聞こえないために他者とコミュニケーションに問題があったと認め、こう語っている。「少年時代に感じた興奮は、すべてバットスーツの現実に打ち砕かれてしまった。男子はバットマンに憧れるものだけれど、バットマンになりたいのであって、必ずしも映画でバットマンを演じる必要はない」

Text: Tae Terai

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