1. トップ
  2. 「ありえない」「昭和っぽいな~」“現実味に欠ける脚本”に賛否…それでもなお視聴率42.2%の大ヒットを記録した“伝説ドラマ”

「ありえない」「昭和っぽいな~」“現実味に欠ける脚本”に賛否…それでもなお視聴率42.2%の大ヒットを記録した“伝説ドラマ”

  • 2025.5.12

名作ドラマの中には、私たちの常識や価値観を揺さぶる作品があります。今回は、そんなドラマを5つセレクトしました。本記事では第3弾として、『半沢直樹』をご紹介します。
巨大な組織の壁に立ち向かう一人の銀行マンの姿を通して、現代社会における「正義」の在り方が問われる物語。彼が命を懸けて守ろうとした大切なものとは、一体何だったのでしょうか――。

※本記事は、筆者個人の感想をもとに作品選定・制作された記事です。
※一部、ストーリーや役柄に関するネタバレを含みます。

エリート行員が曝く金融界の闇!責任押し付けられた男の復讐劇が始まった!

undefined
(C)SANKEI
  • 作品名:『半沢直樹』
  • 放送期間:2013年7月7日 - 9月22日(1部) / 2020年7月19日 - 9月27日(2部)
  • 主演:堺雅人(半沢直樹 役)


主人公はメガバンクに勤める半沢直樹(堺雅人)。彼の胸には、父を死に追いやった銀行への複雑な思いと、「銀行を変えたい」という強い信念がありました。物語は、上司の命令で実行した融資が焦げ付き、責任を押し付けられるところから始まります。

銀行内部に渦巻く派閥争いや隠蔽体質を目の当たりにしながら、彼は同期や家族に支えられ、保身に走る上司、執拗な検査官、権力にしがみつく役員、そして政界の大物といった巨大な敵に、たった一人で戦いを挑んでいきます――。

「腐った組織」への痛烈な一撃!なぜ「倍返し」に惹かれるのか

このドラマが日本中を熱狂させたのは、私たちの心の奥底にある想いを代弁し、常識を打ち破る力があったからでしょう。特に「やられたらやり返す、倍返しだ!!」という決め台詞は、理不尽に立ち向かう反骨精神の象徴となり、社会現象となりました。と同時に、権力者に土下座を強いる衝撃的なシーンは、私たちの「正義」や「上下関係」に対する価値観を揺さぶり、作品への賛否の声が巻き起こりました。

「正直ありえない内容だと思う。面白いとは思うけど」といった現実とのギャップを指摘する声や、「半沢直樹すごい面白いんだけど現代の話の割に仕事の価値観だけは昭和っぽいな~っていつも思う。みんなやる気と出世欲に溢れているような人ばかりなのが」「時代錯誤」という時代感覚への違和感も。

一方で、「半沢直樹ありえないけど超おもしろかった」「見事な勧善懲悪。スッキリとして気持ちよかった。腐った会社の僅かな良心。それがこんなに強かったら、もっと生きやすいのに。全ての会社員の心の中に半沢直樹がいて欲しい」「半沢直樹は時代錯誤だと言われているがやはり面白い!」という称賛のコメントや、「“ひたむきで誠実に働いたものがきちんと評価されること”という言葉を噛み締めて改めて考える、人生の価値観」といった感動の声も多数寄せられています。

最高視聴率42.2%!閉塞感を打ち破る!胸に刺さる名言の数々

堺雅人さんの静かな怒りを湛えた迫真の演技は、物語に説得力と緊張感をもたらしました。

最高視聴率42.2%という驚異的な視聴率を記録し、「倍返し」が流行語大賞に輝いたのは、多くの人がこのドラマに、時代の閉塞感を打ち破る何かを感じ取ったからでしょう。「施されたら施し返す。恩返しです!」「大事なのはどこで働くかじゃない、どう働くかだ!」といった胸に刺さる名言の数々も、社会で働くことの意味を改めて考えさせてくれました。

働く意味を問い直す!【価値観を揺さぶる名作】

この物語が問いかけるのは、「組織の中で個人はどうあるべきか」「本当の正義とは何か」という、時代を超えて問われる重いテーマです。周囲の圧力に負けず自分の信念に従って行動する勇気と覚悟…。半沢直樹の戦いは、結果だけではなく、信念を貫き通す尊さを教えてくれます。

日々の生活の中で見失いがちな「譲れない想い」を、このドラマは思い出させてくれるのかもしれません。


※記事は執筆時点の情報です。